ミニ四駆レーサー鉄の気ままな小説置き場@ヒカリアン命

ぼく、ミニ四駆レーサー鉄が書いた様々な小説を投稿するブログ。何らかの形でヒカリアンが乱入します

Premium

「よし、セ・・・
 じゃなくて、バイソンマグナムの修理完了っと」
「俺もソニックのメンテは終わりだ。」
ここはどこにでもあるような一軒家の一部屋
2人の少年がミニ四駆を整備していた。
ただ、この2台のマシンには、市販されていないモーターと赤いCPUのような部品が取り付けられている。
「なぁ烈兄貴、セイバーがいなくなってもう2年以上たつんだな。」
「そうか、そういえばもうそんなに立つのか・・・
 お前あの時、『もうミニ四駆はやらない』なんて言ってたよな~」
「あはは、そーだっけ?
 そういえば、セイバーをもらってからマンタレイ、ほとんどさわってないよなぁ」
「そういえば、俺もアスチュートはソニックにパーツを映してそのままだったな。」
「ねぇ、久しぶりにマンタレイとアスチュートで勝負してみない?」
「そうだな、ソニロクとちがって大径が使えるから、新しいセッティングも見つかるかもしれないし」
「よし、じゃあ後でおっちゃんのとこで」
「ああ
 ま、どうせお前のコースアウトですぐ決着がつくだろうけど」
「なにー!そんなことねぇよ!!
 烈兄貴こそ、トルネードですぐに追い付けなくしてやる!」
「お前、マグナムじゃなくてもトルネードできるのか…?」
「や、やったことはないけど…
 スーパーアバンテだってやってたんだぜ!たぶんできるさ!」
そのとき、遠くで空から赤と青の光が落ちていった
「およ?雷か?」
「こんな天気がいいのに、雷が落ちるわけ無いだろ。」
「そうだけどさー、」

そのころ、2つの光が落ちた場所
そこは火山だった
光は60cmほどの白い溝のような物体…
ミニ四駆のコースが周りに張り巡らされている噴火口に引き込まれるように入り、マグマに落ちた。
そのマグマの中で光は消えるどころか、より一層輝きを増した
その光を中心に白、黒、緑、青、銀、金色の液体…
スチロール樹脂、POM、鉄、金、亜鉛、銅、アルミニウム、ニッケル、カドニウム、アクリル樹脂、炭素、エクストラマー樹脂などが集まっていく
そしてそれぞれが固まり、2台のミニ四駆となった
それはタイヤを覆いつくし、空力を最大限まで引き出したデザインで人気の高い初代市販型フルカウルミニ四駆の「セイバー6OO」
…いや、その最終試作品にして、かつて多くの戦いを勝ち抜きつつも、この火山で散っていった伝説のマシン
「燃える弾丸」ことマグナムセイバーと、「コーナーの貴公子」の異名を持つソニックセイバーだった
完成した2台のマシンは再び強く光り、収まったときにはそれぞれバンパーの形が大きく代わり、ソニックのボディは光沢が強くなり、マグナムのは厚みが非常に薄くなっていた
それぞれはシャーシ裏を向けあい、タイヤを接触させてプロペラシャフト方向に激しく回転しながら火山を飛び出し、走り去っていった。

~~~~~
「うー、もっ回勝負だ烈兄貴!!」
「何度やったって同じさ、どうせスプリントに超速と超大径つけて、直線専用のセッティングにしてるんだろ、
リヤだって低摩擦プラの19mmだし、そんなんじゃこのコースを完走できるわけないじゃないか」
「くっ
 なんでおっちゃんは今日コース変えたんだよ
 昨日までのS字なら、トルネードでぶっちぎりだったのに
 よし烈兄貴、今から博士ントコ行って高速コースでもっかい勝負しろ!!」
「なんでそうなるんだよ・・・」
キュイィィィン…
「な、なんだなんだ!?」
「店のそとから聞こえてる…
 こっちだ!」
「待てよ烈兄貴ぃ~」
二人は模型店の表の通りに出た
「だ、誰もいねぇ…?」
「ご、豪
 あれ・・・」
「『あれ』?
 ・・・マグナムセイバー!?」
「ソニックセイバーもだ!」
そこには、先程のマシンが走って来ていた
そして・・・
「「ヒカリアンチェンジ!」」
ボディ後部が外れ、左右のカウルを開き、キャノピーを上げて変形した

「「はじめまして!伝説のレーサー」」
「「お帰り、相棒!」」