ミニ四駆レーサー鉄の気ままな小説置き場@ヒカリアン命

ぼく、ミニ四駆レーサー鉄が書いた様々な小説を投稿するブログ。何らかの形でヒカリアンが乱入します

共に終わった束の間のある日

「何やってるんだ?三国」
「西!今話題のアプリゲームさ
周りが話してるのを聞いてちょっと気になってな
お前もやってみろよ」
「うーん・・・
まぁ休憩中だし、一回だけな」

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ある日、とある車掌が新幹線博多総合車両所に訪れると、知り合いの整備士が見慣れない男性二人と話をしていた
「あれ?三国は取り込み中かな・・・」
「おお!西!丁度良かった」
とりあえずその場から離れて待とうかと考えていたらその整備士から逆に声をかけられた
「彼が今話した友人です。」
「君が・・・」
「あ、あの、私に何か用でしょうか・・・?」
「このシミュレーターで高得点を出した人物に相談があってね
ちょっといいかな?」
「はい・・・」

~~~~~

「西タビト君だったね
一応確認だが、このスコアを記録したのは君で間違いないんだね?」
「は、はい
昨日休憩中に、先程の整備員に誘われて一度だけやったときのものです
これが何か・・・」
西と呼ばれた車掌は、見せられたスマホの画面のベストスコア記録時間を確認し答える
「これは極秘の情報のため家族にも誰にも話さないでほしいのだが・・・」
西がはっきりとうなずくのを見て、メガネの職員は話を続ける
「このゲームは、実は日本を護る巨大ロボットのシミュレーターなんだ
我々超進化研究所はそれを運転できる特別な素質を持った人間を探すべく、世に提供し高いスコアを出した者を調べているんだ。」
「は、はぁ・・・」
西は想定しなかった方面の話に唖然とする
「つまり、私にその資格が・・・」
「ああ、それもうちのエース運転士に迫るほどの適合率を記録しているんだ
だから是非君にシンカリオンの運転士になってもらいたいと思ってね」
シンカリオン・・・
それがそのロボットですか」
もう一人の方の言葉への返答を受け、タブレットの映像を見せられる
そこには色とりどりの新幹線が変形し、様々な敵と戦っていた
「新幹線・・・!?」
「ああ、俺達は本来新幹線の研究をしていたところに、この任務を与えられ
その技術を元に産み出したんだ
実は今運転士が居ないブランクになってる機体が3編成居てね
その機体のパートナーが見つかればと思っているのだが
特にこのALFAーXは強力な分起動に必要な条件が高くてね
君ならもしかしたら動かせるかもしれないから、是非協力してもらいたいんだ。」
そう言って画面に並んだ三体のロボのうち中央の巨大な銀色の機体を示されるが、
西は全く別の機体に釘付けになっていた

~~~~~

「よぉ!どうだったか?」
「あ、三国・・・
ちょっと、車掌室に来てくれないか?」
三国はその表情を見てうなずくと、二人はそのまま車庫に停車している500系へと乗り込む

「あの二人何でかクリアしたのが子供だと思っててさ、お子さんとかに貸しましたか~って言ってたんだぜ
俺、そんな歳に見えるかなぁ
・・・
で、どんな話だったんだ?」
「・・・運転士にならないかって」
「運転士!?ゲームでか!?」
「も、勿論旅客車両のじゃなくて
極秘で、家族にも誰にも話すなって言われたことなんだが、」
「まぁ、俺たちの間なら地球内での秘密なんか、あって無いようなもんだもんな
で、どんな車両なんだ?」
「・・・世界を護る、巨大ロボット」
「・・・
はぁ」
三国は漫画のような言葉を耳にし、気の抜けたような声を口にする
「彼らは未知の脅威に対抗するため、新幹線から変形するロボットを作り、それと相性のいい人物をあのシミュレーターで探してる
・・・らしい。」
「お前それ、俺がドッキリ仕掛けてるとか思わなかったのか?」
「遊びとはいえ、まだ人を騙すような精神的余裕はまだ無いだろ?
それならお前ごと周りの職員が仕掛けてると考えた方が自然さ」
「そ、そりゃそうだな
・・・しかし、そんな技術がこの星にあったとはなぁ」
「俺もびっくりだよ」
「で、乗るって言ったのか?」
三国の問いに西は首を横に振る
「まだ、答えてない」
「・・・興味はあるんだな
やつはもう倒したんだ。
俺だって居るし、しばらくは大丈夫さ
挑戦してみたっていいんじゃないか?」
「そ、そうかもな・・・」

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数日後、超進化研究所の二人が再び博多総合車両所に来ていた
「よ、シンカリオン開発メンバーさん達」
「やあ、ちょうど君にも・・・
シンカリオン』!!?」
外部に話していない内容をいきなり耳にして二人は驚く
「ちょっと気になったんでね、独自のルートで調べさせてもらったんだ
ああ、勘違いしないでほしいが、西の様子から気になったのは確かだがあいつから聞き出したわけではないし関わってもない
機密も漏れるようなことはないし漏らすようなこともしないから安心してくれ。」
「い、一体何の事かね?」
「アイツを巨大ロボのパイロットに勧誘したいんだろ?
アイツにしか動かせない車両があるから
だが、アイツは別の機体が気になってるみたいだぜ」
そう言って三国はスマートフォンにこの車両所に所属する新幹線を表示した
「アイツはシンカリオンの運転士には興味はあるが、動かすならこいつしか選ばないだろうな
だけどお前達は別の車両を動かしてほしいと頼んだ
アイツは真面目だからどちらも選べなくて『本来の任務』を口実に断ろうとしている。」
「任務・・・
まぁ、現在は明確に敵が居るわけではないから車掌の業務を続けたま・・・」
「アイツを誘いたいなら、500に乗せてやれ
それが条件だ」
三国は話を遮りきっぱりと言った
「しかし、500は戦歴が良くありません
その車両に乗せても彼の力を引き出すことは・・・」
「それはあの機体に対し適合率が低すぎたから、じゃないのか?
第一あの機体『でなければ』引き出してやれないさ」
「それはどういう・・・」
「共に戦っていた仲間を見捨てるなんて、できるわけないだろ」
メガネの青年は彼が500系への業務ばかりについていたことを思い出しはっとする
「とはいえ、あの機体は合体しての強化を前提に開発しているのは確かだ
そこでだ、こんなのを提案したいのだが
どうだ?」
三国が渡した資料を見ると、そこにはそれまでの要素は強いもののどのシンカリオンとも異なるロボの図面がかかれていた
「そちらの鹵獲している『オーガ』という機体と、700シリーズを参考にさせてもらった
まあ、急に作れといっても無理なのは承知の上だし、そもそも運転士の問題は増えるわけだけどな。」
「・・・その事なんだが、この機体は君に乗ってもらえないだろうか?」
「い・・・?」
意気揚々と話していた三国は、思いもよらないカウンターを受けて言葉につまる
「あのあと、元々低いとは言えなかった数値が急に上昇してね
最初は二度目で馴れたからスコアが安定したのだと思ったのだが、そもそも一度目と二度目はプレイした人物が違ったのだろう?」
「いや、確かに低くはないかもしれないけど、かといって高いわけでもないじゃないですか・・・」
「確かに、ランキング的には中の上ではあるんだが、それを記録した回りはすべて子供なんだ
俺たちも子供を戦いに出すのは本意ではない、だから大人でも運転できるよう研究を進めているのだが
君達みたいに大人で適合率が高い人物というのは希望なんだよ!」
「あはは、さ、参考になりますかねぇ・・・」
ジャケットを羽織った職員から圧され、三国は自分と西の境遇も含め困惑する。
「だから、君にも仲間になってほしいんだ。」
「500の最適化は勿論、この機体を君の専用機として製造することを検討しよう、
何か、運転したい車両の希望とかあるかね?」
「本当ですか!?
・・・だったら俺は

WIN350アイツと共に走りたいです。」