ミニ四駆レーサー鉄の気ままな小説置き場@ヒカリアン命

ぼく、ミニ四駆レーサー鉄が書いた様々な小説を投稿するブログ。何らかの形でヒカリアンが乱入します

暴走・疾走・爆走

「ふー
いい天気だね~」
「ホント、気持ちいいね~」
本日休みが重なったウエスト、ケンタ、はやぶさ、ネクスト、サウス、ソニックは、建設中の中央リニア新幹線のレール近くにある公園で、ピクニックをしていた
「たまには、こうやってのんびりするのもいいもんだな」
そのとき、カメラや大きなマイクを抱えた4人組がやって来た
「フッフッフ!
今こそドクターが開発したスーパースローカメラと高音質マイクの性能を試すとき!」
「だ、誰!?」
ウエストが振り向く
撮り鉄の工藤!」
「録り鉄のMPV!」
「「二人合わせて、JHRとり鉄コンビ!」」
そこには、なんかカッコつけた工藤軽大とMPV、
そしてそれを見てるV6エイト、デュアルが居た
「君たち、今日はどうしたの?」
ケンタが聞く
「この間完成したカメラとマイクの性能を、今日テスト走行する新型リニアで試し録りしてくれって頼まれたんだ
鉄もMPVも張り切るのはいいけどよ、今回は先生に頼まれた仕事で、いつもの撮影とは違うんだぞ」
「何が違うって言うんだい!
ぼくらは鉄活動もレーサー活動も常時フルノッチ力走だよ!」
「どういう意味だよ・・・」
「まあまあ、2人とも列車の撮影にはなれてるんだから、ここは任せようよ」
「ま、それもそうだししゃーないか
そういえばそっちは何でこんなところに?
所属もバラバラだし」
「このメンバーでたまたま休みが重なってね
暇だしピクニックでも行くかってことになって集まったんだ、
君たちもきりたんぽいる?
これ妹の手作りなんだ」
デュアルの質問にはやぶさが答える
そのとき、レールの上をリニアが走って行った
「おい鉄!お前時間間違えてんじゃねぇか!」
「そ、そんなはずは!」
[[[ピー、ピー、ピー・・・]]]
[タッタラッタラララッ!タッタラッタラララ!]
同時に全員に通信が入る
『皆聞いてくれ!
リニアの制御システムがブラッチャーに乗っ取られた!
現在、試験車両L0系900番台が暴走中!
まだ出発準備の途中で、発電用ガスタービンエンジンの燃料タンクの蓋がしっかり閉まってない可能性があるとのこと!
強制的に停車させると燃料が漏れだし、大惨事になる可能性がある!
だれか安全に停車させてくれ!』
「何だって!?」
「それってかなりヤバイじゃんか!」
「ノゾミさん!MLX01シリーズは誰か出れますか!?」
『だめだ、制御が完全にブラッチャーに握られてるから、出場しても暴走車が増えるだけだ
X-01も今は宮崎に居る、
一応応援信号を送ったが、
今からではとても間に合わない・・・』
軽大の質問にノゾミが通信で答えた
「くっ・・・」
そのとき、MPVがあることに気づく
「ねぇ、リニアのレールにスラブ軌道がない?」
「え!?」
「そうだ思い出した!
この線路は元々JHR中央新幹線として造られてたんだ
だけど俺たちが宇宙に帰ったから、地球の民間会社に渡され、一部がリニア中央新幹線九州新幹線になったんだ
だからその名残でビッグワンダー特殊レールが残ってるんだ」
ソニックが言う
「つまり、ボクたちが走れるってこと!?」
「けど、ウエスト追い付けるの?」
「うっ・・・」
ウエストは言葉につまる
しかし
「こないだのVs計画!」
「4両編成でさ!」
「後ろにはサウくんで!」
「モーターも変えるか!」
MPVと軽大はなにか勢いよく会話し始めた
「お、おいお前ら・・・」
「「ウエスト1.10.ボディと台車、パンタ13で中身11サウス8台車はウエスト16号車はやぶさからすり板とIGBTネクストからはモーターと全周幌に中央締め付けブレーキを移植して!」」
「な、何だよ2人とも・・・」
「「早く!!」」
「お、おお・・・」
皆は慌てて動き出す
ウエストとサウスはリターンして連結し直し、
他のメンバーはやぶさの中間車からすり板一枚とIGBT型VVVFインバーター
ネクストの中間車からモーター32個と全周幌3本、ブレーキ32枚を外しにかかった
~~~~~~
 数十分後
~~~~~~
気合いとヒカリアンの力により、500系の改造は驚異的な早さで完了した
「よし!これでいける!」
「ちょっと、これどういうこと!?」
「ゴメンゴメン、
最も軽くて空気抵抗も低く、全車電動車の500系に最新の高性能部品を移植したんだ
これならリニアに追い付けるかもしれない
だよね軽大くん!
・・・あれ?軽大くんは?」
MPVが回りを見るが、軽大はいない
「アイツ、人に働かせといてどこいった!?」
デュアルが怒りを込めて言ったとき、すぐ後ろでサイレンが鳴り響く

 

ウ~ウウ~ ウ~ウウ~
[危険ですので、光の線より外側でお待ちください]
ウ~ウウ~ ウ~ウウ~

 

「なんだなんだ!?」
全員が光より外に下がる
その地面が開き、黄色い塗装の巨大なトレーラーがせり上がってきた
「な、何だコイツ」
「ポリストレーラーや俺のスナイパートレーラーのベースになったヒカリアントレーラーだ!
まだあったのか!」
ソニックが言ったとき、運転席が軽大が降りてきた
「ゴメンゴメン、
実はヒカリアントレーラーがリニア輸送用に中央新幹線に残ってるっていうのを思い出してさ、山梨リニア実験センターに許可をもらいに行ってたんだ
これなら人間は留守番になるけど、一気にものすごい速度に上げられるよ!」
「なるほど、
あとはウイングセンサーのリミッターだけど・・・」
「それは僕が解除できる
ただ、サウスくんのは壊れてるからなぁ・・・」
V6エイトが言ったとき、
イオンエンジンだ!」
はやぶさが言った
「え?」
小惑星探査機はやぶさは、イオンエンジンが壊れたとき無事なパーツを組み合わせて動けるようにしたんだ
これみたいにすれば、なんとか治るかもしれない!」
「分かった、やってみるよ!」
デュアルとMPVはサウスのウイングセンサーを開ける
「故障部品発見!」
「こっちもあったぜ!
それぞれの部品で補うぞ」
2人はパーツを見せあう
しかし・・・
「「同じ部品・・・」」
経年劣化による故障だったため、ダメになったものは左右とも同じだった
「MPV!コレそのものを修理するんだ!」
「無理だよ!こんなところですぐに治るようなものじゃないよ!」
「こっちは外れたよ~
もう出れる?」
そのとき、V6エイトがリミッターを外して持ってくる
「「それだ!」」
偶然、リミッターに代用できる部品が使われていたのを見つけ
2人は急いで
しかし確実に部品を取り付ける
「コレでいいのか?」
「連続使用限界時間は2時間ぐらいだと思うけど
とりあえずなんとかなった!」
その頃軽大とケンタも、500系発車用アダプターをネジ止めし終えた
「ソニックさんとロードヒカリアンは500系に乗って!
作戦はマツダくんが説明して!
すぐ出します!
圧力確認、潤滑確認!」
ソニックたちが乗り込んだウエストとサウスが、ヒカリアントレーラーの上に乗る
「皆さん、進行方向を向いた椅子に座って下さい」
『みんな座った、いつでも発車OKだよ!』
トレーラー操縦席のモニターに、ウエストの車内が映る
「分かった
発進!」
ケンタが発車ボタンを押す

「ぐっ!」
「うわっ!」
「「うわぁぁぁ!!」」
ヒカリアン達はシートに押し付けられ、
500系は500km/h近くまで一気に加速した
その時、レールが青(というか500系の屋根色)に発光
その上に時計の針のようなものの見える光の輪が現れ、次々とくぐり抜け500km/hに到達したとき・・・
輪をくぐり消えた

 

~~~~~

 

「加速は弱くなったね
じゃあ作戦を説明するよ
まず、この500系でL0系に追い付く、
そしたらソニックさんがライフルでカバーを壊して連結機を出す
そこにこっちが連結してブレーキをかけ、安全な速度まで落とし、タイヤを出させて向こうに物理的に通電を切ってもらうんだ
こうすれば安全に停車できるはず
だよね軽大くん
あれ?軽大くん?」
MPVは通信を通して軽大に確認をするが、応答がない
「MPV、理由は分からないけど、さっきからどことも連絡がとれないんだ」
V6エイトが言ったとき
「何?コレ!?」
ウエストがさけぶ
「どうしたんだ!?」
「全部止まってる・・・」
「え!?」
車内のヒカリアンは、窓に集まり外を見る
流れていく人や車、何もかもが完全に止まっている
V6エイトがセンサーを手に取り、乗務員扉の窓から外に出す
「分子の運動が全く無い・・・!?」
「どうしたの兄ちゃん?」
「どうやら外の時間が止まっているらしい」
「「「!?」」」
一同が驚く
「ウエストくん、走っているとき何かなかった?」
「そういえば、線路が光って、光の輪が出ていたような・・・」
「うん・・・
多分ウイングセンサーの力で、一つ下の次元に落ちたんじゃないかな」
「それってつまり、ネットでよく聞く『2次元行きたい』を実現したってことか?」
デュアルが聞く
「うーん
僕たちの住む世界は、位置、距離、空間の3次元に合わせて、流れていく『時間』があるんだ
普通は関知できないし、揺れ動いても一緒に動いているから分かんないけどね」
「つまり・・・
どういうことだ?」
「えっと、
だから例えばアニメ!
あれは沢山の絵がどんどん変わっていくから動いて見えるでしょ!
絵自体は2次元だけど、時間順に重ねると立体になる
あんな感じだよ!
今はそれの一枚にボクたちが居るって感じかな」
デュアルの疑問にMPVが答える
「それってわざわざそんなややこしくしなくても、『外の時間が止まってる』でいいんじゃないか?
まあそれより、何でウエストとサウスは時間が止まってないんだ?」
「それはウイングセンサーの力だよ
本来時間の歪みを見つけたり、操作する能力があるけど、このスピードや、いつもの倍の数が動いていること、
本来とは違う部品が使われていることとかが影響しているんじゃないかな」
「よく分かんないけど、とりあえずこれで確実に追い付けるな!」
ソニックが言った
「ソニックさんはそろそろ連結機カバーの中へ
合図をしたらカバーを開けてもらうから、そのときカバーを壊して!」
「了解!」
運転席の床を外し、そこから入る
「あと、この空間からも抜け出さないと・・・」
「それなら大丈夫!
あの部品、スイッチごと取り付けたから、手動で切れるよ!」
「ナイスMPV!
じゃあ、合図をしたらウエストくんはカバーを開け、MPVがスイッチを切り、ソニックさんはライフルを構えてください」
「「「了解!」」」
「ウエストくん、サウスくん、すべての貫通扉を開けて!」
「おう」「分かった」
ウィィィ
「じゃ、行ってくる
ヒカリアンリターン』!」
貫通扉がすべて開き、MPVがヒカリアンサイズのまま車になってサウスへと向かった
V6エイトは運転席で双眼鏡を構える
「見えた・・・
5、4、3、2、1
今だ!」
「「「おう!」」」
ぐいぃー
カチャ、
バチィ!
ギュゥゥゥゥ!
線路が再び光り、輪が現れる
「あれか!」
ダダダダダダダダ!!!!
ソニックは光の輪の向こうにいる、L0系の連結機カバーフチを狙い、ライフルを連射する
弾が輪の中に消えウエストもくぐった
ドン!グヲォォ!!
「うわあ!」
「うわっ!」
「ぎゃあ!」
「ぐっ!」
「ぐえ!」
「うおっ!」
本来の世界に戻り、なかった場所にいきなり現れたため、ワープする前の場所へと空気がどっと流れ込み、それと同時に車体が揺れる

ガガガガガガガガ!
「よし、とりゃ!」
ダン!
バキィ!
ガコン

ガン!ガン!ガガガ!
ソニックが撃った弾がすべて命中、
それを確認し最後の1発を撃ち抜き、カバーとロックが外れ、カバーは隣のレールに飛んでいった
『う、ウエスト!?』
「ケンタくん!?」
『よかった、いきなり消えたと思ったら、リニアの真後ろにワープしたんだもん!』
「心配かけてゴメン、
でもこれでリニアが止められるよ!」
ウエストは減速しながら連結機が触れるか触れないかの位置まで近づく
その様子はトレーラーのモニターにも表示される
『皆さん衝撃に備え座席についてください!』
軽大の通信で、全員が椅子に座る
軽大はそれを確認し、合図をした
『サウくんとウエストさん、今です!
1ノッチ上げ一秒間加速、
それで連結したら一旦惰性走行に入ってください!』
「「了解!」」
ガチャン!キュィーー
2人は言われた通りに走行、L0系と連結した

「ふー、これで一段落
あとは減速するだけですね」
「うん、でも連結機が壊れないといいけど・・・
って、そこまで弱くはないよね」
『「あ!」』
ケンタの台詞に、MPVと軽大が、声をそろえて青ざめる
マツダくん!」
『うん!!

・・・
当たり前だけど、密着・・・』
MPVは連結部に飛び込み、トレーラーへと報告する
「のぉぉー!」
「ど、どうしたの!?」
「新幹線に使われてる連結機は、乗り心地はいいけど強度はそこまで高くない密着式連結機なんです!
軽い電車をゆっくり牽引ならともかく、500km/hで走ろうとする車両を引っ張るなんて乱暴したら、さすがにもたないかもしれません!
マツダくん、その辺に縄無い?縄!
なんかで縛って!」

(そんな縄なんて・・・
そうだ!プログラムがまだだけど、ヒカリアンなら!)
MPVはスラッシャーウイングやハンドソードなどの中心部によく似た、丸い物体を左腕に取り付けた
すると光の針が現れ時刻を表示する
「いけ!」
MPVは左手を前につきだし、右手で物体・・・
時計の側面にあるボタンを押す
すると、カーボンファイバーの強靭な糸が出てきた、
それが連結機にまとわりつき、ガッチリと補強する
「よし、できた!
いいよ!」
『そんな都合よく縄とかがあるんだ・・・』
ケンタが苦笑する
『よし、じゃあみんな逆に座って!』
軽大の指示でMPVは客室に戻り、座席を2つ回転させ座る
「準備OK!」
『じゃあウエストさんとサウスさんは1号車の客室扉以外のすべてのドアを開けてください!
空気抵抗が一気に上がり、速度が下がるハズです!』
「「了解!」」
プシュー!
グヲォォ!!
一気に速度が下がる、
しかしそれでも450km/hほどにしかならない
「だ、だめだよ」
「諦めるなウエスト!ブレーキかけるぞ!」
『いや、待ってください
まず貫通扉を全部開けてサウスさんがチェンジしてください』
「お、おう・・・
ヒカリアンチェンジ!
ぐわっ!」
サウスは変身したとたん、車内に引きずり込まれた
「『ノーマルコイル』!」

V6エイトが腕にコイルを装着し、磁力でサウスを受け止め、隣に座らせる
「ありがとうエイト
しかし、なんだあの風は・・・」
「カルマン渦だよ、
切妻のまま高速で走ると、スリップストリームで空気が薄くなった場所に一気に集まるんだ
それで空気抵抗も上がる、
ほら、実際どんどん下がってきたよ」
MPVが電光掲示板を指すと、330km/hまで数字が落ちていた
「あとは普通にブレーキをかければ止まるはず」
『うん、でも160km/hになったらL0系のタイヤを出すのを忘れないでね』
「分かった!」
ウエストはブレーキをかける

その時発車位置に残った新幹線組は、全車がリターンし、残った500系を含め連結していた
「これで、どうするんだ?」
「軽大くん、何でこんなことさせたの?」
「ウエストさん達を停めるためです。
ではこれで可能な限り急加速してください」
「どうして?」
「新幹線は加速するときに最も多くの電気エネルギーを消費します、
だから同じ架線で負荷が大きい状態で加速すれば、相手の電力回生ブレーキは真の力を発揮できるはずです!」
「そうかなるほど!
行くぞハヤブサ!」
「うん!」
2人は20両の500系をはさみ、ケンタたちを乗せてウエストのあとを追い始めた

同じ頃、リニア制御コンピューター前
「親分、やっぱり今回の作戦も失敗ですよ
どんなにパワーを出しても減速してるもん」
「だなあ、リニアを暴走させ、危険な乗り物という印象がついたら、開発中止になって技術者や期待してた人間がいやーな気持ちになると思ったんだけどなあ、
まあ、ヒカリアンたちが来て吹っ飛ばされる前にリニアを停めて、さっさとずらかるか」
ブラックがパソコンを操作する
「何!?どうしたんだ!?」
「何々?何があったの親分?」
「タイヤが出てこないのだ!
このままでは停車させることはできない!」
「そ、それって大変じゃないですか!」
「どーすんのどーするのそれー!」
そのとき入り口の扉が空いた
「見つけたぞブラッチャー!」
ノゾミとツバサだ
「オイテメェら!
リニアを元に戻しやがれ!」
「今やっているところだ!
だけどいうことを聞かないのだ!」
「どういうことだそれは」
「ボクたちにも分かんないよぉ~」
「とにかく、コントロールだけでも返してもらおう
ウインダッシュなら何とかしてくれるだろうからな」
「わ、分かった」

ステーションのモニターがリニアの操作画面に切り替わる
「こ、これは!」
「どうしたんだウインダッシュ!?」
「タイヤが認識されていません!」
「なんだってぇ!?」
富士見本部長が驚く
「恐らく、仮固定だったコードが、タイヤ収納の衝撃で外れたんでしょう
下から手動で開けられたらいいんですが・・・」
笛太郎が分析する
「いくらなんでも、そんなに狭い隙間には入れる人もヒカリアンもいませんよ」
「いや、2人心当たりがある
こちらJHR本部
土屋研究所へ緊急要請!」

 

~~~~~

 

「よし、そろそろ高度が下がってくるから、タイヤを出した方がいいね
ウエストくん、頼んだ!」
「それが、何度やっても反応しないんだ!」
ウエストが答えたとき、300X博士から連絡が入った
『ああ、どうやら接続が切れているらしい
どんな信号を送っても無駄だろう』
「な!
だったら俺が中に入って無理矢理出してやる!」
『待てサウス!
もう手はうってある』
そのとき、近くの高速道路に、二本の銃口のようなものが見えた
「お、おい何だよありゃあ!
何かヤバくねぇか!?」
サウスが言ったとき、壁がなくなり、車の全貌が見える
その車は先頭部が青いトランスポーターだった
「あれってもしかして・・・」
「ああ、あれはTRFビクトリーズ、
ミニ四駆世界グランプリ日本代表のトランスポーターだ!」
トランスポーターの銃口が伸び、ねじれてひとつになる
「じゃああの銃口は!?」
「あのサイズは間違いない」
「うん、ミニ四駆の発車口だよ!」
デュアルとMPVのいう通り、銃口からは2台のミニ四駆がシャーシ側をあわせ一体となり回転しながら飛んできた
「きっとグランプリマシンでカバーに体当たりし、開けてくれるんじゃないか?」
「いくらなんでもこの軽さじゃ無理だろ」
デュアルの台詞に、サウスが自分のサンダーショットを出して言う
「うっ・・・」
「ちょっと待って!
あのマシンバイソンとロデオじゃない!」
双眼鏡を除いていたV6エイトが言う
「え?だってあのカラーはマグナムとソニックじゃん」
「確かにマグナムとソニックだけど、初代セイバーだった・・・」
「え!?
だってその2台は数年前に大神のヤローに溶岩で溶かされたんだろ!?」
「レプリカ・・・
いや、でもわざわざ旧式のマシンを再現してこれ用の改造をするマシンに使う理由がわからない・・・」
そのとき300X博士から通信が入る
『驚いたかね皆
実は、あのミニ四駆ヒカリアンなんだ』
「「「「えっ!?」」」」
「「はい!?」」
『実は前にヒカリアン星の天才レーサー、マグナムとソニックが地球に来て、溶岩の中にとけていたマシンと融合したんだ
この状況をなんとかできるのは、サイズの小さな彼らしかいないと思って
今回は協力を頼んだんだ』
「そんなことできるのかよ・・・」

 

~~~~~

 

「くっ
やっぱりいくらなんでも12Vはきついぜ・・・」
「なんだ?もう音を上げたのか!?」
「へん!んなわきゃねぇだろ!
ソニックこそモーター焼き付かせたりするんじゃねぇぞ!」
マグナムとソニックは互いに言い合い、速度をあげてリニアの真下につく
「これか
マグナム、左端を持って!」
「こうか?」
2人はカウルを開き、腕と目だけを出した状態でカバーに触れる
「それでいい
よし、せーので開けるぞ!」
「「せーのッ!」」
ガガガ・・・
ガコッ!
カバーが開き、2人の間にタイヤが降りる
「よし!うまくいったぜ!!
次はここだな?
いくぞ!」
「おう!」
2人は次々とカバーを開け、タイヤを出していく

 

~~~~~

 

「デュアル、それこっちに」
「ああ、」
デュアルとMPVは自分たちの車内にあったコースを、連結機カバーからだし、マグナムとソニックを車内に誘導する
「「ヒカリアンチェンジ!」」
「ふー、カバーは結構重いし、電圧もアンペア数も大きくて苦しかったぜ」
「お疲れ、
俺の名前は特車隊スナイパーソニック
君は、俺と同じ名前を持っているんだってね」
スナイパーソニックがソニックセイバーに言う
「はい、ぼくはソニックといいます
この体はソニックセイバーというので、そのように呼んでください」
ソニック同士は握手をする
「き、君があの星馬豪のマシン、マグナムセイバー!?
すごい!本物に会えるなんて!!」
「おう!このおれ様こそがあの有名な直線番長ヒカリアンマグナム様だ!!」
「いや、オレがよく知ってるのは体にしてるマシンの方だがな」
「あらら」
「地球じゃネットですら情報がないから仕方ないですよ
でもボクは最近まで星にいたから、マグナムさんの活躍、よく知ってますよ!
連続S字をジャンプでショートカットするなんて無茶苦茶な走り方とてもできませんよ!」
「いや~、あははそんなに言われると照れるぜ~!」
「いや、褒められてないだろ」
「い、いや決してそんなことは・・・!」
ソニックセイバーのツッコミをMPVが否定する
「みんな、確認が終わったからブレーキをかけるよ!」
「お、おう」
車内のヒカリアンは椅子に座り直し、ウエストはブレーキをかける
同時に基地からもリニアに停車指示を送った
ギュゥゥゥ・・・
編成は少しずつ速度を落としていく

~~~~~

「ふー、これでひと安心なのだ」
「大変なことにならなくてよかったですね親分」
「ホントホント」
「じゃ、オレ様たちは基地に帰って一休みするのだ
さらばヒカリアン!」
ブラッチャーは、その場からそそくさと逃げようとする
「『さらば』じゃねぇよ!
誰のせいでこうなったと思ってるんだ!!
いくぞのぞみ!」
「ああ、
ライオソード!
ライトニングライキング!!」
「ウイングシールド!
ライトニングウイング!!」
2つの必殺技は融合し、かつて2人がスカイサンデーとスラッシャーウイングで行った火の鳥のような形をした合体技になる
「「リニアのレールは鉄じゃないから~」」
「『鉄』『道』じゃぁねぇだろ!」
ブラッチャーはいつも通り、空の彼方へ飛ばされていった
「・・・
確かに『鉄』の『道』ではないな・・・」
「ははは
しかし、X-01から反応が全く無いが、どうしたんだろう?」

 

~1時間ほど前、宮崎~

 

「単調とはいえ、いつもと違う道を走るのもいいものだな」
ピー、ピー、ピー・・・
「応援信号?
何があったんだ?
とりあえず基地に連絡を・・・」
ザシュッ!
「!?
イエローソード!」
ガン!
行きなり現れた影に、X-01は剣を取り出し攻撃を受け止める
X-01がはじめに持っていた剣はあまりに損傷がすさまじく、使われている技術も分からなかったため修復が不可能
ある程度解析した結果コアとなる部品は、のぞみの兄が開発した人工のものでなく天然の鉱石を加工したことが分かり、
性能は高かったものの機械ではないためそれ以上のことは分からなかった
そのことから、誰も使用していなかった剣「イエローソード」と「警察剣」にそのコアと、複製品を装着して渡されたのだ。
「シャドーX!?
何故こんなところに!?
まさか、基地も・・・?」
ガン!ガン!
シャドーXとX-01は激しくぶつかり合う
「こ、こちらX-01!
JHR基地応答を願う!」
しかし、通信は繋がらない
「ノゾミアン隊長!ウエスト!ケンタ!ウインダッシュ!ドクターイエロー
くそぉ!誰とも通じない・・・!」
「ヒール・・・
ユニコーン!!」
シャドーXが必殺技を放つ
「警察剣!
ライトニングユニコーン!」
X-01も、普段はポリストレーラーに配備されている剣を取り出し、相手の技を模倣してかつてヒカリアンXが使っていた必殺技を繰り出す
「グワァ・・・!」
飛ばされたのはシャドーXの方だった
「クッ・・・
スフィンクス、ナスカ!」
地神獣スフィンクスと、風神獣ナスカが現れる
「ブラッチャールリターン
デビルイン
巨神デビルX」
2体の巨神獣はそれぞれ変形し、中心部にシャドーXが合体してデビルXとなった
そして手にしたナスカソードをX-01に向かって降り下ろす
・・・が、
寸前で止まる
「え・・・?」
『何!?
・・・
貴様ら!!』
シャドーXは力をこめてるようだが、スフィンクスフレームもナスカソードも微動だにしない
「一体どうなってるんだ・・・?」
X-01が呆然としている間に、デビルXはどこかへ消えてしまった
「今のは何だったんだ・・・?
と、とにかく基地に行かないと!」
X-01は北に向かって全速力で飛んでいった

 

~~~~~

 

「ふー、なんとか停まってよかった~」
停車したウエストたちに、ネクストたちが追い付く
「やりましたね!みなさん!」
「あのリニアモーターカーに追い付くなんてすごいよウエスト!」
「えへへ、まあね~」
「しかし、ワープしたのには驚きました
あんなことができるなんて・・・」
「それ、ワープじゃなくて周りの時間が止まってたんだよ
外から見るとワープしたみたいに見えるんだね」
ウエストが言う
「じゃあ、ウイングセンサーの力なんかな?
しかし、停車させられてよかったですよ~」
軽大が言ったとき、X-01が走ってきた
「よかった、君たちが無事で」
「はい、ちゃんと停車できましたよ!
ていうかX-01さん傷だらけじゃないですか!?」
「停車・・・?
シャドーXに襲われたんじゃ・・・?」
「え?リニアが暴走したから、停車させてたんですが・・・」
「もしかしてその怪我・・・」
「ああ、シャドーXだ
まさか、目的は俺だけなのか・・・?」
X-01は、何故シャドーXが自分だけを狙っていたのか、
もしそうだとしたら、Xは自分のことを何か知っているのか、考えていた