ミニ四駆レーサー鉄の気ままな小説置き場@ヒカリアン命

ぼく、ミニ四駆レーサー鉄が書いた様々な小説を投稿するブログ。何らかの形でヒカリアンが乱入します

九州から来た2/101

ボオォ~~
ガッシュガッシュガッシュガッシュ・・・

秋葉原の町に、現代日本ではあまり聞かない音が流れる
線路を見ると、そこには蒸気機関車8620型とD51型が重連で走っていた
・・・てまあ、ここでは日夜ブラッチャーとヒカリアンのおいかけっこが行われてるから、蒸気機関車はたいして珍しいものでもないが・・・
しかし、明らかにおかしいところもある
この蒸機、ナンバープレートに刻まれた文字が「58654」と、「D51 170」
つまり、本来は九州にいる車両なのだ
「そういえば、お父さんたちの家ってこの近くだったよね~?」
D51がバイザーを上げて言った
「うん、地球に帰って来て会ってなかったけど、久しぶりに帰ってみよう」
2人は秋葉原駅に向けてスピードを上げた

~~~~~

ピンポーン
「はーい!
おやぶん、また通販で何か買ったんですか?」
「いや、何も買ってないが・・・」
三人はドアを開ける
そこには、58654とD51 170のブラッチャーがいた
「お久しぶりです、父さん!!」
「お前は・・・
jr.!?
jr.なのか!?
会いたかったぞ!!」
「え!?本当にjr.なの!?」
「うわあ~!久しぶり!!!」
3人はやって来た人物に抱きつく
「く、苦しいです父さん・・・」
「おお、すまんすまん
ま、中に入れ」
5人は基地の中に入った

「ところで、その姿はどうしたのだ?」
「ぼくたちはあのあと成長し、あの体では小さくなってしまったんです。
たどり着いた星ではエネルギー体だけでも大丈夫だったので、そのまま体を離れて開拓したのですが、やっぱり一からはちょっと大変で・・・
だからぼくたち2人が地球に調査に来ました。」
「その時に、お父さんたちにならって近くの蒸気機関車に入ったんだ
ボクは体が170号機だから、今はイナオって呼ばれてる
ドジラス父さんと同じD51なんだよ~」
「ぼくは人吉って呼ばれてます」
2人は交互に名前を言った
「そうかそうか、
オレ様たちもできることは何でも手伝うぞ!
基地にもずっと居ていいんだからな!」
「でも、ヒカリアンたちと戦うのは・・・」
人吉がためらう
「確かに、それが嫌で宇宙に行ったんだしね」
「それに、シャドーXのこともありますし、
やっぱりヒカリアンと停戦した方がいいですよ」
「だが、オレ様たちはヒカリアンの永遠のライバル!
そう簡単に戦いをやめるわけにはいかん!」
「じゃあ、闘えばいいじゃないですか
あ、お茶入りました~」
全員の前に湯飲みが置かれる
「ありがとうございま・・・
ん?」
「人くん久しぶり
来るんなら連絡くれたらよかったんに」
人吉がふりむくと、そこには軽大がいた
「軽大くん!?」
「なんだ、また来たのか
しかし、知り合いだったのか?」
「軽大くんが九州支部に入ったきっかけは、ぼくの連結部の水ホースが壊れたときに治してくれたからなんです。
けど、何で父さんの家にいるの!?」
「そうだったのか!?
ヒカリモノの仲間なのに、なんかよく遊びに来るんだよ」
「jr.が地球に来てるって、教えてくれてもよかったのに・・・」
「いや、人くんたちがブラックさんたちの息子と今知って驚いてるんですが・・・
というか3人の子供ってどういうこと?」
軽大は頭に?を並べる
「ふっふっふ!
それはだな、オレ様の発明したマシーンで3人のエネルギーをすいとり、それから造り出したからなのだ!!」
「ふぇっ!?」
「あと99人兄弟が居ます・・・」
「ふぁっ!?」
「ねえ、そんなことより『闘えばいいじゃない』ってどういうこと?」
ウッカリーが聞く
「いやいや・・・
そんなことですむことやないと思うんやが・・・
ま、いいか・・・
別に、戦闘だけが勝負じゃないじゃないですか
スピードレースをしたり、野球とかしたり、ミニ四駆だってありますし
そうだ!Xを先に倒すってのもどうでしょう!」
「なるほど
それなら傷つけ合うことなく、いつまでもライバルでいられるな
これならjr.もずっと基地にいてくれるか!?」
ブラックはキラキラした目で身を乗り出す
「それはもちろん!
と言いたいんですが、今ぼくたちJHR九州支部でお世話になってて、仕事もあるし・・・」
「そ、そんな~」
「で、でも長い休みが入ったら、必ず帰ってくるから!」
落ち込むブラックをイナオがフォローする
「本当か!?」
「はい、星のみんなにも遊びに来るよう言っときます!」
「やった!またjr.たちに会える!!」
「くー!
今度来るときはエビチリにプリンに鯖の味噌煮にそれからそれから
とにかくいっぱい美味しいものを用意しておくのだ!!」
「生き別れた息子との再開・・・
よかったですねぇ~!!」
ブラックとドジウカ、さらに何故か軽大まで涙を流して喜ぶ
「お父さん・・・
じゃあまた来ますね
会えて嬉しかったです!」
「おう!
今度来るときは連絡するのだぞ~!」
全員に見送られ、人吉とイナオは九州へ帰って行った
それから数日後・・・

 

アトム模型
「おいヒカリアン!!
オレ様と勝負だ!」
「あ、あのときの敵!!
じゃなくてウッカリー!
いいぜ受けてたつ!
・・・けど何で鉄も居るんだ?」
「コーチ
・・・的な?」
「今回はオレ様が相手だ!
いくぞブラックスティンガー!!」

ガッ!
「ブラックスティンガーCO(コースアウト)
よって勝者北のサラマンダー!」
「くっ、まさか脱線するとは・・・
おぼえてろよ~!!」
「おう!いつでも相手になるぜ!」


長野駅新幹線ホーム
「ブラッチャー!
何しに来た!?」
「あのー、今から回送運転ですか?」
「あ?ああ・・・
お前は?」
「ぼくは本部でお世話になってるミニ四駆レーサー鉄・・・
工藤です
ブラックさんOKです!」
「よし!
なら今から金沢駅まで勝負だ!!」
「お?
なんだこのオレにスピードで勝負する気か!?
かかってこい!!」
フイィィィィ!!
ガッシャガッシャガッシャガッシャ!!
「「負けた方に、鯖の味噌煮25個!!」」

キィィ!!
「く・・・
この近くに美味しい定食屋がある
そこでおごってやる・・・」
「いや、勢いで言っただけだし、
鯖の味噌煮そんなに食えないから別にいいよ・・・」

下町中華ミナヨ庵
「いくぞE4!」
「マ!!」
「ちょっと待った!!
その勝負、オレ様も参加する!!」
「ブラックエクスプレス!!
よしいいだろう
だが、手加減はしないぞ」
「挑むところ!!」

カラン…
「うう・・・」
「この勝負、私の勝ちのようだな・・・」
「くそ、おぼえてろよ~」
「待ちなさい!
アンタの食べたぶん、ちゃんと払っていきなさいよ!!」
「う・・・」
「親分、払えるの・・・?」
「お前ら、今いくら持ってる・・・?」

 

こうして毎日のように、日本各地でブラッチャーたちがヒカリアンに様々な勝負を挑んでは負ける、という光景が繰り返されるようになった
「くそ~!!
いつか絶対にヒカリアンどもをギャフンと言わせてやる!!!
おぼえてろよ~!!!!」

消えたAIをレスキューせよ

ガシッ
『何!?』
立川市に現れたデビルXは、大きな影に捕えられた
その影とは・・・

 

~~~~~

 

「「世界消防庁?」」
「それってあのレスキューフォースやファイアーの?」
「鉄、なんだよそのレスキュー・・・何?」
「『フォース』と『ファイアー』な、
昔あけぼの町ってところにジャマンガとかいうバケモンが現れて、
このときはSHOTとかいう組織が倒したらしいけど
次なんかあってもいいよう結成されて超災害を鎮圧してくれてたのが世界消防庁特別機動救助部隊レスキューフォースなんだって、
レスキューフォースは超災害の根源を鎮圧したあと、隊長のR5と最後に入隊した轟さんを残して引退、新メンバーを迎えて3期となりヨーロッパに行ったんだ
んやけど今度ぁ超火災なんてんが起こってよ、それに対抗するためフォースより消火に的を縛って結成したんがレスキューファイアーってとっかな、
ま、ファイアーも超火災作っとったやつ氷漬けてぶっ飛ばして解散したけどね」
「そう、そのレスキューフォースとレスキューファイアーにも、今後協力してもらうことなったんだ。
現在レスキューフォースは日本に向かっており、レスキューファイアーも再結成することになった」
「へぇ、そうなんですか!
じゃあレスキューマックスも見れるってことですか!?」
「そ、それはどうだろうか」
「何だよレスキューマックスって、そのレスキューなんとか仕様のZ2か?」
「ブレイジングマックスとは関係ないよ・・・
レスキューフォースの大型ビーグル、レスキューストライカーとレスキューセイバーがマックス合体した救助用巨大ロボットさ
アタマが小型ビーグルのコアストライカーMAXなんがなんかよくってさ~
最近はレスキューセイバーの後継機のダイバーと合体するスーパーレスキューマックスのが出ること多いけどね」
「そういやお前変形ロボ好きだったな・・・
この間もブラッチャーの巨大SLが変形したときすっげぇ応援してたし・・・」
「へへへ~」
「次Xが現れたら光エネルギー増幅装置を当ててみようと思う。もしかしたらヒカリアンXが少しでもよみがえるかもしれないしな
これには少しの間でいいからXを押さえつける必要があるのだが、
現在ガルーダは修理中、牛若丸もアメリカに有るため対応できない
ブラッチャーも頼めば手伝ってくれるとは思うが、調子乗るだろうし
そこで今回世界消防庁に協力を要請したのだ」
「なるほど!さすがですノゾミさん!」
「そうだろ
(この作戦考えたのはテツユキくんなんだけどね・・・)」


~~~~~

 

「今だ、ヒカリアン!」
大きな影・・・
スーパーレスキューマックスからR1MAX=轟輝が叫ぶ
「よし!みんな行くぞ!!」
「「「おう!!」」」
「「「ヒカリアンチェンジ!!!!」」」
ノゾミの掛け声に合わせ、ウエスト、ツバサ、E4、セブン、ラピート、ポリスウイン、ライナー、ネックス、E1スナイパーがチェンジし、ノゾミのもとに集まった
そしてノゾミの客車が展開し、中から巨大な円筒形の物体が現れる
ウィィィィンガッ!
ガシュッ
ウィンウィンウィンウィン・・・
それは、かつてブラッチャーにエネルギーを吸われたのぞみを蘇らせるために使った「光エネルギー増幅装置」だった
それを既にノゾミの客車に居たデュアルとXー01を含む皆で支え、デビルXへ向けると一気に発射した

「「「ヒカリアン・エネルギー・チャージャー!!」」」
ドゴォォォォ!!!
光エネルギー増幅装置から放たれた光はデビルXとスーパーレスキューマックスを包み込む
「ぐあぁ!」
「うお!眩しい!!」
[うあぁぁぁ
「シャドーXの光エネルギーを測定!
光エネルギー0です・・・」
「作戦、失敗か・・・」
しかし、それだけではなかった
スーパーレスキューマックスの動きが止まってしまったのだ
「ど、どうしたんだよコアストライカーMAX!!」
「R1MAX、一体何があったんだ!?」
「隊長!いきなりコアストライカーが動かなくなりました!!」
「何!?
コアストライカーMAX起動!」
[ピピッ
ERROR]

石黒隊長がレスキューコマンダーにカードをスラッシュしても反応がない
「だめか、
今からコアストライカーMAXを収容し、全てこちらで操作する」
「了解・・・」
「コアストライカーMAX収容!
全操縦システムコアストライカーキャプテンに移動!
行けえぇ!!」
コアストライカーMAXが頭部からレスキューストライカーの中に下がり、スーパーレスキューマックスはぎこちない動きでデビルXから離れた
「ジェットビハイクルモード!」
[ピピッ
HYPER UP]
ガシャン!
ガチャンガチャン
ギュイィィィ
スーパーレスキューマックスは合体を解除、ジェットビハイクルモードに再合体し飛び立っていった
『こちらレスキューフォース
JHR、応答してください』
「こちらJHRノゾミ
どうされました?」
『トラブルが発生したため、一旦退去させていただきます!』
「了解、あとはこちらで対応する」
『すまない・・・』
しかし、デビルXはジェットビハイクルモードを狙って手を伸ばす
「てやんでぃ!
そうはさせっかよ
化学消火アーム!!
とやっ!」
ネックスは自分の客車に移動し、化学消火アームから消火液を噴射する
しかし避けられてしまう
それと同時に
「冷凍弾発射!」
ジェットビハイクルモードから特殊冷凍弾が放たれた
これも避けられるが偶然ネックスの消火液にぶつかり凍らせ、デビルXにぶち当たる
「ぐぉ!」
Xが唸る
「なんだ!?」
「さっきの光エネルギー増幅装置の光で、暗黒エネルギーを消耗してるのかもしれない
今だ、みんな行くぞ!」
「「「おう!!」」」
「バードソード!
『ライトニングフェニックス』!!」
「ウイングシールド!
『ライトニングウイング』!!」
バッファロースピア
『ライトニングバッファロー』・・・!」
「七支刀!
『ライトニングワイバーン』!」
「忍者剣、関空忍者切!」
「パトリボルバー!」
「『ライトニングタイガー&ライガー』!!」
「消火液フルパワー!!」
「ビッグライフル!!」
「イエローソード!
『サンダーショット』!!」
「ライオソード!
『ライトニングライキング』!!
たのむぞデュアル!」
「おう!
バンパーロッド!
ヒルクライム!!」
みんなの必殺技のエネルギーをデュアルがまとめて1.5倍に増幅しデビルXに当てる
「くっ」
デビルXはそこまで大きくはないもののダメージを受け、その場から消えた
「チッ、逃げやがったか」
デュアルが呟いたあと、ウエストの客車からケンタと軽大が出てきた
「みんな大丈夫!?」
「ケンタくん!
ぼくたちは大丈夫だけど、作戦、ダメだったよ・・・」
「くーっ!
スーパーレスキューマックス超超超カッコ良かった!
合体もスゴイ上にジェットビハイクルモードへの再合体も見れるなんて!!
でも、トラブルってなんだろう?
光エネルギー増幅装置が原因なんやろか・・・?」
「いや、あれはヒカリアンのエネルギーと反応して増強させるもの、暗黒エネルギーと反応してブラッチャーを少し弱めることはあっても、人間や機械には何もないはずだが・・・」
「そうなんですか
じゃ、なんなんだろ・・・?」

 

~~~~~~

 

そのころ、ジェットビハイクルモードはレスキューフェニックスに帰還、整備室に移動していた
「佐伯さん!コアストライカーMAXは大丈夫なんですか!?」
「待て待て、まだ見てすらいないんだからなんとも言えねぇよ
多分、何かのエラーでAIが緊急停止しただけだろうけど」
そのとき、手動でドリルを外しジェットビハイクルモードから分離し始めたレスキューストライカーから、コアストライカーMAXが引っ張り出された
「・・・
やっぱり車としてのメカは無事みたいだからAIの故障だろ
ここのAIユニットを・・・
あれ?こっち・・・
なわけないか
どうなってんだ!?」
「どうしたんですか!?」
「無いんだよ、AIユニットが・・・」
「え!?
それってどういうことですか!?」
「AIがまるごと消えちまってるんだよ
これじゃ次のAIを作るまで修理はできねぇ
それに、修理しても記憶は戻らない・・・」
「そんな・・・」
「せめてHDDさえ残ってれば、なんとかなったんだがなぁ
とりあえず、このままじゃ出動できねぇから、一旦コアストライカーファイヤーの操縦システムのスペアを移植しておこう
原因究明はそのあとだ」
「はい・・・」
コアストライカーMAXの体は、電子機器整備室へと移動され、予備の制御装置を移植する作業に入った
「コアストライカー・・・」

 

一方レスキューフェニックスの隣にあるファイアーフェニックスでは、元レスキューファイアーの隊員が集まっていた
「タツヤ、ユウマ、リツカ、ツバサ、ジュン、全員居るな」
「隊長!今回集められたのは?
もしかしてまたジャカエンが!?」
オレンジ色の服を着た青年、ファイアー1こと炎タツヤが聞く
「いや、今回現れたのはジャカエンではなくシャドーXだ」
「何スか?シャドーXって?」
[タツヤ知らないのかい?
かつてヒカリアン達と戦ったシャドーXのことを]
「しらないけど・・・」
そのときタツヤの腰につけてたメガホン・・・
レスキューメガホンが勝手に外れ、変形した
レスキューメガホン型新人育成ロボTFーQ、通称「Qスケ」だ
(もっとも、新人育成の役目は終わってる上に本人すらその役目を忘れてるようだが・・・)
[はぁ、ジャカエンどころかネオテーラもまだいなかったとき、ヒカリアンっていう宇宙人が地球を守ってくれてたんだ
それくらいは知ってるよね?]
「え?あ、まぁ一応・・・」
[そのときに居た最強のヒカリアンヒカリアンXなんだけど、彼は敵であるブラッチャーのボス、シルバーエクスプレスに作られた人造ヒカリアンで、シルバーが操るもう1つの人格が植え付けられてたんだ、
それがシャドーXなんだ
でも隊長、Xは自分の意思で封印されたんじゃ・・・?]
「その筈だが、何故か最近復活して暴れまわってるらしい
そこでJHRからの要請でレスキューファイアーを再結成することになった
今後はシャドーXが現れたさい被害を受けると思われる住民の避難誘導や救出に当たってくれ」
「「「了解!」」」

 

その後、炎タツヤとQスケはレスキューフェニックスに行っていた
「石黒隊長、お久しぶりです!」
「おう、レスキューファイアー再結成したんだってな」
「はい
ところで轟先輩は?」
「ああ、輝は今整備室にいる
コアストライカーMAXが壊れてしまってな」
「コアストライカーMAX?」
[R1専用の人工知能を載せた小型ビークルだよ]
人工知能って・・・
まさかまたQスケの弟!?」
「ハハハ
コアストライカーの方が先に作られたから、どっちかというとQスケの兄貴だな
佐伯さんに任しておけば大丈夫だと思うが、コアストライカーと輝は入隊してからずっと一緒にレスキューしてきた相棒だから、心配なんだろう」
「そうか、俺とQスケみたいなもんなんだな
石黒隊長、俺、様子見てきてもいいっスか?」
「ああ、修理の邪魔をしないようにな」
「モチロンっス!
いくぞQスケ」
そう言うとタツヤはQスケの頭をつかみ整備室・・・
とは真逆の方向に走って行った
[ちょっとタツヤ!
逆だよ逆!!
ここはファイアーフェニックスじゃないんだから!]
「あ、そうだった!」
「大丈夫かな・・・」

 

[機械整備室はそこを右に曲がって左側だよ]
「いた!」
[え?そっちは電子機器整備室だよ
あ、そうかAIが調子悪いのかな?]
「先輩!お久しぶりッス」
タツヤは電子機器整備室の前に立っていた人物、轟輝に声をかける
「タツヤか、久しぶり」
輝は元気がなさそうに答える
「大丈夫ッスよ先輩!
先輩の相棒、佐伯さん達がちゃんと治してくれるッス」
「それなんだが、どうしても治らないらしいんだ・・・」
「[え!?な、な、]」
「何でッスか!?」[何でなのさ!?]
2人が異口同音に驚く
「理由は分からないけど、AIユニットがまるごと消えてるんだ
これじゃどうもならないらしい
今はとりあえず、次出動できるように別の操縦システムを乗せているところなんだ」
[え、AIユニットそのものが消えた!?
いつ盗まれたんだ!?
盗ったヤツ見つけてとっちめてやる!!]
「お、落ち着けQスケ!」
[これが落ち着いてられるか!?]
「いや、盗まれたとかじゃなくて本当に突然消えたんだ
それも、スーパーレスキューマックスの操縦中に」
[え?
そんなのありえないよ]
「そうなんだけど、コアストライカーMAXのそばには俺か佐伯さんたちがずっと居たから、途中で取り外すなんてできなかったし、そうとしか考えられないんだ」
そのとき電子機器整備室から佐伯さんが出てきた
「おう、タツヤにQスケ、久しぶりだな。」
「佐伯さん、お久しぶりッス
ところでコアストライカーMAXは・・・?」
「ああ、操縦システムの移植は成功したんだが、何でか充電しても充電してもバッテリーに溜まらないんだ
このままじゃエンジンもかかんねぇ
どこを見てもおかしいところは無いはずなんだが・・・」
[なんか今日はおかしなことばかり起こるなぁ]
「確かにな」
Qスケの呟きに佐伯さんが苦笑いしながら答える
「とりあえず今から、スターターに直接電気流してエンジンチェックするんだが、横で見てるか?」
「はい、お願いします」
輝が答えると、
「あ、なら俺も!」
タツヤも答えた
「おう、じゃあちょっと来い」
4人は電子機器整備室へ入り、機械整備室へとコアストライカーMAXを運んでいった

 

「よし、設定完了
輝、カギを回してくれ」
「はい」
輝がコアストライカーMAXの運転席につき、カギを回して直接エンジンをかける
ブルルルル
エンジンがかかったそのとき、異変が起きた
空だったキャパシターが一気にたまりはじめ、ボディにも電気が流れ輝き出した
エンジンも限界を超えた回転数で回っている
「え!?
どうなってるんだ!!?」
「輝!今すぐエンジンをとめるんだ!!」
「や、やってます
けど反応しません!!」
そしてキャパシターが満タンになったとき、光はおさまった
「R1、大丈夫か!?
あれ?ここは・・・?」
いきなりコアストライカーMAXが喋り始めた
「わわ!」
[お、オバケ!!]
タツヤとQスケが怖がる
人工知能を搭載しているから話せるんだ
怖がらなくていい、
君はレスキューファイアーの炎タツヤだな、私はコアストライカーMAX
R1専用の小型ビークル
ところで輝、何故私は整備室にいるのだ?
スーパーレスキューマックスでデビルXを取り押さえていたはずでは・・・?」
「ほ、本当にコアストライカーなのか・・・?」
「?
一体何があったんだ?」
「全くわかんねぇ、お前今AIユニットが無いんだぞ」
佐伯さんが言う
「エ、AIユニットが無い!?
それでは私は一体何故存在しているのだ!?」
コアストライカーMAXが驚いた
「とにかく無事で良かったよMAX!
お前が治らないって聞いてものすごく悲しかったんだぞ!
どこもなんとも無いのか?」
「いや、何やら今までより関節が多い感覚がある」
「よしコアストライカーMAX、お前その関節を動かしてみろ、なんか壊しても俺が絶対直す!」
「了解、では念のためどこか広い場所に移動した方がいいと思うのですが」
佐伯さんの言葉にコアストライカーMAXが提案する
「確かにそうだな
よし、レスキューフェニックスの外に出よう」
5人(?)は外に移動した

 

「よーし!ここなら大丈夫だろう」
[一体どうなるの・・・!?]
佐伯さんとQスケが言ったとき、レスキューフェニックスから石黒隊長が出てきた
「輝!コアストライカーMAXなおったのか?」
「それが、分かんないんです」
「分かんない?」
「ああ、AIユニットが完全に消えてるんだが・・・」
「私はこの通り意思を保っているのです」
石黒隊長の言葉に輝、佐伯さん、コアストライカーMAXが答える
「AIが無いのに意思がある・・・!?」
「これから新たに感知した謎の関節部を動かしてみるのです」
「そ、そうか」

 

佐伯さんがコアストライカーMAXを少し調整してから離れる
「よし、やってみろ!」
「了解、
はあっ!」
コアストライカーが叫ぶと、右側のドアが本来と逆の方向に開き上に移動、そこから巨大な手が出てきた
それと同時に運転席窓もせりあがり、中から大きな目が出てくる
「こ、これって・・・」
「まるでヒカリアンではないか!」
「と、とりあえず誰かヒカリアンを呼ぼう!」
「しかし石黒隊長、ここら辺にヒカリアンは・・・」
コアストライカーMAXがそう言ったとき、
「一人いる!」
と、佐伯さんが言った
[え!?
居たっけ?]
「この間トランスフォーマー好きの山口くんの車にヒカリアンが合体したんだよ
今日も来ているハズだ」
そう言って佐伯さんは携帯で連絡を取る

 

数分後、コアストライカー達の前に黄色いボディに黒いラインが入った無人のプジョー206がやって来た
「『ヒカリアンチェンジ』!
はじめまして、おいらの名前はバンブル、いきなり呼ばれたんだけどどうしたの?」
「あれ?
山口は?」
「山口さんはトイザらスに買い物行ったよ
トランスフォーマー商品を買えばキャンペーン品がもらえるからね~」
「ア、アイツ・・・」
佐伯さんが震える
[佐伯さん、怒ってる・・・?]
「まだ買いに行ってなかったのか」
全員がずっこける
「そっちスか!」
「まあ、今日はバンブルに頼みたいことがあってな
コレなんだが・・・」
「はじめましてバンブル
私はレスキューフォースの小型ビークル
コアストライカーMAXだ
私は人工知能を搭載しているため、このように話したり、自分で動くことができるのだが、現在AIユニットがなくなっている状態なんだ
それだけじゃない」
ガコッ
コアストライカーMAXが運転席バイザーを上げる
「このように、ヒカリアンのようになっているのだ
この事について何か分からないだろうか?」
「そんなこと言われても・・・
でも、確かに強い光エネルギーは感じる
本当にキミはヒカリアンじゃないの?」
「ああ、私は純粋に機械として製造されたはずだ」
「うーん・・・
そうだ!あの二人なら分かるかも!」
そう言うとバンブルは誰かに連絡をした
「・・・うん、
あ、すぐ来れる!?
じゃあ色々持って来てくれる?
ありがと!」
「どうしたんすか?」
「この間トランスフォーマーのイベントで知り合った研究者のヒカリアンを呼んだんだ
あの2人なら何か分かるかも」


数分後、2台のマツダMPVがやって来た
V6エイトとMPVの兄弟だ
「「ヒカリアンチェンジ!」」
「お待たせ~
で、例の車は?」
「はじめまして
私がそうだ」
「・・・
ええっ!?
コアストライカーMAXさんじゃないですか!
こちらこそはじめまして!
ボク大ファンなんです!」
MPVが目を輝かせて言う
「そうなのか、それは嬉しいな」
「準備完了、
はじめまして世界消防庁の皆さん
僕はコンピュータープログラマーのV6エイトです
今日はよろしくお願いします。
MPV、コアストライカーさんにこれつけて」
「はーい
ちょっとすみません」
MPVとV6エイトはコアストライカーにコードを繋げていく、
繋げ終わったら、V6エイトが機械を操作し始める
「うーむ・・・
こうなったきっかけに何か心当たりは?」
ヒカリアンたちと共同作戦で、デビルXを押さえ込んだとき、一緒にマシンの光を浴びました
『光エネルギー増幅装置』だっけ?
それからだよなMAX?」
輝が答える
「あれは電気を光エネルギーと親和性の高いエネルギーに変換し、体の中にある光エネルギーと反応させて増幅する装置だよね?
なんで完全な機械のコアストライカーさんが反応するの?」
「ちょっと待って・・・
AIプログラムの名残らしきものがある
・・・
何だこれ!
すごいプログラムだ!
複雑な思考回路をシンプルかつ確実に組み立てている
その上学習したことを反映してより効率的に計算や判断ができるよう修正するプログラムが組まれてるなんて!
・・・ん?
何だこのデータ?」
「どうしたの?」
バンブルが聞く
「いや、どう考えても効率的とは思えないデータが混じっているんだ
でもこの配列どこかで・・・
あ!もしかして!」
V6エイトは腕の通信機を開けて誰かに連絡する
『あ、V6エイトさん
お久しぶりです
どうされたんですか?』
「ウインダッシュ
実はヒカリアンの波動をデータ化したものを送ってほしいんだ
光エネルギー増幅装置製造の時に参考にしたって分
ちょっと気になることがあって」
『はい、少々お待ちください
・・・
これですね
今から共有フォルダにアップしますから、そちらで開いてください』
「ありがとう
助かるよ!
また何かあったらよろしく」
そう言うと通信を切り、パソコンを出してデータを開きコアストライカーのデータと比べる
「やっぱり
このデータは光エネルギーとそっくりだ
指令的には『自分の命も含め、どのような命もすべて確実に救いだす』とでもいったらいいのかな・・・?
とても具現化しにくいものを強制的にデータにしているみたいだ
どこかでこれを学習、上書きしたんだろう
これが疑似光エネルギーの役割を担い、増幅装置の光と反応してヒカリアンとなったのか」
「え?
つまりどういうこと?」
輝が頭に?を浮かべる
「えーと、つまり『レスキュー魂』が奇跡を起こしてヒカリアンになった
ってこと?兄ちゃん」
「まぁ、そんなところかな
完全に変形できないのは、まだチェンジしたことがなく馴れてないからだと思う
なんとなくでいいから、バンブルくん指導してくれる?」
「御安いご用さ!」
「つまり、それは私が完全なヒカリアンになることが出来るということか!?」
コアストライカーが聞く
「車両から分離はできないし、厳密には生き物でもないから完全なヒカリアンとは言えないけど、
チェンジをしたら小さくもなれるし、装置を組み込んでパワーモードにもなれる
その気になれるかは分からないけど、一応食べ物も食べることが出来るよ」
「それって、これからはもっとコアストライカーMAXと一緒にレスキューが出来るってこと!?」
V6エイトの答えに輝が言う
「そうか、それは嬉しいな
私はずっとヒカリアントランスフォーマーに憧れていたんだ
移動や大型ビークルの操縦はできても、自動車では救助の幅は限られる
だから、変形して活動できるあなた達が羨ましかった
これからは、より一層みんなの力になれるだろう
今後もよろしくな、輝」
コアストライカーMAXは、右手を差し出す
「ああ、よろしくな!」
輝も手をだし、2人は固く握手をした

敵が敵の敵で味方?

暗く、ただっ広い場所
ここには何に使用されたのか分からないような大量の機械の残骸が放置されている
その中心に、うずうずしいオーラをまとった人影があった
シャドーXだ
彼はスフィンクスとナスカから強制的にエネルギーを奪っている
2体はどんどん小さくなり、最終的に子猫と雀ほどにまで小さくなってしまった
「貴様らに、もう用はない」
シャドーXがそう言うと、周囲にある機械の残骸が集まり、
スフィンクスとナスカに形はそっくりながら、おどろおどろしい色の巨神獣になり、シャドーXと共に消えていった

 

~~~~~

 

ブラッチャーの基地にある整備室
この間ブラッチャール帝国から届いたスモークジョーを、ドジウカとスターで整備している
「どうだウッカリー、スモークジョーはあとどのくらいでできるのだ?」
「それが、部品が足りなくて・・・」
ウッカリーが手を止め答える
「なんなら俺様が取ってきてやろうか?」
ヒカリアンステーションからならやめてくださいよ
おいらたちまで迷惑するんですから」
「いや、この間沢山の機械が捨てられてるところを見つけたのだ!
あそこなら誰にもばれないし、何だってあるだろう」
それを聞いてウッカリーは足りない部品の型式や絵などを書き渡すと、ブラックは上機嫌で出掛けていった
「かなり新しいタイプの部品だけど、本当にあるのかなぁ・・・?」

 

~~~~~

 

暗く、ただっ広い場所
ここには何に使用されたのか分からないような大量の機械の残骸が放置されている
その中心に、かなり明るい雰囲気をまとった人影があった
ブラックエクスプレスだ
彼は回りの機械から、楽しげに部品を奪っている
機械はどんどん移動していき、最終的に小さな山のように盛り上がった場所ができてしまった
「うーん、なかなか見つからないものだなぁ、
オレ様たちが昔使ったのと同じ部品ならたくさんあるんだが・・・」
ブラックがそう言うと、周囲にある機械の残骸が動き、
スフィンクスとナスカに形はそっくりながら、ものすごく小さい機械生命体(?)が現れ、ブラックエクスプレスへ共にすりよってきた
そう、ここは冒頭でシャドーXが居た場所なのだ
「お、オレ様のワンちゃんにとりさん!
どうしたのだそんなに小さくなって!?」
スフィンクスとナスカは、とても弱々しく鳴いた
「おなかでも空いてるのか?
とりあえず基地に連れて帰ろう」
ブラックは2匹を抱えて帰り始めた

 

~~~~~

 

「おやぶーん、部品見つかった?」
ウッカリーが基地に帰ってきたブラックに聞いたが、答えがない
「親分ウッカリーが聞いてるけど
って親分何連れてきてるの!?」
やって来たドジラスがスフィンクスとナスカを見て驚く
「どうしたんですか先輩?
ぶ、ブラック先生!
それはヒカリアンXの巨神獣じゃないですか!?」
「おやぶん、そんなの拾ってきたって家じゃ飼いませんよ」
「ちゃんとオレ様が面倒見るから、
おねがーい」
「そう言って、絶対おいらたちが面倒見ることになるんでしょ?」
「そんなことないのだ!
ってそういうこどじゃない!!
なんだか二人ともすごく元気がないのだ、
オレ様はワンちゃんととりさんが心配で心配で・・・」
ブラックはドジラスと捨て猫を拾ってきた子供とお母さんのような会話を一通りし終え、本題に入る
「これはすごい弱っていますね・・・
ぼくにもどうすればいいのか・・・」
スターが言ったとき、ウッカリーが出てくる
「おやぶん、もうあの部品を取り付けるだけなんだけど、まだなの~?」
「お!ちょうどいいところに!
こいつらを診てくれんか?」
「あの時のワンちゃんととりさんだ
どうしたの?」
「なんだか元気がないのだ
ウッカリー、なんとかできんか?」
「さすがに無理だよ
全く違う技術が使われてるもん」
そのとき、X―01が現れた
「コイツは、シャドーXの・・・」
「ヒ、ヒカリアン!?」
「何しに来た~!?」
ドジラスとウッカリーが驚く
「理由はわからないが、呼ばれた
・・・気がした」
「頼む!
こいつらを元気にしてやってくれ!
この通りだ!」
ブラックエクスプレスはX―01に頭を下げる
「俺に言われても・・・
だか、以前この二体に救われたから、俺も助けたい
ドクターに頼んでみよう」
ブラックはスフィンクスを、X―01はナスカを抱え、ヒカリアンステーションへと歩いていった

 

~~~~~

 

「かなりひどい状況だな・・・
だが、機械部分に損傷はあまりない、これなら光エネルギー増幅装置で変換したエネルギーを少しずつ送れば、じきに良くなるだろう」
ステーションの整備室へと運び込まれた2体は、ドクターに診断されたあと、光エネルギー増幅装置のエネルギーを流し込むチューブを取り付けられた
「でも元気になったら暴れたりしないのかな・・・?」
「とりさんもワンちゃんも根は素直でいいやつなのだ!
助けてくれた相手を攻撃するはずないだろ!」
心配するウエストにブラックが怒る
「そ、そんなこと言っても・・・」
「いや、それは大丈夫かもしれん」
「「え?」」
ドクターの発言にヒカリアンたちは驚く
「さっき聞いたんだが、デビルXに合体中、シャドーXに逆らいX―01への攻撃を止めたらしい
理由は不明だが、これが本当なら大丈夫だろう
それに損傷が少ないとはいえ、全くないわけではない
多少のリペアをしないと十分な活動はできないさ」
「それなら安心だな」
「よかった~」
ツバサとウエストが安心する
そのとき、基地内にサイレンが響く
秋葉原市街地に、デビルXが現れました!』
「え!?
でもスフィンクスもナスカもここに・・・」
モニターの映像には、あのダークな巨神獣が変形したデビルXが写っていた
「アケミさん、ガルーダを!」
『すでに発進しています
エストくんとケンタくんも早く!』
「「了解!」」
エストとケンタは、外に向かって走り出した
ガシャーン!!
「うわっ!」
ガタッ
ブラックは画面のデビルXの攻撃に驚き、倒れてしまい、後ろにあった段ボールを倒してしまった
その中から、ウッカリーが欲しがっていた部品が出てくる
(これは!
これがあればスモークジョーは完成する・・・
しかしワンちゃんととりさんを助けてくれたのに盗むなんて・・・
でもアイツは許せない!!)
ブラックは部品をつかむと、外へ飛び出した
「あ!アイツ!」
「すまん!お前ら!!
今回はツケにしといて」
ブラックはツバサを引き離し、基地へたどり着く
「ウッカリー!これをスモークジョーに取り付けるんだ!」
「結局ヒカリアンたちから盗むんじゃん」
ウッカリーは投げられた部品を受け取り、スモークジョーに取り付ける
その頃、ライトニングガルーダMK.Ⅱは苦戦を強いられていた
「くそっ!何でブラッチャーとX両方の相手をしなきゃなんねぇんだよ!
ライトニングウイング!!」
ツバサはデビルXに必殺技を放つが、かすり傷ひとつ受けない
「くっ!」
「親分!スモークジョー完成しました!」
「よし!行くぞ二人とも!!」
「「ブラッチャー!!」」
3人はスモークジョーに合体(格納?)し、走り始める
「「「スモークジョーチェンジ!!」」」
掛け声に合わせ、スモークジョーは炭水車を切り離した後完全変形しガルーダサイズの戦略型格闘兵器になった!
「おおおお!
スモークジョーがロボットに!!
カッコいい・・・」
「け、軽大いつの間に!?」
ツバサの後ろには、いつの間にか工藤軽大がいた
「いやぁ、この間のフッ素コート剤を蒸気機関車用に調整したものを作ったんですが、やっぱライブスチームじゃあ負荷が全然違いますからね
実車でテストさせて貰おうとブラッチャーに頼みに来たんですが・・・
なんか大変なことになってますね・・・」
スモークジョーはデビルXに体当たりをする
するとデビルXは大きく吹っ飛ばされた
「な、なんだよあのパワー!?
ガルーダも苦戦してたのに・・・」
「当たり前ですよ!
ガルーダはいくら500系が刺さっているとはいえしょせん飛行機、全体が蒸気機関車のスモークジョーに勝てるわけがないですよ!」
「そういうもんなのか・・・?」
そういうものなのですツバサくん
この世界では作者の趣味により、鉄道は絶対なんです!
「どうだ思い知ったか!パワー重視のスモークジョーの力を!!」
「ブラッチャールロボがスピード重視だったから、力を強化してみましたー!」
あ、そう・・・
「貴様にひとつ聞きたいことがある!!
何故ワンちゃんたちが苦しんでるときに一緒に居てあげない!?
看病してあげないのだ!?
昔からのお友だちなんだろ!?
オレ様よりも仲良しだったのだろぉ!?」
スモークジョーでデビルXに連続パンチをくらわしながら、ブラックは問いかける
しかし、デビルXはおされながらも何も答えない
「何か言え!
お友だちが元気がないのに、お前は別のワンコと仲良くしてるのか!?」
その時、警告音が鳴り響き、スモークジョーは停止する
「ど、どうしたのだ!?」
「戦う前に動作確認すると思って、潤滑油を満タンにしてなかったから、もうなくなっちゃった!!」
「な、何ぃ!?」
その隙をついて、デビルXは反撃する
「「「ぐわあぁぁぁ!!!」」」
『アイツらは、ヤツを倒すのを邪魔した
だから力を奪った』
シャドーXはナスカソードでX―01を指し言った
「俺が・・・?」
ぐぬぬ・・・
貴様は一度言うことを聞かなかったぐらいでお友だちを傷つけ、捨てたと言うのか!?
オレ様たちの上司のシルバー様はなあ、ただの部下であるオレ様たちが二回も裏切っても、二回とも許してくれたのだぞ!
あのように冷酷なシルバー様だって、それぐらいの心の広さはあったのだぞ!!!
それなのに、それなのに・・・」
涙を流しながら訴えるブラックエクスプレスに対し、デビルXは「黙れ」とでもいうようにナスカソードで斬りかかろうとする
その時
ガンッ!
ガルーダがライトニングセイバーでそれを受け止めた
「お、お前たち!」
『ブラッチャーたちばっかりに、いいカッコさせられないからね~!』
「今はぼくたちに任せて!」
『「リミッター解除!」』
ケンタがウエストの液晶画面を操作し、モーターのリミッターをはずす
すると、ガルーダの動きが一瞬止まり、各部にある溝から光がもれた
その光が中心から広がって体全体に届くと、ガルーダはものすごい速度で動き出した
同時に・・・
「ブラッチャー!新しい油だよ~!!」
軽大が某パン職人のおじさんの真似をしながら、スモークジョーのコクピットに向かい、手にした瓶を投げる
だが全く検討違いのところにとんだ上、全然届いてない
そこへブラッチャールスターが現れ、拾いあげてスモークジョーの油壺に装着する
「こ、これでいいんでしょうか!?」
「おお!よくやったのだスター!」
「ブラックさん!オイルを馴染ませるため1分くらいブレークインしてください!」
「え?じゃがいも?」
「おやぶん、メイクイーンじゃなくてブレークイン
慣らし運転のことだよ」
「あ、そうなの
ラジオ体操でもしとくか」
スモークジョーはあの軽やかなリズムと共に踊り始める
『何やってんの・・・』
「待たせたなガルーダ!
テンダー変形!!」
体操を終えると、変形の時に切り離した炭水車が現れ、3つにわかれる
そして台車と屋根が合体、残りは変形して銃となる
「テンダーシールド&炭水銃!
行くぞヒカリモノ!!」
『う、うん』
『「ライトニングバスター!!」』
「「「炭水銃コークスシュート!!」」」
ガルーダは両肩の翼を広げ、それに装備されたブースターから光エネルギーを発射する
スモークジョーは、手にした銃にエネルギーをため、赤く燃える石炭のような火球を放つ
ものすごい爆発が起こり、煙が晴れたとき
デビルXは居なくなっといた
「逃げたのかな・・・」
「アイツ、自分のおねがいをちょっと聞かなかっただけでお友だちにあんなことしたなんて・・・
絶対許さん!!!
おぼえてろよ~~~!!!!」
ブラックエクスプレスは、空を見上げ叫んだ

暴走・疾走・爆走

「ふー
いい天気だね~」
「ホント、気持ちいいね~」
本日休みが重なったウエスト、ケンタ、はやぶさ、ネクスト、サウス、ソニックは、建設中の中央リニア新幹線のレール近くにある公園で、ピクニックをしていた
「たまには、こうやってのんびりするのもいいもんだな」
そのとき、カメラや大きなマイクを抱えた4人組がやって来た
「フッフッフ!
今こそドクターが開発したスーパースローカメラと高音質マイクの性能を試すとき!」
「だ、誰!?」
ウエストが振り向く
撮り鉄の工藤!」
「録り鉄のMPV!」
「「二人合わせて、JHRとり鉄コンビ!」」
そこには、なんかカッコつけた工藤軽大とMPV、
そしてそれを見てるV6エイト、デュアルが居た
「君たち、今日はどうしたの?」
ケンタが聞く
「この間完成したカメラとマイクの性能を、今日テスト走行する新型リニアで試し録りしてくれって頼まれたんだ
鉄もMPVも張り切るのはいいけどよ、今回は先生に頼まれた仕事で、いつもの撮影とは違うんだぞ」
「何が違うって言うんだい!
ぼくらは鉄活動もレーサー活動も常時フルノッチ力走だよ!」
「どういう意味だよ・・・」
「まあまあ、2人とも列車の撮影にはなれてるんだから、ここは任せようよ」
「ま、それもそうだししゃーないか
そういえばそっちは何でこんなところに?
所属もバラバラだし」
「このメンバーでたまたま休みが重なってね
暇だしピクニックでも行くかってことになって集まったんだ、
君たちもきりたんぽいる?
これ妹の手作りなんだ」
デュアルの質問にはやぶさが答える
そのとき、レールの上をリニアが走って行った
「おい鉄!お前時間間違えてんじゃねぇか!」
「そ、そんなはずは!」
[[[ピー、ピー、ピー・・・]]]
[タッタラッタラララッ!タッタラッタラララ!]
同時に全員に通信が入る
『皆聞いてくれ!
リニアの制御システムがブラッチャーに乗っ取られた!
現在、試験車両L0系900番台が暴走中!
まだ出発準備の途中で、発電用ガスタービンエンジンの燃料タンクの蓋がしっかり閉まってない可能性があるとのこと!
強制的に停車させると燃料が漏れだし、大惨事になる可能性がある!
だれか安全に停車させてくれ!』
「何だって!?」
「それってかなりヤバイじゃんか!」
「ノゾミさん!MLX01シリーズは誰か出れますか!?」
『だめだ、制御が完全にブラッチャーに握られてるから、出場しても暴走車が増えるだけだ
X-01も今は宮崎に居る、
一応応援信号を送ったが、
今からではとても間に合わない・・・』
軽大の質問にノゾミが通信で答えた
「くっ・・・」
そのとき、MPVがあることに気づく
「ねぇ、リニアのレールにスラブ軌道がない?」
「え!?」
「そうだ思い出した!
この線路は元々JHR中央新幹線として造られてたんだ
だけど俺たちが宇宙に帰ったから、地球の民間会社に渡され、一部がリニア中央新幹線九州新幹線になったんだ
だからその名残でビッグワンダー特殊レールが残ってるんだ」
ソニックが言う
「つまり、ボクたちが走れるってこと!?」
「けど、ウエスト追い付けるの?」
「うっ・・・」
ウエストは言葉につまる
しかし
「こないだのVs計画!」
「4両編成でさ!」
「後ろにはサウくんで!」
「モーターも変えるか!」
MPVと軽大はなにか勢いよく会話し始めた
「お、おいお前ら・・・」
「「ウエスト1.10.ボディと台車、パンタ13で中身11サウス8台車はウエスト16号車はやぶさからすり板とIGBTネクストからはモーターと全周幌に中央締め付けブレーキを移植して!」」
「な、何だよ2人とも・・・」
「「早く!!」」
「お、おお・・・」
皆は慌てて動き出す
ウエストとサウスはリターンして連結し直し、
他のメンバーはやぶさの中間車からすり板一枚とIGBT型VVVFインバーター
ネクストの中間車からモーター32個と全周幌3本、ブレーキ32枚を外しにかかった
~~~~~~
 数十分後
~~~~~~
気合いとヒカリアンの力により、500系の改造は驚異的な早さで完了した
「よし!これでいける!」
「ちょっと、これどういうこと!?」
「ゴメンゴメン、
最も軽くて空気抵抗も低く、全車電動車の500系に最新の高性能部品を移植したんだ
これならリニアに追い付けるかもしれない
だよね軽大くん!
・・・あれ?軽大くんは?」
MPVが回りを見るが、軽大はいない
「アイツ、人に働かせといてどこいった!?」
デュアルが怒りを込めて言ったとき、すぐ後ろでサイレンが鳴り響く

 

ウ~ウウ~ ウ~ウウ~
[危険ですので、光の線より外側でお待ちください]
ウ~ウウ~ ウ~ウウ~

 

「なんだなんだ!?」
全員が光より外に下がる
その地面が開き、黄色い塗装の巨大なトレーラーがせり上がってきた
「な、何だコイツ」
「ポリストレーラーや俺のスナイパートレーラーのベースになったヒカリアントレーラーだ!
まだあったのか!」
ソニックが言ったとき、運転席が軽大が降りてきた
「ゴメンゴメン、
実はヒカリアントレーラーがリニア輸送用に中央新幹線に残ってるっていうのを思い出してさ、山梨リニア実験センターに許可をもらいに行ってたんだ
これなら人間は留守番になるけど、一気にものすごい速度に上げられるよ!」
「なるほど、
あとはウイングセンサーのリミッターだけど・・・」
「それは僕が解除できる
ただ、サウスくんのは壊れてるからなぁ・・・」
V6エイトが言ったとき、
イオンエンジンだ!」
はやぶさが言った
「え?」
小惑星探査機はやぶさは、イオンエンジンが壊れたとき無事なパーツを組み合わせて動けるようにしたんだ
これみたいにすれば、なんとか治るかもしれない!」
「分かった、やってみるよ!」
デュアルとMPVはサウスのウイングセンサーを開ける
「故障部品発見!」
「こっちもあったぜ!
それぞれの部品で補うぞ」
2人はパーツを見せあう
しかし・・・
「「同じ部品・・・」」
経年劣化による故障だったため、ダメになったものは左右とも同じだった
「MPV!コレそのものを修理するんだ!」
「無理だよ!こんなところですぐに治るようなものじゃないよ!」
「こっちは外れたよ~
もう出れる?」
そのとき、V6エイトがリミッターを外して持ってくる
「「それだ!」」
偶然、リミッターに代用できる部品が使われていたのを見つけ
2人は急いで
しかし確実に部品を取り付ける
「コレでいいのか?」
「連続使用限界時間は2時間ぐらいだと思うけど
とりあえずなんとかなった!」
その頃軽大とケンタも、500系発車用アダプターをネジ止めし終えた
「ソニックさんとロードヒカリアンは500系に乗って!
作戦はマツダくんが説明して!
すぐ出します!
圧力確認、潤滑確認!」
ソニックたちが乗り込んだウエストとサウスが、ヒカリアントレーラーの上に乗る
「皆さん、進行方向を向いた椅子に座って下さい」
『みんな座った、いつでも発車OKだよ!』
トレーラー操縦席のモニターに、ウエストの車内が映る
「分かった
発進!」
ケンタが発車ボタンを押す

「ぐっ!」
「うわっ!」
「「うわぁぁぁ!!」」
ヒカリアン達はシートに押し付けられ、
500系は500km/h近くまで一気に加速した
その時、レールが青(というか500系の屋根色)に発光
その上に時計の針のようなものの見える光の輪が現れ、次々とくぐり抜け500km/hに到達したとき・・・
輪をくぐり消えた

 

~~~~~

 

「加速は弱くなったね
じゃあ作戦を説明するよ
まず、この500系でL0系に追い付く、
そしたらソニックさんがライフルでカバーを壊して連結機を出す
そこにこっちが連結してブレーキをかけ、安全な速度まで落とし、タイヤを出させて向こうに物理的に通電を切ってもらうんだ
こうすれば安全に停車できるはず
だよね軽大くん
あれ?軽大くん?」
MPVは通信を通して軽大に確認をするが、応答がない
「MPV、理由は分からないけど、さっきからどことも連絡がとれないんだ」
V6エイトが言ったとき
「何?コレ!?」
ウエストがさけぶ
「どうしたんだ!?」
「全部止まってる・・・」
「え!?」
車内のヒカリアンは、窓に集まり外を見る
流れていく人や車、何もかもが完全に止まっている
V6エイトがセンサーを手に取り、乗務員扉の窓から外に出す
「分子の運動が全く無い・・・!?」
「どうしたの兄ちゃん?」
「どうやら外の時間が止まっているらしい」
「「「!?」」」
一同が驚く
「ウエストくん、走っているとき何かなかった?」
「そういえば、線路が光って、光の輪が出ていたような・・・」
「うん・・・
多分ウイングセンサーの力で、一つ下の次元に落ちたんじゃないかな」
「それってつまり、ネットでよく聞く『2次元行きたい』を実現したってことか?」
デュアルが聞く
「うーん
僕たちの住む世界は、位置、距離、空間の3次元に合わせて、流れていく『時間』があるんだ
普通は関知できないし、揺れ動いても一緒に動いているから分かんないけどね」
「つまり・・・
どういうことだ?」
「えっと、
だから例えばアニメ!
あれは沢山の絵がどんどん変わっていくから動いて見えるでしょ!
絵自体は2次元だけど、時間順に重ねると立体になる
あんな感じだよ!
今はそれの一枚にボクたちが居るって感じかな」
デュアルの疑問にMPVが答える
「それってわざわざそんなややこしくしなくても、『外の時間が止まってる』でいいんじゃないか?
まあそれより、何でウエストとサウスは時間が止まってないんだ?」
「それはウイングセンサーの力だよ
本来時間の歪みを見つけたり、操作する能力があるけど、このスピードや、いつもの倍の数が動いていること、
本来とは違う部品が使われていることとかが影響しているんじゃないかな」
「よく分かんないけど、とりあえずこれで確実に追い付けるな!」
ソニックが言った
「ソニックさんはそろそろ連結機カバーの中へ
合図をしたらカバーを開けてもらうから、そのときカバーを壊して!」
「了解!」
運転席の床を外し、そこから入る
「あと、この空間からも抜け出さないと・・・」
「それなら大丈夫!
あの部品、スイッチごと取り付けたから、手動で切れるよ!」
「ナイスMPV!
じゃあ、合図をしたらウエストくんはカバーを開け、MPVがスイッチを切り、ソニックさんはライフルを構えてください」
「「「了解!」」」
「ウエストくん、サウスくん、すべての貫通扉を開けて!」
「おう」「分かった」
ウィィィ
「じゃ、行ってくる
ヒカリアンリターン』!」
貫通扉がすべて開き、MPVがヒカリアンサイズのまま車になってサウスへと向かった
V6エイトは運転席で双眼鏡を構える
「見えた・・・
5、4、3、2、1
今だ!」
「「「おう!」」」
ぐいぃー
カチャ、
バチィ!
ギュゥゥゥゥ!
線路が再び光り、輪が現れる
「あれか!」
ダダダダダダダダ!!!!
ソニックは光の輪の向こうにいる、L0系の連結機カバーフチを狙い、ライフルを連射する
弾が輪の中に消えウエストもくぐった
ドン!グヲォォ!!
「うわあ!」
「うわっ!」
「ぎゃあ!」
「ぐっ!」
「ぐえ!」
「うおっ!」
本来の世界に戻り、なかった場所にいきなり現れたため、ワープする前の場所へと空気がどっと流れ込み、それと同時に車体が揺れる

ガガガガガガガガ!
「よし、とりゃ!」
ダン!
バキィ!
ガコン

ガン!ガン!ガガガ!
ソニックが撃った弾がすべて命中、
それを確認し最後の1発を撃ち抜き、カバーとロックが外れ、カバーは隣のレールに飛んでいった
『う、ウエスト!?』
「ケンタくん!?」
『よかった、いきなり消えたと思ったら、リニアの真後ろにワープしたんだもん!』
「心配かけてゴメン、
でもこれでリニアが止められるよ!」
ウエストは減速しながら連結機が触れるか触れないかの位置まで近づく
その様子はトレーラーのモニターにも表示される
『皆さん衝撃に備え座席についてください!』
軽大の通信で、全員が椅子に座る
軽大はそれを確認し、合図をした
『サウくんとウエストさん、今です!
1ノッチ上げ一秒間加速、
それで連結したら一旦惰性走行に入ってください!』
「「了解!」」
ガチャン!キュィーー
2人は言われた通りに走行、L0系と連結した

「ふー、これで一段落
あとは減速するだけですね」
「うん、でも連結機が壊れないといいけど・・・
って、そこまで弱くはないよね」
『「あ!」』
ケンタの台詞に、MPVと軽大が、声をそろえて青ざめる
マツダくん!」
『うん!!

・・・
当たり前だけど、密着・・・』
MPVは連結部に飛び込み、トレーラーへと報告する
「のぉぉー!」
「ど、どうしたの!?」
「新幹線に使われてる連結機は、乗り心地はいいけど強度はそこまで高くない密着式連結機なんです!
軽い電車をゆっくり牽引ならともかく、500km/hで走ろうとする車両を引っ張るなんて乱暴したら、さすがにもたないかもしれません!
マツダくん、その辺に縄無い?縄!
なんかで縛って!」

(そんな縄なんて・・・
そうだ!プログラムがまだだけど、ヒカリアンなら!)
MPVはスラッシャーウイングやハンドソードなどの中心部によく似た、丸い物体を左腕に取り付けた
すると光の針が現れ時刻を表示する
「いけ!」
MPVは左手を前につきだし、右手で物体・・・
時計の側面にあるボタンを押す
すると、カーボンファイバーの強靭な糸が出てきた、
それが連結機にまとわりつき、ガッチリと補強する
「よし、できた!
いいよ!」
『そんな都合よく縄とかがあるんだ・・・』
ケンタが苦笑する
『よし、じゃあみんな逆に座って!』
軽大の指示でMPVは客室に戻り、座席を2つ回転させ座る
「準備OK!」
『じゃあウエストさんとサウスさんは1号車の客室扉以外のすべてのドアを開けてください!
空気抵抗が一気に上がり、速度が下がるハズです!』
「「了解!」」
プシュー!
グヲォォ!!
一気に速度が下がる、
しかしそれでも450km/hほどにしかならない
「だ、だめだよ」
「諦めるなウエスト!ブレーキかけるぞ!」
『いや、待ってください
まず貫通扉を全部開けてサウスさんがチェンジしてください』
「お、おう・・・
ヒカリアンチェンジ!
ぐわっ!」
サウスは変身したとたん、車内に引きずり込まれた
「『ノーマルコイル』!」

V6エイトが腕にコイルを装着し、磁力でサウスを受け止め、隣に座らせる
「ありがとうエイト
しかし、なんだあの風は・・・」
「カルマン渦だよ、
切妻のまま高速で走ると、スリップストリームで空気が薄くなった場所に一気に集まるんだ
それで空気抵抗も上がる、
ほら、実際どんどん下がってきたよ」
MPVが電光掲示板を指すと、330km/hまで数字が落ちていた
「あとは普通にブレーキをかければ止まるはず」
『うん、でも160km/hになったらL0系のタイヤを出すのを忘れないでね』
「分かった!」
ウエストはブレーキをかける

その時発車位置に残った新幹線組は、全車がリターンし、残った500系を含め連結していた
「これで、どうするんだ?」
「軽大くん、何でこんなことさせたの?」
「ウエストさん達を停めるためです。
ではこれで可能な限り急加速してください」
「どうして?」
「新幹線は加速するときに最も多くの電気エネルギーを消費します、
だから同じ架線で負荷が大きい状態で加速すれば、相手の電力回生ブレーキは真の力を発揮できるはずです!」
「そうかなるほど!
行くぞハヤブサ!」
「うん!」
2人は20両の500系をはさみ、ケンタたちを乗せてウエストのあとを追い始めた

同じ頃、リニア制御コンピューター前
「親分、やっぱり今回の作戦も失敗ですよ
どんなにパワーを出しても減速してるもん」
「だなあ、リニアを暴走させ、危険な乗り物という印象がついたら、開発中止になって技術者や期待してた人間がいやーな気持ちになると思ったんだけどなあ、
まあ、ヒカリアンたちが来て吹っ飛ばされる前にリニアを停めて、さっさとずらかるか」
ブラックがパソコンを操作する
「何!?どうしたんだ!?」
「何々?何があったの親分?」
「タイヤが出てこないのだ!
このままでは停車させることはできない!」
「そ、それって大変じゃないですか!」
「どーすんのどーするのそれー!」
そのとき入り口の扉が空いた
「見つけたぞブラッチャー!」
ノゾミとツバサだ
「オイテメェら!
リニアを元に戻しやがれ!」
「今やっているところだ!
だけどいうことを聞かないのだ!」
「どういうことだそれは」
「ボクたちにも分かんないよぉ~」
「とにかく、コントロールだけでも返してもらおう
ウインダッシュなら何とかしてくれるだろうからな」
「わ、分かった」

ステーションのモニターがリニアの操作画面に切り替わる
「こ、これは!」
「どうしたんだウインダッシュ!?」
「タイヤが認識されていません!」
「なんだってぇ!?」
富士見本部長が驚く
「恐らく、仮固定だったコードが、タイヤ収納の衝撃で外れたんでしょう
下から手動で開けられたらいいんですが・・・」
笛太郎が分析する
「いくらなんでも、そんなに狭い隙間には入れる人もヒカリアンもいませんよ」
「いや、2人心当たりがある
こちらJHR本部
土屋研究所へ緊急要請!」

 

~~~~~

 

「よし、そろそろ高度が下がってくるから、タイヤを出した方がいいね
ウエストくん、頼んだ!」
「それが、何度やっても反応しないんだ!」
ウエストが答えたとき、300X博士から連絡が入った
『ああ、どうやら接続が切れているらしい
どんな信号を送っても無駄だろう』
「な!
だったら俺が中に入って無理矢理出してやる!」
『待てサウス!
もう手はうってある』
そのとき、近くの高速道路に、二本の銃口のようなものが見えた
「お、おい何だよありゃあ!
何かヤバくねぇか!?」
サウスが言ったとき、壁がなくなり、車の全貌が見える
その車は先頭部が青いトランスポーターだった
「あれってもしかして・・・」
「ああ、あれはTRFビクトリーズ、
ミニ四駆世界グランプリ日本代表のトランスポーターだ!」
トランスポーターの銃口が伸び、ねじれてひとつになる
「じゃああの銃口は!?」
「あのサイズは間違いない」
「うん、ミニ四駆の発車口だよ!」
デュアルとMPVのいう通り、銃口からは2台のミニ四駆がシャーシ側をあわせ一体となり回転しながら飛んできた
「きっとグランプリマシンでカバーに体当たりし、開けてくれるんじゃないか?」
「いくらなんでもこの軽さじゃ無理だろ」
デュアルの台詞に、サウスが自分のサンダーショットを出して言う
「うっ・・・」
「ちょっと待って!
あのマシンバイソンとロデオじゃない!」
双眼鏡を除いていたV6エイトが言う
「え?だってあのカラーはマグナムとソニックじゃん」
「確かにマグナムとソニックだけど、初代セイバーだった・・・」
「え!?
だってその2台は数年前に大神のヤローに溶岩で溶かされたんだろ!?」
「レプリカ・・・
いや、でもわざわざ旧式のマシンを再現してこれ用の改造をするマシンに使う理由がわからない・・・」
そのとき300X博士から通信が入る
『驚いたかね皆
実は、あのミニ四駆ヒカリアンなんだ』
「「「「えっ!?」」」」
「「はい!?」」
『実は前にヒカリアン星の天才レーサー、マグナムとソニックが地球に来て、溶岩の中にとけていたマシンと融合したんだ
この状況をなんとかできるのは、サイズの小さな彼らしかいないと思って
今回は協力を頼んだんだ』
「そんなことできるのかよ・・・」

 

~~~~~

 

「くっ
やっぱりいくらなんでも12Vはきついぜ・・・」
「なんだ?もう音を上げたのか!?」
「へん!んなわきゃねぇだろ!
ソニックこそモーター焼き付かせたりするんじゃねぇぞ!」
マグナムとソニックは互いに言い合い、速度をあげてリニアの真下につく
「これか
マグナム、左端を持って!」
「こうか?」
2人はカウルを開き、腕と目だけを出した状態でカバーに触れる
「それでいい
よし、せーので開けるぞ!」
「「せーのッ!」」
ガガガ・・・
ガコッ!
カバーが開き、2人の間にタイヤが降りる
「よし!うまくいったぜ!!
次はここだな?
いくぞ!」
「おう!」
2人は次々とカバーを開け、タイヤを出していく

 

~~~~~

 

「デュアル、それこっちに」
「ああ、」
デュアルとMPVは自分たちの車内にあったコースを、連結機カバーからだし、マグナムとソニックを車内に誘導する
「「ヒカリアンチェンジ!」」
「ふー、カバーは結構重いし、電圧もアンペア数も大きくて苦しかったぜ」
「お疲れ、
俺の名前は特車隊スナイパーソニック
君は、俺と同じ名前を持っているんだってね」
スナイパーソニックがソニックセイバーに言う
「はい、ぼくはソニックといいます
この体はソニックセイバーというので、そのように呼んでください」
ソニック同士は握手をする
「き、君があの星馬豪のマシン、マグナムセイバー!?
すごい!本物に会えるなんて!!」
「おう!このおれ様こそがあの有名な直線番長ヒカリアンマグナム様だ!!」
「いや、オレがよく知ってるのは体にしてるマシンの方だがな」
「あらら」
「地球じゃネットですら情報がないから仕方ないですよ
でもボクは最近まで星にいたから、マグナムさんの活躍、よく知ってますよ!
連続S字をジャンプでショートカットするなんて無茶苦茶な走り方とてもできませんよ!」
「いや~、あははそんなに言われると照れるぜ~!」
「いや、褒められてないだろ」
「い、いや決してそんなことは・・・!」
ソニックセイバーのツッコミをMPVが否定する
「みんな、確認が終わったからブレーキをかけるよ!」
「お、おう」
車内のヒカリアンは椅子に座り直し、ウエストはブレーキをかける
同時に基地からもリニアに停車指示を送った
ギュゥゥゥ・・・
編成は少しずつ速度を落としていく

~~~~~

「ふー、これでひと安心なのだ」
「大変なことにならなくてよかったですね親分」
「ホントホント」
「じゃ、オレ様たちは基地に帰って一休みするのだ
さらばヒカリアン!」
ブラッチャーは、その場からそそくさと逃げようとする
「『さらば』じゃねぇよ!
誰のせいでこうなったと思ってるんだ!!
いくぞのぞみ!」
「ああ、
ライオソード!
ライトニングライキング!!」
「ウイングシールド!
ライトニングウイング!!」
2つの必殺技は融合し、かつて2人がスカイサンデーとスラッシャーウイングで行った火の鳥のような形をした合体技になる
「「リニアのレールは鉄じゃないから~」」
「『鉄』『道』じゃぁねぇだろ!」
ブラッチャーはいつも通り、空の彼方へ飛ばされていった
「・・・
確かに『鉄』の『道』ではないな・・・」
「ははは
しかし、X-01から反応が全く無いが、どうしたんだろう?」

 

~1時間ほど前、宮崎~

 

「単調とはいえ、いつもと違う道を走るのもいいものだな」
ピー、ピー、ピー・・・
「応援信号?
何があったんだ?
とりあえず基地に連絡を・・・」
ザシュッ!
「!?
イエローソード!」
ガン!
行きなり現れた影に、X-01は剣を取り出し攻撃を受け止める
X-01がはじめに持っていた剣はあまりに損傷がすさまじく、使われている技術も分からなかったため修復が不可能
ある程度解析した結果コアとなる部品は、のぞみの兄が開発した人工のものでなく天然の鉱石を加工したことが分かり、
性能は高かったものの機械ではないためそれ以上のことは分からなかった
そのことから、誰も使用していなかった剣「イエローソード」と「警察剣」にそのコアと、複製品を装着して渡されたのだ。
「シャドーX!?
何故こんなところに!?
まさか、基地も・・・?」
ガン!ガン!
シャドーXとX-01は激しくぶつかり合う
「こ、こちらX-01!
JHR基地応答を願う!」
しかし、通信は繋がらない
「ノゾミアン隊長!ウエスト!ケンタ!ウインダッシュ!ドクターイエロー
くそぉ!誰とも通じない・・・!」
「ヒール・・・
ユニコーン!!」
シャドーXが必殺技を放つ
「警察剣!
ライトニングユニコーン!」
X-01も、普段はポリストレーラーに配備されている剣を取り出し、相手の技を模倣してかつてヒカリアンXが使っていた必殺技を繰り出す
「グワァ・・・!」
飛ばされたのはシャドーXの方だった
「クッ・・・
スフィンクス、ナスカ!」
地神獣スフィンクスと、風神獣ナスカが現れる
「ブラッチャールリターン
デビルイン
巨神デビルX」
2体の巨神獣はそれぞれ変形し、中心部にシャドーXが合体してデビルXとなった
そして手にしたナスカソードをX-01に向かって降り下ろす
・・・が、
寸前で止まる
「え・・・?」
『何!?
・・・
貴様ら!!』
シャドーXは力をこめてるようだが、スフィンクスフレームもナスカソードも微動だにしない
「一体どうなってるんだ・・・?」
X-01が呆然としている間に、デビルXはどこかへ消えてしまった
「今のは何だったんだ・・・?
と、とにかく基地に行かないと!」
X-01は北に向かって全速力で飛んでいった

 

~~~~~

 

「ふー、なんとか停まってよかった~」
停車したウエストたちに、ネクストたちが追い付く
「やりましたね!みなさん!」
「あのリニアモーターカーに追い付くなんてすごいよウエスト!」
「えへへ、まあね~」
「しかし、ワープしたのには驚きました
あんなことができるなんて・・・」
「それ、ワープじゃなくて周りの時間が止まってたんだよ
外から見るとワープしたみたいに見えるんだね」
ウエストが言う
「じゃあ、ウイングセンサーの力なんかな?
しかし、停車させられてよかったですよ~」
軽大が言ったとき、X-01が走ってきた
「よかった、君たちが無事で」
「はい、ちゃんと停車できましたよ!
ていうかX-01さん傷だらけじゃないですか!?」
「停車・・・?
シャドーXに襲われたんじゃ・・・?」
「え?リニアが暴走したから、停車させてたんですが・・・」
「もしかしてその怪我・・・」
「ああ、シャドーXだ
まさか、目的は俺だけなのか・・・?」
X-01は、何故シャドーXが自分だけを狙っていたのか、
もしそうだとしたら、Xは自分のことを何か知っているのか、考えていた

帰って北仲間

JHR本部の指令室、
特にトラブルもなく、運行の無いメンバーやデュアル含む試作車両チームに加え、暇なときはいつも部屋か模型店にいる軽大まで集まってだらけていた
「今日ケーくん来ないね~」
「ケーくんは今日東北支部で一人で留守番してるぜ」

軽大の独り言にツバサが答える
「え~?
一人なんですか?」
「ああ、ちょっとしたサプライズがあってな
一人になるのも30分ぐらいだから大丈夫だ」
「そ~ですか
あぁ、なんか眠・・・」

~~~~~~~~~

その頃東北支部では
~~~~~~~~~

「何しようかな~?
ケーくんケーくん♪」
ピンポーン
ピンポピンポピンポーン!
ケーくんが一人になってすぐ、けたたましくチャイムがならされた
「は~い
だれですか~?」
『ドジラスでーす!』
「ブラッチャー!?」
ドーン!!
ケーくんがインターホンにこたえた瞬間、玄関の戸がふっ飛ばされた
「ブラッチャー!
な、何しに来た!?」
「ぬはははは!
決まっているではないか!
ここは今日からブラッチャー東北支部にするのだ!」
ヒカリアンたちがいない間に、こっそり乗っ取っちゃうんだよねー」
ヒカリアンが居ちゃ勝てないもんね~」
「2人とも余計なこと言うな!」
バコッ!
ブラックがドジラスとウッカリーを殴る
「痛っ!」「痛~い!」
「そうはさせないぞ!」
「ふん!お前みたいな武器も持たないお子ちゃまに何ができる!
暗黒煙幕!!」
ブラックの手から濃い黒煙が大量に吐き出される
「ケホケホッ
ぶ、武器ならあるもん!
『スラッシャーウイング』!
えい!」
ケーくんが右手を掲げて叫ぶと、銀色とグリーンで彩られたブーメラン・・・
ケーくんの兄貴分であるツバサがかつて使っていた武器の「スラッシャーウイング」が現れ、それをブラックめがけ投げつけた
「ぬおぉ!
危ないじゃないか小僧!」
「そりゃ親分、危なくないと武器になりませんよ」
「そんなことを言っておるのではない!
いいからあいつを取り押さえろ!」
「「ブラッチャー!」」
「って居ませんよ」
「何!?
ってほんとだ・・・」
ドジラスが言った通り、ケーくんはこのどさくさに紛れいなくなっていた
「どこだどこだ?」
「どこに行ったのだ?」
「あ、上」
「すきありー!」
ウッカリーが見つけたのとほぼ同時に、上からケーくんが落ち・・・
降りてきた
天井に張り付いていたのだ
「な!
お前達煙突ほぐえ!」
ケーくんは丁度ブラックの上に降りる
「やった!
うゎ!?」
「『やった』じゃないのだ!!
このガキンチョめこらしめてくれる!」
ケーくんが立ち上がったとたんブラックも立ち上がり、ケーくんは鼻を打ってしまった
「いたた、」
「暗黒マシンガン!
とりゃ!!」
「うわわ!」
間一髪で避けるが、スラッシャーウイングをおいて来てしまいケーくんは完全に不利になってしまった
「それそれそれ!
ぬはははは!
武器がなければなにもできまい!!」
「親分子供相手に大人気な~い」
「その子供にやられまくったからね~」
バコッ
「うわぁ!」
今まで間一髪で避けてたケーくんだが、ついに当たってしまった
「ハハハざまぁみろ!!」
「親分ホントに当てちゃったよ・・・」
「わ~痛そう!」
ケーくんは緑色の帯を持つ自分とそっくりな形のヒカリアンを思い出す
(お兄ちゃん・・・!!)
そのとき・・・
5つの光が外の車両基地に吸い込まれるよう落ちていった
光はそれぞれ停めてあったE2系0番台N1編成、E3系0番台R1編成、952型高速試験車、W7系1000番台W1編成、そして200系オリジナル車と融合する
「「「「「ヒカリアンチェンジ!!」」」」」
「E2ジェット!」
「E3レーサー!」
「スター21!」
「つるぎ!」
「やまびこ!」
「「「「「定刻通りただ今到着!!」」」」」
光・・・
光エネルギーと融合した新幹線は、長い間地球から離れていたヒカリアン達と、新しいヒカリアンに変身した
「久しぶりケーくん!」
「つるぎくん!
お兄ちゃん!!」
「おうケーくんよく頑張ったな!
さすがは俺の弟だ!」
「お、お前たち地球に帰ってきたのか!?」
「ああ!その通りだ!!」
超特急E3が言う
「おめぇよくも俺の弟を痛い目に合わせてくれたな!!」
「くっ
こしゃくな!
暗黒マシンガン乱れ撃ち!
そりゃそりゃそりゃ!!!
こら!お前たちも手伝わんか!!」
「「ブラッチャー!」」
「ブラッチャーテレテレショッピングで買った冷凍弾!
発射!!」
「ブラブラ砲発射ぁ!」
「うわぁ!」
ブラッチャーはやまびこの話を切り総攻撃を始めた
「お、おいてめぇら!
話してるときに攻撃するとは卑怯だぞ!」
「うるさい!
これでもくらえ!!
暗黒エネルギー召喚!
『ブラックバード』!!」
ブラックは必殺技を放つ
「親分苛立ってるね」
「でもこの調子だと勝てそうだね」

(どうしよう!
このままじゃやられちゃう!!)
迫り来るブラックバードの前にケーくんが飛び出した
「「「ケーくん!!?」」」
「みんなを、守りたい!
・・・
アイビスガード』!!」
ケーくんが地面に右手をつけて叫ぶ
すると大きな朱鷺の形のエネルギーが現れヒカリアンを包み込みブラックバードを弾き飛ばした
「な、何ぃ!?」
「よくもやってくれたな!
お前たち、いくぞ!!」
「「「おう!!」」」
「きりたんぽシュート!!」
E3がきりたんぽ型の手榴弾をまとめて投げる
「『ジェットガンアタック』!!」
E2がジェットガンを逆向きにし、ビームを出す
「スピードシールド!
『スピードサンデー』!!」
スター21がスピードシールドにエネルギーを溜め、光線にして放つ
「ハクタカブレード!
『カガヤキスラッシュ』!!」
ツルギがハクタカブレードにエネルギーをそそぎ、光の刃を飛ばす
「うおぉぉ!
『ヤッホーボンバー』!!」
やまびこがエネルギーを溜め、ドジラスに向けて発射、当たると跳ね返りウッカリー、ブラックにも当たりみんなの必殺技とともに爆発する
「「「おぼえてろよ~!」」」
ブラッチャーはその爆発に巻き込まれいつも通り吹っ飛ばされた

「ケーくんよくやった!
おかげでブラッチャーをやっつけることができた」
「オレ達長旅で疲れてたもんな~」
「一番疲れたのはE2兄ちゃんとR1兄ちゃんを追いかけることだよ~
それよりケーくん!
今の技何!?凄かったよ!」
「ぼくもあの技使うのはじめてなんだ、
なんだったんだろう?」
「お前の『みんなを守りたい』って気持ちが形になったんだ
さすがおれの弟だ!」
その時玄関から誰かが入ってきた
「おいケーくん、一体何があったんだよ
玄関壊れてるぞ!
・・・あ!やまびこさん!
もう来てたんすか!」
「おいツバサ、おめぇ何ケーくんを一人にしてるんだよ!」
「え!?何で怒ってるんですか!?
一人になって何十分もたってないじゃないですか」
「その何十分にブラッチャーがやって来たらどうするんだ!」
「流石にそんなことあるわけ無いでしょ!」
「そんな考え甘いわ!!」
ツバサとやまびこのおいかけっこが始まる
「お兄ちゃん疲れてたんじゃないの?」
「はぁ、あの2人どうするか・・・」
「もう放っておけ」
E2とE3の呟きをよそに、2人のおいかけっこはいつまでも続いていく・・・

サイバージャック

ここはデュアルの車内

福岡で合流した軽大たちとMPVたちはJHR本部へ帰るため小倉駅へ向かっていた

「ねぇねぇ、ずっと気になってたんだけど、何でボクのこと『マツダくん』って呼ぶの

MPVが、絵を描いている軽大にたずねる

「ん

何でって・・・

マツダくんのことを『マツダくん』って呼ばない方が難しいもん」

「え

「ぼくがまだ小さい頃からV兄さんの体のことを『マツダくん』って呼んでてね~

小さすぎていつからそう呼んでたか記憶にないんだけどさ」

「この体、そんなに大事にしてたの・・・

「あったりまえやん

大事な家族やもん

「なんか・・・

ゴメンね・・・」

「何がさ

車であろうと宇宙人であろうと、マツダくんが大事な家族ってことは変わらんし」

「でも、・・・

「じゃあさ、何でマツダくんはこの車を選んだの

「そりゃあ使ってるマシンと同じ形で、気に入ってたから」

「でも四駆じゃなくてFFだよ

LY前期スポーツパッケージメトロポリタングレーマイカの四駆だって、LW前期スポーツパッケージシャストホワイトの四駆だっていっぱい居るだろうし

ぼくは写真をネットにあげるから、ナンバーだけは再現してないよ」

「それは・・・

何でだろう

「実はぼくも、その事にちょっとモヤモヤしてた時期があってね

色々調べてみたら、合体前の車両のエンジン音やモーターノイズとかの波形が、その車両と融合するヒカリアンのエネルギー波とぴったり一致したんだ

しかも、僅かな個体差のレベルでね」

「つまり・・・

どういうこと

ヒカリアンにとってそのボディは、ただの車じゃないんじゃないかってことさ

例えば、『生まれ変わり』とか

「軽大くんって、そういうこと信じるんだ・・・」

「んにゃ、全然

けど、車体との『相性』があるのは確かだし、どうせ確かめる方法なんか無いんやけ、そう思っといた方が楽しいやん」

軽大はMPVに描いていた絵を渡す

そこには、キャラクター化されたマツダMPV人と、MPVにVエイトが描かれていた

「とにかく、あんま気にしないでほしいな

だからこれからもよろしくね

マツダくん

「うん」

その後、人はデュアルの車内を(勝手に)使いマシンの整備を行った

 

~~~~~

 

「そろそろ着くから片付けとけよ~」

「あ、バレてた

「あったり前だよ

別に使ってもいいけどさ、きちんと整理してたんだから、元に戻しとけよ~」

「「ほ~い」」

人が工具やパーツを元の場所に戻すと、丁度小倉駅に到着した

人が徒歩で新幹線ホームに移動すると、回送表示のN7008000番台R編成が入ってきた

「お久しぶりでーすサクラさん」

「おう、数週間ぶりだな。

ツバメ兄さんもサウスも中に居る

すぐ発車するから乗ってくれ」

人は前の乗客用ドアから乗り込んだ

「おはよーサウくん、ツバメさんもお久しぶりです。」

「久しぶり軽大くん

そっちの黄色いのがデュアくんだね

サウスから聞いてるよ。」

「ところで、その人は

「はじめまして、昨日地球に来たVエイトです。

こっちは弟のMPV」

「よろしく

サウスに聞かれ、人が答えた

「こちらこそ

しかしレールスター達以外にも、今日地球に来るヒカリアンが居るとはなぁ」

「時空嵐の影響で、いつ着くか分からなかったんだ。

分かったら連絡するつもりだったんだけど、うまく通信がとれず、デュアルに短いメールを送るのが精一杯で・・・」

「そうか、だからあんな簡単な文だったのか」

MPVの言葉にデュアルが納得する

「ちょっと待って、それじゃ本部には連絡できてないの!?

「うん、そうだね~

 

・・・

バイじゃん!!

エイトに指摘されMPVが焦る

「どうしよう早く連絡しないと!!

「と、とにかく今すぐ通信しよう

「まぁまぁ、そこまで焦らんでも大丈夫だよ

本部長たちユルいし」

「俺たちだって無断で福岡まで来ちゃったしね

まずかったらメールでも来てるだろうけど、何もないし。」

慌てる人をデュアルと軽大がフォローする

「本部長・・・

ユルいの

「ああ」

「うん」

 

そのころ、本部の人間メンバーは・・・

 

~~~~~~

 

「そういえば、軽大とデュアルが見当たらないが・・・」

「そういえばそうですね~」

人なら昨日、基地に止まってたのぞみ号用車両に乗り込んでましたよ

福岡に帰ってるんじゃないですか

「ま、そのうち帰ってくるだろ」

ゆ、ゆるい・・・

 

~~~~~~

 

「とりあえず、本部にメールはしたよ」

「ぼくたちのコトも

「うん

「サンキュー

MPV、V兄さん」

MPVの返事にデュアルがいった

そのとき、サウスがデュアルたちに話しかけてきた

「なぁ、軽大の友達なら、キミたちもミニ四駆やってるの

「あああ、

というかオレは元々ミニ四駆のサイトで鉄と知り合ったんだ」

「へぇ、おれたちも軽大に誘われて始めたんだ

おれのはコレ、エアロサンダーショットってマシンを500系色に塗ってみたんだ」

「ボクのはコレ、ボディはアバンテMKⅢだけど、台車はもっと軽いのにしてるんだ。」

サウスは500系色に塗装されたスーパーⅡシャーシのエアロサンダーショットを、ツバメは白地に紅のラインを引いたアバンテMKⅢをVSにのせたマシンを見せる

「おおスゲェじゃん

なかなか凝ったセッティングしてるな

「中身もどうなってるか気になるなぁ・・・

僕のは軽大くんのを昨日改造させてもらったんだけど・・・」

人も対抗して自分のマシンを取り出し、ミニ四駆の話でもりあがっていった

 

~~~~~~

 

27番乗場に到着の列車は回送運転です。

ご乗車いただけませんのでご注意ください。]

新大阪駅にアナウンスが流れると、N7008000番台が入ってくる

「ここでレールスター兄さんの体を連結するため、少し停車する。

なにか買うものがあったら売店に行けるぞ。」

「え!?甲種輸送も担当するんですか!?

「地球に来てすぐ東海道での連結が・・・

それも異なる7000番台同士のが見れるなんて・・・

あ、さくらさんは九州車だから、8000番台でしたっけ

編成で自走していくわけではないんですね。」

「JHR専属の運転士が居なくてな・・・

いや、一応居るは居るんだが、彼はまだ本線での運転はほとんど許可されてないんだ。」

サクラがVエイトの問いに答える

その時、サクラの停まっている線路にレールスターが入ってきた

それに気がついてサクラは連結機カバーを開け、変身して最後尾に向かう

「うわぁぁこんな並びが見られるなんて・・・!!

「そんなに珍しいことなのかMPV」

「ま、確かにレールスターとさくらに限らず、西日本の新幹線の連結なんて滅多に見られるものじゃないからな」

デュアルの台詞にレールスターから降りてきた運転手が口を挟む

「あ、はじめまして

オレは特車隊デュアル

今本部でお世話になっている特車隊見習いです。」

「ぼくはライトニングMPV

こっちのV兄さんと一緒に、昨日地球に到着しました。」

「は、はじめまして・・・

デュアルと共に本部でお世話になってる特別隊員のミニ四駆レ・・・

じゃなくて工藤軽大です・・・」

「おう、オレは新橋テツユキ、JHRの専属新幹線運転士だ

っても、まだ本線では運転させてもらえない見習いだけどな。」

「またまた~、もう10年も前から運転してるベテランじゃないか

「え!?それは本当なのサウスくん

まだ高校生ぐらいに見えるのに・・・」

「あ

エイトが疑問を口にしたとき、いきなり軽大が声をあげた

「も、もしかして、

『新橋テツユキ』って、数年前JHRの子会社になったあのAHRの創業者さんですか・・・!?

「おいおい、いつのデータだよ

確かにオレはAHRを建てた、でも数年前のぞみと再会してからJHRの運転手にならないかって誘われて戻ってきたんだ。」

「スミマセン、この間ちょっとウィキペディアで見ただけだったんで・・・」

「のぞみって隊長のライトニングノゾミアン

ノゾミ隊長と昔からの知り合いなの

「し、知り合いってか・・・

その、子供の時からの

だ・・・

 

大親友・・・

 

・・・だな」

テツユキが少し恥ずかしそうに、とても小さい声で答える

「い、いやその

昔、今のJHRができるずっと前に知り合って、日本ヒカリアン鉄道の準隊員にしてもらったんだ

その時のぞみ達を少し運転してたんだよ。」

「なるほど、そういうことだったんですね。

でもまだ本線は走らせてもらえないとは・・・」

「一応技術とかは認めてもらえてるんだけどさ、さすがにこんなに若いのははじめてのケースだから、せめて18までは待とう、と言うことになったんだ。」

「確かに、普通なら自動車の免許もとれない年の新幹線運転手なんて、いくらなんでも心配ですしね・・・」

「確かにな、

っといけねぇ、こんなところで話してないで連結機カバーを外さないと」

そう言うとテツユキは線路に降り、服の中からスパナを取り出した

それに続いて軽大も線路に降りる

 

※彼らは特別な許可を得た鉄道会社職員です

一般人が踏切や廃線以外の線路に立ち入るのは非常に危険なだけでなく、法により罰せられるので

よい子も悪い子もいい大人も悪い大人も、大人とも子供とも言えないような人も絶対に真似しないでください!!!

 

人は手にしたスパナでカバー下部にあるボルトを手際よく外していく

そしてボルトがとれると、息を合わせて上にはね上げた

「よし、連結準備完了っと」

テツユキはサクラの、軽大はVエイトの手を借りてホームに戻る

「お疲れ、でもサクラさんみたいに自動では開けられないの

「あれはヒカリアンが融合してるから出来るんだ

東北の新幹線には自動で連結できるのも居るが、こっち側の新幹線は無理だな」

「ただ、ヒカリアン化したときのアシスト用に補助装置が着いてるから

普通の車両よりは楽ですけどね。」

エイトの問いにテツユキと軽大が答えた

「サクラ、準備できたから連結してくれ

できたら合図する。」

テツユキ言うとサクラはうなずき、先頭部に戻った

そして警笛が鳴るとライトが赤から白に変わり、超低速でレールスターに近づく

そして連結機が触れ、一瞬解放テコが開くと完全に密着し連結が完了

サクラも停車し、双方のヘッドライトが消えた

「よし、大丈夫だ

皆サクラに乗り込め

すぐ出発するぞ」

テツユキに言われ、デュアル、サウス、つばめが乗り込む

しかし・・・

「ねぇ、ちゃんと撮れた

「うん、バッチシ

MPVと軽大は先程の連結シーンを動画に撮っており、その確認をしていた

人とも・・・

早く乗りなさい!!

人はVエイトに叱られ、肩に担がれて連れていかれた

「ご、ゴメン・・・」

「兄さんって力持ちなんだね・・・」

エイトが車内に入ったのを確認すると、テツユキが運転室に入り、サクラは東京に向かい走り出す

 

~~~~~~

 

そのあと、サクラは東京駅から東北新幹線の線路に入り、秋葉原駅で本線から外れヒカリアンステーションに入った

格納庫に入ると、左右にはすでにE系U編成と、N700番台Z編成が居た

「ただいま~」

サクラが変身し、車内に居た全員が下車すると、すでに本部組が集まっていた

「テツユキくん久しぶりの東海道はどうだったか

「ATCが変わったんだろ

なめらかに減速できてなかなか快適だったぜ

ただやっぱりまだ300系以外はなれねぇな」

「デュアルくん、軽大くん!
いきなり福岡に帰るなんてびっくりしたじゃないか!
・・・あ、もしかして君たちが?」
「はい、笛太郎さん紹介します!ぼくの大事な家族のマツダくんとV6兄さんです!」
「オレの星からの親友だ
昨日ちょうど地球に来て、鉄の家の車と融合したんだ。」
「なるほどね、

えーと、Vくんとマツダくんだっけ

ぼくはメカニックの梅田笛太郎

よろしくね」

「よろしくお願いします

あと、マツダじゃなくてMPVです・・・」

「久しぶりだなウエスト」

「サウスも元気そうだね」

それぞれが挨拶をしていると、空からつの光が舞い降り、基地に向かってきた

「お、来たか

「あれなんか一つ多くねぇか

その光はそれぞれN700系Z編成、7007000番台E編成、E系U編成と融合する

しかし、残った光はさらに奥の車両整備室に入っていった

「「「「ヒカリアンチェンジ!!」」」」

「ライトニングハヤブサアン」

「ライトニングレールスター

「ライトニングネクストセブン!!

「ら、ライトニングスーパーコマチ

ちょっと、どうせならちょっとぐらい待ってよ~」

台の新幹線は同時に変身し、奥から赤いボディの少女ヒカリアンが走ってきた

「待てって言ったって、こまちが勝手に付いてきたんじゃないか」

「久しぶりだな、レールスター

そして君がハヤブサくんにネクストくんだね

私はライトニングチーム隊長のライトニングノゾミアンだ

ところで、彼女は・・・

「はじめまして、ノゾミ隊長

コイツはぼくの妹のこまちです

いつの間にかこっそりついてきてたみたいで・・・」

ハヤブサが答える

「その赤いボディは、最近秋田新幹線に投入されたEミニ新幹線ですよね!?

何故ステーションに

「この車両は量産先行試作車でな、今ちょうど先頭車の量産化改造が終わったところだったんだが・・・

まさか完成したとたんに光エネルギーが融合するとは・・・」

軽大の問いに、こまちと同じ方向からやって来たドクターが答えた

「そうだったんですか・・・」

「妹が迷惑かけて本当にすみません・・・

ほら、こまちも謝りなさい」

「ご、ごめんなさい・・・」

ハヤブサがこまちの頭を下げさせる

「いや、試運転はしてないが、完成はしていたからね・・・」

その時、いきなりすべての電源が落ち、中へと通じる道のシャッターが閉じはじめた

「何々!?何が始まるの!?

「私も知らないのだが、ドクターは

「私にもさっぱり・・・」

「おい鉄、お前変なボタン押してないよな

「押してないよ!!

想定外の状況に、こまち以外の全員が慌てる

その時、軽大が閉まる直前のシャッターに滑り込む

「あがっ!!

軽大はなんとかシャッターを抜けたが、帽子のツバが引っ掛かり脱げてしまった

「鉄ー!!

鉄、鉄・・・」

「デュアルくん・・・

大丈夫だよ、何が起こってるか分からないけど、ここは僕たちの基地なんだし」

笛太郎がなぐさめるが、

「鉄の頭が一瞬見えた・・・!!

「心配してたんじゃねぇのかよ

全く予想しなかった台詞にツバサがつっこむ

「鉄~、

そっちは大丈夫なのか

デュアルが通信を入れると、すぐに返事が来た

『あ、ちょっとまって、コード取るけん

よっと、とれたとれた

あ~ごめんごめん

背中ちょっと痛い以外平気やで』

「いきなり滑り込んでどうしたの

『いや、中に入ったらなんとかなるかな~って思ったけど、奥のシャッターも閉まってて動けんわ~

あはははは・・・』

MPVの問いに、カメラに近くゴーグルから上が見切れた状態で軽大が答える、

そのとき、スピーカーから聞きなれた笑い声が聞こえた

『ぬはははは

あ~テステス、マイクテス

本日は曇天なり本日は曇天なり~

うおっほん

ごきげんようヒカリアンの諸君

「その声は、ブラックエクスプレス!!

『この基地は、俺様たちが占領した

まもなくここはブラッチャーステーションに生まれ変わるのだ!!!

「ブラッチャー、いつの間に・・・」

「誰も侵入してきた形跡は無かったのだが・・・」

「となると、ブラッチャーはインターネットを経由してこの基地のメインコンピューターにアクセスしたものと思われます。」

ドクターの言葉をもとに、Vエイトが解析する

『なんか通気孔みたいなとこ見つけたんですが、アニメみたいにそこからぼくがコントロールルームに行って、操作できないでしょうか

「いや、その通気孔には所々にファンが設置してあり、どこかに移動できるようなものではない」

「それに、基地のファイアウォールを突破できるなら、専門の知識がないと対応できないよ

軽大くんはプログラマーじゃなくてメカニックなんだよね・・・」

『ぬー、わかりました

では別のとこからどこかに移動できないか調べてみます。』

軽大は通信を切った

「で、我々はどうするかだが・・・」

「ブラッチャー基地に直接乗り込もうぜ!!

「いや、ダメだ

あの基地は今特殊チタン合金のコーティングで覆われていて、そう簡単に乗り込めなくなっている・・・」

ツバサの意見がドクターに否定される

「そんなものいつの間に・・・

「あの金色のメッキは、防御も兼ね備えた強度の高いものだったらしい

それもブラッチャール帝国で開発された非常に強いものだとか・・・」

「あの金メッキただの飾りじゃなかったのかよ・・・」

「となると、ここは相手と同じく外部からハックし、排除するのが一番かと」

エイトが提案する

「そんなことできるのか!?

「無理ではありません

ただ、それにはある程度の性能をもつコンピューターが必要です。」

ノゾミの声にウインダッシュが答える

「それなら任せてください

本部長、確か今日は大阪の総合指令室を使っているんでしたよね

「そういえばそうだったが・・・

そうか

富士見本部長は笛太郎の意図を理解し、携帯を取り出してどこかに連絡を取った

「許可はとれた

だが、これから行く場所については絶対によそには言うな

「「「了解」」」

「ではデュアルくん、乗せてもらっていいかな

「分かりました

では道案内をよろしくお願いします。

ヒカリアンリターン』!!!

デュアルがビークルモードになると、JHR職員やヒカリアンたちが乗り込む

「よし、じゃあ行こうぜ」

「で、でも軽大くんは・・・

すぐに出発しようとするデュアルにたいし、笛太郎が軽大を心配する

「それぐらい大丈夫だろ

おーい、鉄

お前一人になるけどいいか

デュアルは軽大に連絡をいれる

『あうん、別に一人にはなれてるし

死にゃあしないっしょ』

「だそうだから心配するな」

「う、うん

何かあったら連絡するんだよ。」

『あ、分かりました

ありがとうございます笛太郎さん』

「では、出発

本部長の掛け声で、デュアルは走り出した

 

~~~~~~

 

それから少しして、東京のどこか

ヒカリアンたちの前にはどことなくステーションの指令室に似た、巨大な画面が広がる部屋にいた

「ここってもしかして・・・」

「ああ、間違いない

東海道・山陽・九州新幹線総合指令室だ

場所も非公開のはずだが、

本部長、本当にここを使っていいのか!?

そう、ケンタとテツユキが驚いたようにここは新幹線の総合指令所

常に東海道と繋がる新幹線全ての運行を管理している所だ

だが今は彼ら以外には誰もいない

「今日は動作確認や緊急時の訓練のために大阪にあるもうつの総合指令室を動かしているんです。

それで特別に貸してもらえたんですよ

基本的なシステムは基地と同じなので、大抵のことはできるはずですよ。」

笛太郎が説明をしている横で、ウインダッシュは新幹線のシステムと指令室を切り離し、基地へのハッキングを開始した

「侵入することには成功しました。」

「早いんですね」

ファイアウォールのプログラムを書き替えたりといったことを全くやっていなかったので、

ただ・・・」

エイトに答えたウインダッシュは画面に映像を表示させる

そこには、デルタシリーズ、スカイシャーダンコンコルドン、ブラドーザー、ドール、クロガネ、スモークジョー、巨大UFO、ボーガイくん暴走形態、メカガッジーラ、さらには見たことのないハンドルが大量に付いたロボなどといったブラッチャールメカが大量に並んでいた

「な、なんなのコレ!?

「敵のメカのCGデータです。

おそらく設計図から読み取って作り出したのでしょう。」

「プログラムがゲームによく似たものに書き換えられており、CGを使って物理的にデータを破壊、取りだし、変更を行っているのだと・・・

よし

エイトは大きなUSBメモリをコンピューターに繋ぎ、ソフトウェアをインストールする

「MPV、ネクストくん、レールスターくん!!

続いてコードのようなものを本取り出し、人につずつ渡す

「そのソフトはもしかして・・・」

「僕たちで開発していたあのシステムです。」

「ウインダッシュも関わってたっていうあの!?

「はい、これは光エネルギーをコンピューターに繋ぎ、実際に触るように直感的に

また細かく操作することができるようにするシステムなんです。」

笛太郎の質問にウインダッシュが答える

「それってつまり、ゲームの世界に入って暴れられるってこと!?

「ま、まあそういうことだね」

こまちに想像してなかった使用用途を言われ、Vエイトが戸惑いながら答える

「これを使って今からコンピューターに入り、内部から敵の排除を行います。

ただ、それを行えるのは星で既に調整を行った開発者の僕たちだけなので、ウインダッシュさんたちは外部からの排除・復旧をお願いします。」

「了解しました

では気をつけて

エイト、MPV、レールスター、ネクストセブンは椅子に座り、

渡されたコードを腕に着けてもう片方をUSBメモリの側面に差し込む

 

~~~~~~

 

ステーションコンピューターの中

人は体を持たない光エネルギーむき出しのような状態で集まっていた

「どうみんな大丈夫

「うん、平気だよ。」

「こっちも大丈夫だ」

「こちらも異常なしです。」

「データ解析はウインダッシュさんがメインで行ってくれるだろうから、僕たちはあのCGデータをなんとかしよう」

「「「おう」」」

それぞれがブラッチャールメカに立ち向かい、攻撃を浴びせる

その攻撃を受けたメカたちは破壊

・・・されなかった

それどころか彼らは何もないかのようにすり抜けてしまったのだ

!?

「え

「これは一体・・・」

その時、茜色の髪をポニーテールに結んだ小学生ほどの少女が電脳世界に現れた

彼女は弓で攻撃を行い、それを受けたものはその場でデータがつずつ消されていくように消滅していく

「あ、あの娘は・・・

[秋田こまち:

あんたたち何やってんのさ

目の前に降りてきた少女の上に吹き出しが現れた

「『秋田こまち』って、もしかして・・・」

[秋田こまち:

そう、ゲームのようなシステムっていってたから、

オンラインゲームのアカウントでログインしてみたの

あなたたちもCGの体が必要なんじゃないの!?

『しかし、ここに新幹線のデータは・・・』

ウインダッシュがマイクを通して話す

『いや、確か鉄のヤツが色々持ってたハズだ

連絡してみる

デュアルがそういうと、早速軽大に連絡をいれる

 

その頃、軽大は・・・

「ボタン押しても反応しないし、ぼくのドリルじゃ穴空くわけないしなぁ・・・」

何もできずに、動かず考え込んでいた

その時デュアルから連絡が入りCGデータが必要なことを聞く

「分かった、じゃあすぐデータを送るから

軽大は通信を切ると、ポケットから灰色のコードを取りだし、マグナム号に繋ぐ

「しっかしこの状況、あのアニメみたいだな・・・

プラグインマツダくんトランスミッション!!

なんつって」

コードの端を持って掛け声を言いながら基地の壁にある接続口にカッコつけて差し込む

そしてポケットからSDカードを取り出した

「バトルチップ、メタルボディ

スロットイン

また掛け声を言いながらSDカードを差し込んだ

それで気がすんだのか、軽大は地面に座り込んで黙々と操作をし始める

 

ミニ四駆レーサー鉄:

兄さん、マツダくん

持って来ましたよ~]

デュアルの連絡から少しして、電脳世界のVエイト達の元に白いボディのミニバンが走ってきた

この時、こまちのみが直接ブラッチャールメカと戦い、残りは書き換えられたデータを修復していた。

エイト達が振り向くと、白いミニバン・・・

LW型MPVから軽大に似たデータの少年が出てくる、

彼が手にファイルを表示し、開くとたちまち

LY型MPV

700

DCGデータが現れた

ミニ四駆レーサー鉄:

中に手足入ってます

どうぞ]

そう表示されると、人はデータに入り込んだ

ヒカリアンチェンジエイト!!

ヒカリアンチェンジMPV!!

ヒカリアンチェンジネクストセブン!!

ヒカリアンチェンジハヤブサ!!

人はヒカリアンチェンジを行った

ボディウイングに厚みがなく、背中の模様やバーニアが無いが、違和感無くちゃんとしたヒカリアンになった

ミニ四駆レーサー鉄:

ついでに武器にできそうなものも持って来ました

まともなの無いですが・・・]

軽大はそう言うと、別のフォルダを開く

すると、ネギ、マイクスタンド、段ボールっぽい色の板・・・

といったものが出てくる

「何でこんなものが・・・」

ミニ四駆レーサー鉄:

ソフトに最初から着いてたヤツと即興で作ったヤツですからね(汗)]

「あ、でもこれは使えそうだな

そう言うと、ネクストは混ざっていた唯一の武器らしい武器

銀色のワルサーP38を拾う

「何でこれだけ・・・」

ミニ四駆レーサー鉄:

15のモデルをDLしたらついてきたんですよ

これと盾使います

軽大はワルサーP38と段ボールっぽい板を装備した

「これ、盾だったんだ・・・」

「でもそれが一番だろうね

じゃあ行こう

レールスターとMPVが言うと、軽大がそれぞれ個ずつにコピーし、それぞれが手に取りブラッチャールメカに立ち向かっていった

ミニ四駆レーサー鉄:

では、ぼくはここから援護してます

ヒカリアン達は弓やワルサーP38を使いブラッチャールメカを破壊、システムの使用権を取り戻していく

その時、レールスターの背後からハンドルロボが襲いかかった

だが、どこからか強力なエネルギー砲が撃ち込まれ、デリートされた

「今のは・・・

エネルギー砲が飛んできた方向を見ると、巨大なワルサーP38の引き金に触れたミニ四駆レーサー鉄が居た

「な、何そのでっかい銃・・・!?

ミニ四駆レーサー鉄:

大きさの概念は捨てるのです!!

軽大がそういうと、銃は迫力のある巨大なロボットへと変形する

そして右腕に装着されているスコープだった物体から先程と同じエネルギー砲を放ち、ブラッチャールメカを倒す

ヒカリアン達があきれるなか、MPV兄弟は黙々と作業をこなす

すると、倉庫のような場所を見つけた

「『武器データ』

『それはヒカリアンの武器の設計図や性能を保管しているフォルダです

非常に強固なプロテクトをかけていたのでブラッチャーも侵入できなかったのでしょう』

エイトが読み上げた声にウインダッシュが答える

「となると、僕らの本来の武器があるってこと

ヒカリアン星のものは分かりませんが、地球に来たヒカリアンのものはほぼ全て揃っているかと・・・

今エイトさんにデータをインストールしますので、入れるようになるはずです

エイトの正面にウィンドウが開き、少ししてから消える

「ありがとう、ウインダッシュさん

エイトはそのまま武器庫まで歩き、扉をすり抜けた

その時、体のアバターが現れる

[烈星馬(そにっくせいば):

あれここバトルゲーム

珍しいね~]

ミニ四駆レーサー鉄:

そにっくさんにまぐなむさん!?

どうしてここに!?

[豪星馬(まぐなむせいば):

君が居たからやって来たんだけど、どうかしたの

赤い髪にタミヤの帽子を装備したアバターと青い髪に保護ゴーグルを頭に装備したアバターミニ四駆レーサー鉄に話しかける

・・・誰だこいつら

ミニ四駆レーサー鉄:

ここは危ないかもしれないので、早くログアウトしてください!!

[豪星馬(まぐなむせいば):

うさたはか]

青い方が誤送信なのか変な単語を言う

[烈星馬(そにっくせいば):

え~、せっかく隙見てログインした上、はじめてのタイプのゲームなのに~]

ミニ四駆レーサー鉄:

ゲームじゃなくてマジでヤバイんです

[烈星馬(そにっくせいば):

本物のトラブルなワケ!?

なにそれ滅多にない体験じゃん!!

赤い方はこの状況を楽しもうとするかのような発言をする

それに対し軽大はワルサーP38人に渡した

(その時、何もアクションは起こさなかったもののため息をついたように思えた)

[豪星馬(まぐなむせいば):

先程は入力ミスをしてしまい本当にすみません・・・

直ぐにログアウトします。]

ミニ四駆レーサー鉄:

もう残っていいですからコレであの巨大ロボ壊してください

[烈星馬(そにっくせいば):

おっしそう来なくちゃ

赤い方は青い方からも銃を奪い、ブラッチャールメカに向かって発砲し始める

ずっと謝罪の文を考えていたのか青い方は話についていけてないようだった

[豪星馬(まぐなむせいば):

すみません・・・

あの、アイツをログアウトさせるまで居てもいいですかね

ミニ四駆レーサー鉄:

あ、ああ

どうぞ・・・

大変ですね・・・]

軽大は青いのに銃を渡しながら投稿する

[豪星馬(まぐなむせいば):

本当にすみません・・・]

しかし、どっかで見たことある気がすんだよな、この人・・・

その頃、Vエイトは手にフォルダを抱え出てきた

「皆これを!!

それぞれ投げられたフォルダを受けとると、

レールスターとネクストはワームホールブラスターが、

MPVはジェットガンが展開された

エイトの手にはマグネットシールドが握られていた

「兄ちゃん

「皆の本来の武器と特性が近いのを選んだつもりなんだけど、どうかな

「ナイス選択ピッタリだ」

ヒカリアンのために開発された武器を手にすると、ブラッチャールメカの排除のペースが上がった

しかし、一向に消える気配はない

そこに能天気な声が聞こえた

・・・いや、正しくは顔の前にウィンドウが開き文字が入力された

[烈星馬(そにっくせいば):

なんかすっげぇ穴がある

めっちゃロボ出てきてる!!

全員が不審に思い、まずネクストが赤のもとに行った

「こ、これは!?

そこには赤が言った通り空間にぽっかりと穴が開き、そこから次々にブラッチャールメカが現れていた

「ここがファイアウォールの穴なのか・・・」

[烈星馬(そにっくせいば):

「敵の開けた侵入口ってことだ

誰だか知らないけどありがとうな

ネクストはすぐに全員を集める

「確かにここから侵入されてる・・・

ここに一斉に攻撃して接続を不安定にし、閉じた瞬間にファイアウォールを更新すれば元に戻るはずだ

更新はウインダッシュさんに頼んでいいですか

エイトはウインダッシュに訊ねる

『勿論です

「よし、なら皆で行くよ

「「「おう!!!」」」

人は武器を構えた

「トルクコイル

「ジェットガンストーム

「ネクストブラスト

「スター・レイルショット

人が必殺技を繰り出すのと同時に、

秋田こまちがゲームの必殺技っぽいのを、ミニ四駆レーサー鉄が融合カノン砲を放つ

煙が晴れると、そこにあった穴はきれいさっぱり消えていた

同時に、回りのブラッチャールメカも機能停止し消えていく

「ほんと、あの『そにっく』くんだっけ

本当にお手柄だったよ」

「ところで、その人は

エイトの声で思い出したようにネクストが言う

ミニ四駆レーサー鉄:

そにっくさんとまぐなむさんなら、総攻撃の少し前にログアウトしましたよ

何かあったんですかね

「そうですか、お礼言いたかったんですがね・・・」

レールスターが残念がった

ミニ四駆レーサー鉄:

後で伝えておきますよ]

「そう、ありがとうね」

そしてヒカリアン達は現実世界へと戻り、秋田こまちとミニ四駆レーサー鉄もログアウトした

「ふー、ただいま」

「お帰り

MPV、V兄さん」

「みなさんのおかげで基地も無事もとに戻りました

地球に来たばかりなのに、本当にありがとうございます。」

「いやいや、俺たちは自分ができることをやっただけさ」

「それに、コンピューターの性能がかなり高くなければこの作戦は実行できませんでした

用意してくれたJHRのみなさん、ありがとうございました」

「ま、当然だね」

「時貞さんはなにもしてないじゃないですか」

「う・・・」

松田隊員のツッコミに竹田隊員がうなる

「とにかく、遅くなりましたが」

「「「ようこそ、地球へ」」」

 

~~~~~~

 

ぐぬぬ・・・

またしても基地乗っ取りは失敗か・・・」

「今回は行けそうな気がしたんですけどね」

「結構自信あったのになぁ・・・」

「しかし、本来の目的ははたせましたよ

先生」

「本当かスター!!

「あとはスモークジョーが届くのを待つだけだね

「「「「ぬははははは!!!!!」」」」

 

~~~~~~~~~~~~

一方その頃、軽大は・・・

~~~~~~~~~~~~

 

カチカチカチ…

「お、勝ったぜよっしゃあ!!!

全員留守のためロックが解除されない基地で、一人寂しくシフトチェンジするだけのゲームをやっていた

「これのどこが寂しいんだ!?

・・・あれ

今誰に向かっていったんだ俺・・・

 

・・・

『俺』

出会いと再会・・・?

[青いシグナル夢を競うマーシン

胸にきらめく栄光への浪~・・・]

カチッ

「あ~、何だっけ・・・

あ、そうだ出かけるんだった

おい~、鉄起きろ~

目覚まし時計に起こされたデュアルは、下のベッドで寝ているはずの軽大を起こそうと飛び降りた

しかし

「あれ!?居ねえ!?

すでにどこかへ居なくなっていた

だがデュアルは見当がついているらしく、すぐに隣の部屋に向かう

「鉄ここか!?

うん、鉄ここだ」

隣の部屋におかれたパソコンの前には、毛布の塊・・・

ではなく、毛布を被ったパジャマ姿の軽大がいた

「お前何時から起きてんだよ

寝るのもオレより遅かっただろ

「うん、だからマグナム号をこっちに移動させたんじゃん」

「レースデータをとるのに便利だからじゃなかったのか・・・

とりあえず、

出かけるから早く着替えろ」

「どこに

「福岡だ、のぞみ号に乗って行くぞ」

「了解~」

軽大は毛布を被ったままベッドのある部屋に戻っていった

「そういえばアイツの髪型も目も見たことないな

いっつも帽子とゴーグルを着けてるし・・・」

デュアルは不思議がるが、別にただメンドくさいから作者が考えてないだけだけど・・・

そもそも人間の中でコイツだけ絵に出てるのは、描きやすく作ったから唯一描けるってだけだし

「電源オフ良し、コンセント良し、

行くよデュアル」

軽大は外にでる道と全然違う方向に歩き出した

「おいおい、寝ぼけてんのか

外あっちだぞ」

「いや~

今日のぞみ号に使われるN24編成は基地で休んでるんだ

だから基地から乗せてもらおうと思ってね」

「・・・

アリなのかそれ・・・」

「大丈夫大丈夫~」

人はステーションの地下格納庫へ向かっていった

 

~~~~~

 

「博多

「いや小倉」

「あ、そうなん

えーと、22に新大阪に着くんか」

[ピッ ピッ ピッ

タッタラッタラララッタッタラッタラララ

「ん何その音」

「電話の待機音

電王ソードフォームのチェンジ音使ってる」

何度も鳴ってた変身音が止まり、電話が繋がる

『もしもし

「この声・・・

ウエスト!?

『違う

おれはウエストの双子の弟のサウスだ

「あ~、もしもしぼくぼくミニ四駆レーサー鉄」

『お、久しぶり

何か用

「うん

今日さ、多分休みで九州支部行くんじゃない

もし時間が合ったら新大阪から乗せてくれないかな

小倉に行きたいんだ

今のぞみ号に乗ってんだけど・・・」

『うん、いいよ

検査があって今すぐには行けないからちょうどいいし』

「ありがとう助かる

『ところで、隣にいるのは誰だ

「ああ、最近本部に来た親友のデュアタロス君」

「タロス着けんな

ってかタロスって何

『そうなんだ

はじめましてデュアくん』

そのとき、自己紹介をしようとしたサウスを呼ぶ声がした

『あ、はーい

検査にいかなきゃ行けないからまた後でな』

「お、おう」

「乗るのは乗客用ドアからでよろしく~

『はいは い』

通信が切れる

「ウエストに双子の兄弟が居たんだな

全く知らなかった

けど、これでより早く着けるな

ところで、西日本支部のメンバーとどういうふうに知り合ったんだ

「え!?

何でサウくんが西日本支部だと!?

軽大が驚く

「・・・

今画面に出てただろう・・・」

「あ

あそうだったそうだった

あはは

あ、えっとね、

ぼくが基本的にいたのは、博多駅近くにある元々鉄道防衛隊の本拠地だったとこなんだ

だから山陽新幹線のメンバーもよく遊びに来てて、

ぼくが500系好きなこともあって意気投合したんだ」

「ふーん、そうなんだ」

「明日来るレールさんも西日本支部のヒカリアンで、サウくんと仲良かったんだって

ぼくがJHRに入る前に 星に帰っちゃったんだけどね

あとは、九州支部なんだけど明日来るネクストさんの双子の弟サクラさんに、いとこのツバメさんがよく会ってた新幹線チームだね

レールさんにも双子の弟がいるんだけど、その人はほとんど来なかったなぁ・・・

いっつも西日本支部の実験室で、何かやってるんだって」

「『何か』って、一体どんなことなんだ・・・」

「別に変なことじゃないよ、

あ、そういえば前めちゃくちゃおいしいクッキーをくれたことがあったなぁ

あれも実験室で作ったんだろうか

「いやいや、菓子は普通実験室じゃ作らないだろう・・・」

その後軽大はデュアルに、

ウエストとネクストはライバル同士で、あまり仲はよくないこと、

サクラとサウスの二人が山陽九州直 通候補になったものの、パワーを抑えたウイングセンサー量産型の寿命のせいでスピードが出なくなりサウスが脱落したこと、

ツバメには海外で活躍する弟がいること

サウスとサクラは今はかなり仲がいいこと

などを話した

そうしているうちに名古屋駅に到着する

乗っていたN24編成がホームに入線したのと同時に、逆方向からも列車が入って来た

それはN700系でも700系でもない

東海道新幹線に乗り入れるはずのない超特急、5007000番台V編成だ

サイドのマークやLED幕はJHRマークになっている

「さ、サウくん!?ここまだ東海道だよ!?

「いやさ~、検査が早く終わって暇だから来ちゃった

今から折り返すから乗ってくれ」

サウスは先頭車の乗客用 ドアを開ける

「おおお

「なんだよ鉄、変な声出して」

「だってプラグドアってかなり少数派なんだよ

見なきゃだよ見なきゃ!!

「知らねぇよそんなこと・・・

いいから早く乗るぞ」

デュアルが軽大を押して、自分も乗り込んだ

すると軽大はものすごい勢いで、先頭部に向かった

「よっしゃー!!

模擬運転台独り占め!!!

ふはははは!!

「なんだよそんな子供用のおもちゃではしゃいで、

お前よく基地でシュミレーター使わせてもらってるし、頼めばヒカリアンの運転席に乗せてもらえるんじゃねぇの

「それはそれ、これはこれ

そう言うと軽大は真剣な顔をしてブツブツ言いながら運転台をいじり始めた

「はぁ・・・

なあ、サウスだっけ

鉄は 九州支部に居たときからこんなだったわけか

「うん、

というか、小さい頃からそうだったらしいよ

もっともJHRに入ってからの方が生き生きしてるっては聞いたけどな」

 

~~~~~~~~~~

そして時間後、小倉

~~~~~~~~~~

 

「制限30、停車位置確認

・・・

停車」

サウスは小倉駅に停車する

「よし、着いたぜ

ただあまり長く停まってられないから、早く降りてくれ」

「う、了解」

デュアルと軽大はデッキに移動し、軽大はドアが開くのをじっくり見てから降りた

「じゃ、

明日はサクラに乗ってツバメと基地に行くから」

「了解、じゃあまた明日

泊するかもしれないけど、そのときは一緒に乗せてもらっていいか

「ああ、勿論

そ のときは連絡してね」

「おう

おい鉄いつまで連結部見てるんだ、

早く行くぞ」

デュアルは軽大を引きずって改札へ歩いていく

「ちょ、待ってって

あ、また明日ねサウく~・・・」

「う、うん・・・

また明日・・・」

 

「デュー、ちょ痛いよ」

「はやくマグ出せよ、改札出れねぇぞ

「マグロ見たいに言うなよ、

ぼくの端末は寿司ネタじゃないんだよ~」

デュアルと解放された軽大は鹿児島本線のホームへと向かって行った

「じゃ、ここからはオレが走るから

ヒカリアンリターン!!

ほい、乗れ」

「うーす、」

デュアルはどこからともなく飛んできた客車と合体しビークルモード(軌道走行状態)になり、その中に軽大が乗り込んだ。

「よし、出発

「ね~デュア、こないだ言ってたデュアルの親友ってさ、そんなにぼくと似てるの

「あ、まあな、

もちろんヒカリアンだから見た目は全然似てないケドな」

「ふ~ん、なら逆にさ見た目と名前以外に似てないところってどんなとこ

「うーん

体力とか、ちょっと人見知りなとことか、一部マイナス思考なとことかが改善されてるってとこか

「はいはい、ぼくは体力皆無でネガティブですよ~

否定しないけど」

「そ、そこまで言ってねぇだろ

あと、運動神経もだな

ってもアイツもどっちかっていうとインドアだからそうそうスポーツとかしてるとこは見てないけど」

「ま、ぼくより運動神経悪かったら大変だけどね」

「そういうところだよ、マイナス思考ってのは・ ・・」

など会話を続けてるうちに、デュアルはカーナビにしたがって踏切で鉄輪をしまい、道路に入った

そして大きな本屋や図書館、デパートなどのわきを抜けていく

(あれデュアルはどこに向かってんだ

この道って・・・)

そして数分後・・・

「よーし着いた着いた」

「・・・」

人は白とグレー、台のミニバンの止まっている一軒家の前に来た

「あと10分ぐらいか、早く来ないかな~」

「あの~、デュアルくん・・・」

「あ鉄、あと10分だけ待ってくれ、絶対驚くぜ

「いや、もう十分驚いちょる・・・

表札見てみ

「え

工藤・・・

あ、鉄の名字と同じだな」

「ぼくの家だからね・・・」

「あ~なるほど、どおりで同じ名字な訳だ

・・・え

えぇ!?

そのとき、空から二つの光が飛んできて台のミニバン・・・

マツダMPV二次車(LWW)前期型Vエンジン搭載スポーツパッケージ(シャストホワイト)と、

マツダMPV三次車(LYP)前期型スポーツパッケージ(メトロポリタングレーマイカ)に合体した

「「ヒカリアーンチェーンジ!!」」

「え!?マツダくんとVヒカリアン!?

軽大は驚きと喜びの声を上げる

「久しぶりだな、MPV」

「うん

ところで君は

「ぼくは工藤軽大

この家の長男で、今はデュアとJHR本部でお世話になってるんだ

よろしくねマツダくん、Vマツダくん

「鉄、このグレー・・・」

「メトロポリタングレーマイカ」

「え

あ、ああその メトロナンタラっ・・・

「メトロポリタングレーマイカ

都会のマイカグレーって意味」

「は、はぁ

とにかくそっちのほうがさっき言ってた俺の親友

ライトニングMPV

で白・・・」

「シャストホワイト」

「ああもう分かったから

でそっちがMPVの兄のVエイト兄さん

人間で言えば高校生ぐらいだな

何なんだよマツ・・・」

「あそうだったんですか!?

ごめんなさいV兄さん

年上なのに全然気がつかなくて・・・」

「ま、まあ人間から見たら年齢は分かりにくいだろうし・・・」

「確かに、本体が出てるのは目の部分ぐらいだしな

それよりマ

「とりあえずこれからどうする

家に泊まるか・・・

そうだアトム本店に行こう!!

軽大はデュアル の台詞を皆まで言わさず提案する

「本店・・・

こ、この近くなのか!?

「忘れたの~

ぼくのホームサーキットはアトム引野店だってこと!!

軽大が珍しくふんぞり返って自慢する

「ねぇねぇ、アトムって

MPVが聞く

「日本最大の模型チェーン店さ

ほとんどが巨大コースのあるミニ四駆ステーションになってて、毎月アトムカップってレースもやってるんだ」

「それにミニ四駆だけでなく鉄道模型やプラ材も豊富

おおきなNゲージレイアウトだってあるんだぜ

「な、何それすごい!!

そんな天国みたいな所が、地球にはあるなんて・・・」

「だけど、僕たちのマシンは星に置きっぱなしだからすぐには走れないのが残念だなぁ」

「え

それならそれぞれのトランクを見てくださいよ

「「」」

人は言われるままトランクを開ける

すると中から出てきたのは白とグレーのRVミニ四駆・・・

いや、人のボディをモデルにしたレーサータイプミニ四駆

「こ、これは

「へへ~ん、すごいっしょ

またもや軽大が自慢する

「す、スゲェぜ鉄

まさかここまで見越して転送装置まで作っちまってたなんて

「・・・

は、はいぃ

デュアルの言葉に軽大は激しく困惑する

「えーと、とりあえずソレぼくの造形力を誉めてるわけやないよね

なんでこのマシンで鉄の造形力が分かるんだ

「ぼくがフェアレディZランドクルーザーから削り出したマシンを見て何故分からん!?

軽大が悲しみのこもっ た声で言う

「ちょっと待て

人ともマシンを見せてくれ」

デュアルに言われ人はマシンを渡す

「このシャーシはサスMSMA

サイドの文字・・・

同じだよな

「う、うん・・・

兄ちゃんの『TMW00』とぼくの『TMW01

位置も字体も一緒だけど・・・」

「ほらこれは人が星で使ってたマシンだ

これでも自分が作ったって言い張るのか!?

「あ、当たり前じゃん事実なんやけ

TMWってのは『ミニ四駆レーサー鉄の作ったM系前後用サス』って意味だもん

「デュアル、軽大君の言ってることは多分本当だよ

僕たちはLWランドクルーザーなのは何とか分かったけどLYが何ベースか分かんなかった

それにこのマシンは『開かずの倉庫』から出てきたものを使ってたからね」

「開かずの倉庫

軽大がVエイトの台詞に大量のを浮かべる

「星にあった謎の倉庫だよ、

今のヒカリアン文明の始まる遥か昔からあったと言われて、誰にも開けることのできなかった変な倉庫さ、

なんでかボクたちは普通に開けれたんだけどね、

そこに大量のミニ四駆があって、ボクたちの秘密基地にして遊んでたんだ

当時はヒカリアン星でミニ四駆なんて売ってなかったから、そこにあったマシンを使ってたんだ

そこでボクがこのLY型、兄ちゃんがそのLW型、

デュアルはここにはないけど、ポリカ強化旧FMに乗ったハリケーンソニックを使っていた

だからこのマシンは、将来開かずの倉庫に置かれるマシンなんじゃないかな

「な、なるほど・・・

ッて

あの古くさい倉庫そんなすごいものだったのか!?

俺たち、そんなもんで遊んでよかったのか・・・

デュアルが汗だくになる

FMハリケーン・・・

もしかして・・・」

軽大は家の中に入り、一台の真っ赤なマシンを持って出てきた

「もしかして、コレ

「おお

これだこれ!!

コイツも鉄が作ったのか

「うん、デュアル使う

「・・・

いや、オレは03が居るし、FMじゃ超速使えないからさ

けど、何かあって0102も出れないときは」

「もちろん、コイツを貸すよ」

軽大とデュアルはうなずく

「さ、早くアトムに行こうよ」

「そうだな

じゃ、オレに乗ってよ

車内はピットにしてるから中で改造できるし」

「デュアルさっすが ~

軽大くんも手伝ったの

「んにゃ、会ったときからこうだったよ

道はぼくが教えるけん、運転席に座るね」

「了解

じゃ、『ヒカリアンリターン』

デュアルはビークルモードになり、人が乗り込むと走り出した

そして数分後、

高い建物がほとんどないのどかな道を通り、デュアルは公園に面する道路に停車した

向かいには秋葉原店と同じ看板をつけた模型店があった

模型の看板のつは割れており、立地もあわせはっきりいって「全国的チェーン店の本店」といった感じはないが、

平屋ながら非常に大きく、周りの風景と馴染み

非常にいい雰囲気を持った模型店である

「こ、ここがアトム模型の本店・・・

「地球には、こんな大きなミニ四駆メインの店があるんだ!!

デュアルとMPVがそれぞれの感想を言う

「どうすごいっしょ

「って、鉄のじゃねぇだろ」

「アハハ、そーだけどさ~」

その時、メインのコースを走っていた青年がマシンを停め、振り向いた

「あれ工藤くん!?

「たいちょー

軽大に「たいちょー」と呼ばれた青年が、マシン・・・

白く塗装されたオープントップのシャドウシャークを持って来た

知り合いなのか

「うん、よく遊んでもらってる近所のお兄さん」

「大長培人です

君たちは工藤くんの同僚

大長に聞かれ、ヒカリアンたちも自己紹介する

「北海道支部所属のDMV、特車隊デュアルです

今は鉄と一緒に本部で研修中だから、北海道ですごしてないけど一応今 も北海道支部所属だ」

「はじめまして

今日地球に来たばかりのライトニングVエイトと、」

「弟のMPVです

「来たばかりでよく分からないことも多いですが、よろしくお願いします」

「えーと、

デュアルくんにVマツダくんとマツダくん・・・

じゃなくてエイトくんとMPVくんだっけ

よろしく」

その時、人の少年が入ってきた

「あれ

ヒカリアン

「めずらしいやん」

「ん

マサとカイタロス

「クド!?

何でここに!?

「JHRクビになったのか~

「ンな分けないじゃん

今日はちょっとこの人を迎えにね」

軽大がVエイトとMPVを示す

「もしかして、クドん家の車

「うん、マツダくんとV兄さん

さっき来た ばっかりなんだ」

「へー、よろしく」

「よろしく、マツダくん」

「こちらこそよろしく」

マツダじゃなくてMPVなんだけどな、名前・・・」

「ねえねえ、せっかくみんな集まったんやけレースしない!?

トーナメント戦でさ」

軽大が提案する

「お、いいじゃん」

「久しぶりにMPVと戦えるなら、オレは大賛成だぜ

「まさか来ていきなりレースできるなんて・・・」

人は次々賛同する

「じゃ、決まり

コースはここアトム引野店メインサーキット

ルールはタミヤ公式戦と基本的に同じ

但しミニFのパーツとエネループライトの使用、

本来許可されてない旧FMやタイプへの超速・チョイ速ギヤ、

タイプへのコンペティションギヤの装着

フルベアリング加工は可

あとここにあるMSMA用標準ギヤ、タイプ用超速ギヤの使用もOK

なにか質問は!?

「ハイッ

間髪入れずデュアルが手を挙げる

MS用標準ギヤと、タイプ用超速ギヤなんて何処に売ってたんだよ!?

「ぼくが余ったギヤを使って作ったんだ

セットずつあるよ」

そう言って軽大がポケットからいくつものカラフルなギヤを取り出す

「そ、そうなのか・・・」

「それ

この間ボクも作った

「なんと

ならマツダくんと人でもっと量産できるじゃん

「感心すんな、人とも・・・」

デュアルがツッコむ

「アハハ・・・

あ、あと決勝はこのパワーチャンプを配るから、それも考えててね、

で、人だから・・・

どう いう順番でレースしようか

人、人で、勝者とあまりで決勝

でいいんじゃない

大長が提案する

「お、それいいやん

じゃ、チーム分けは

グーとパーで分かれて、多かった方がじゃんけんして勝ったヒトがシードとかは

「それがベストやろうな」「うんうん、」

雅信の案に皆が賛同する

そして分かれた結果、

軽大、Vエイト、雅信がグー、

のこりがパーで、そのうち大長がじゃんけんに勝利しシードになった

 

~~~~~

30分後

~~~~~

 

「皆、セッティングできたな

じゃ、V兄さん&MPV地球到着記念トーナメントレース始めるぞ

「「「おー!!」」」

「じゃ、ボクがシグナルを押すよ」

大長がスイッチに手をおく

そしてV エイト、軽大、雅信がコースに並んだ

「じゃあ行くよ」

全車のスイッチが入る

ピー

「ゴーLW

「出発進行、ドリームセイバー

「発車

インから順に、

LWマツダMPV

ドリームセイバー

シャイニングスコーピオン

が発車する

まず飛び出したのは雅信のスコーピオン

元々最高速タイプセッティングの軽量マシンに、高トルクのパワーダッシュモーターを乗せたために、非常に鋭い加速を見せている

二番はVエイトのLW型MPVである

トルクの高いセッティングが得意なVエイトだったが、大きな加工ができず車重に振り回されてしまっている

軽大のドリームセイバーはLWの直後にくらいついているが、前回ほどの加速は なくなっている

「あれ鉄のボディ、クリヤーじゃない・・・!?

「ふっふっふ、気がついたようだね

今回プラのセイロクを使いボディマスダンにしたのだ

それも『ホットサンドシステム』を参考にウエイトをボディの低い位置につけ、フロントギヤカバーを叩くようにアンダースタビヘッドをつけたから機能はオリジナルと同じ

名付けて

・・・

あ~、えーと・・・

取り付け方が東北ダンパーに似てるから『山陽ダンパー』とかどうかな

「名前考えてねぇのかよ・・・」

「ま、名前はともかく、

これで安定性が上がったらウルトラ乗せてみるつもりなんだ~」

確かに、この間に比べ安定性は格段に上がっている

・・・だが、

スピードもかなり落ちているような ・・・

ボディが重たくなったとはいえ、ここまで減速するだろうか

とか考えているうちに、LWスコーピオンに追い付いた

LWの方が安定性が高い分、しっかりグリップできたためスコーピオンに直線で引き離されても総合的にはほぼ互角となっているのだ

ところでセイバーは・・・

「ちょ、どうしたセイバー!?

「どこか当たってるんやない

「いや、ちゃんと当たらないように確認しながら作ったもん」

「なぁ鉄、そのモーターパワーダッシュだろ

それもこの間も使ったやつ」

「うん、そうだけど・・・

もしかして!?

「絶対寿命だろ」

このとき販売されているパワーダッシュモーター及びスプリントダッシュモーターはブラシの品質にバラツキが多く、中にはブレ ークインだけでへばってしまうようなものもあるらしい

だからアケポン(開封しただけで慣らしも何もせずにのせること)や、大量に購入して選別することが多いのだが、

このモーターは一度レースで全力を出したもの、しかもかなりのハズレだったようで、かなりパワーが落ちてしまっているようだ

いい勝負をしているLWスコーピオンに対し、完全においてけぼりを食らっている

「も、モーター交換をさせてくれ

「別にいいけど、俺は停めねぇぞ

「僕もこのままいかせてもらうけど・・・」

「おう秘技ウルトラ・・・

いや、プラズマダッシュの力で追い抜いてやる!!

そういって軽大はレーサーズボックスから歪な形のエンドベルをした黒いモーターをつかみ、セイバーを停めて山陽ダンパー(仮)を大きく開き、ワンロックギヤカバーを開いてターミナルごと交換しすぐに再スタートした

「っけードリームセイバープラズマエディション!!

ドリームセイバーはさすがプラズマダッシュモーターというべき爆発的な加速力を見せて走り出した

コーナーもギリギリ通過し、ナイアガラもなんとかクリア

どんどん差を詰めるが、あと数十cmというところで・・・

「Vエイト、雅信ゴール

ほんのわずかの差でVエイトの勝ち

届かなかった

さすがにプラズマダッシュといえど、使いかけのエネライトであの遅れを取り戻すのは無理があったようだ

「くそー

あと少し早く交換していたら・・・

「それはそれで無理だったと思うよ」

「何でさたいちょー・・・」

「あそこまでギリギリだったら、あと数cm加速距離が長かっただけですぐコースアウトしてたと思うよ」

「そうやなぁ、重りつけてたらよかったんやない

その時、回収し損ねたドリームセイバーが速度過多でクラッシュする

「ほ、ホントだ・・・

けどウエイトまで増やす暇はなかったよ・・・」

「とりあえず、V兄さん決勝頑張ってね

「うん、けどもう少し加速を鋭くしたいな・・・」

「ならギヤの肉抜きでもする

ここに電動ドリルあるし」

軽大がポケットからタミヤの電動ドリルを取り出す

「使っていいの

「モチロン

「ありがとう

エイトは軽大からドリルを受けとると、作業台へ向かった

「次は、たしかオレとデュアルとマツダくんだよな

カイタが言う

「う、うん

名前、MPVなんだけどな・・・」

「MPV、久しぶりのレースでも、いつもどうり俺が勝つからな

「何言ってんのさ

いつもウイルス一匹分ボクのが速いじゃないか

「どれだけギリギリなんだ・・・

はいはい、人とも並んで並んで~」

大長に言われ、インから順にMPV、デュアル、カイタがコースについた

レッドシグナルが点灯する

ピッ

ピッ

ピッ

ピッ

ピー!!

「行け03!!

「制限解除、出発進行!!

「俺に勝てぬものなどあんまり無い

まずはじめにカイタのエアロアバンテが飛び出した

元々コーナー重視のマシンだが、クリヤーボディに電池落としをやっているためかなり軽く、加速でこのマシンに勝てるものはここには居ない

しかし最高速ではLYが 、アップダウンの安定性では03が上回っているため、ジリジリと差を詰められている

「行っけーTMW01サスペンション!!

「頼むぜ内蔵逆東北

LY03台はアバンテより重い車重を生かし、低く短く飛んで地を蹴り、

アバンテを抜いた

そしてアバンテも飛ぶが、アバンテには小さなマスダンがつついているだけ、

跳ねて飛び出すと思えたが・・・

 

ダムッ!!

 

アバンテはわずかにはずんだだけで、コース壁はこえなかった

「何故・・・

「『なんちゃら』だ

「な、『なんちゃら』ぁ

「『フレキシブルなんちゃら』、ちゃんとした改造の名前だよ

あえてシャーシの剛性を抜くことで、シャーシ全体がこんにゃくのようにしなり、サスペンションみたいな機能をするんだ

アバンテもFRPをサイドに入れて補強しているとはいえ、大胆な電池落としの肉抜きで剛性が落ちている

だからなんちゃらと同じような効果を発揮できたんだ!!

確かにアバンテは03のようなマスダンパー等で無理に押さえつける走りではなく、

サスペンションマシンであるLYに近いなめらかな走りをしている

「全車ファイナルラップ

トップはグニグニ走りのマツダくん

次にガチガチ走りな03が追い上げる

おっとここで得意のストレートに入ったうにうに走りのアバンテが、すごい加速で距離を縮めていく!!

「鉄なんだようにうにとかグニグニって・・・

あと俺のマシンをガチガチって言うのなんか嫌なんだが・・・」

「じゃ、ぼく のセイバーは『のごっのご』でいいからさ」

「どんな擬態語だよ・・・」

そういってるあいだに全車ゴールした

「結果は!?

「えっと、本当にギリギリだったけど・・・

03が何とか最後の最後にマツダくんを抜いて

マツダくんは少しスピード不足だったかな・・・

最後がアバンテ

カイ今度ギヤの肉抜きでもしてみる

「なんかバランスが何とかってネットに出てたけど

「きちんと均等に印つけてあければ大丈夫~」

「次は僕たちだね」

「大長さんちょっと待って

まだオレメンテが終わってない

「僕も、もう少し慣らしをさせてほしいな・・・」

「あ、ゴメンゴメン

じゃあ、30分ぐらい開ける

「お願いします」

「それだけあれば十分だな 」

人はそういうと、無言でマシンの調整を始めた

そしてちょうど30分後・・・

「「できた」」

人が同時に工具を置いた

「では

マツダくん&V兄さん来地球記念MDKカップ決勝戦

出場者は、

白いボディがまぶしいパワータイプのVエイト兄さん&LW型MPV

完璧なローラーセッティングを武器とするコーナー重視のデュアル&サラマンダー03

そして運も見方につけた我らが隊長大長培人&シャドウシャーク

人には、このタミヤ社製アルカリマンガン乾電池『パワーチャンプGZ』を本ずつ渡します。

この電池のみで走りきること以外は予選と同じレギュレーションです。

ではレーサーはスタートについてください

軽大がパワーチャンプGZを渡しながら、実況者のようなノリで言う。

そして人はマシンに渡された電池を入れると、インからデュアル、Vエイト、大長の順にスタートについた

「シグナル点灯

レッドシグナルが光り、電子音が鳴る

カチ、キュイイィィィィ

クッ、シャァァァァァー

カチッ、ギュィィィィィィ

全車のスイッチが入り、シグナルも青に変わる

「ゴーLW!!

「行け03

「発進

スタートした瞬間、軽大が爆走兄弟レッツ&ゴー!!のBGM

「マグナムセイバーのテーマ」を流し始めた

「さぁ、各車一斉にスタート

まず飛び出したのはV兄さんのLW型VMPV

高トルクセッティングにギヤの肉抜きが加わって鋭い加速を見せている

次に続くのはデュ アルのサラマンダー03

LW以上のトルクを持つ03だが、軽くなった駆動系に遅れをとったか!?

そしてたいちょーのシャドウシャークは・・・

おおもう03に並んでる

台ほどの加速はないものの、トップスピードの高さで追い上げた

軽大の実況が始まったから、作者は少し楽をするか、

あとは頼んだ

台ならんでウェーブコースにはいる

トップで抜けるのは・・・

LW

トルクと駆動系の軽さを加速に変えてスムーズに走り抜けた

続いてシャドウシャークが軽量車体を武器にしてLWに迫る

03は自分の重さに少し振り回されているようだ

先頭のLW、続いてシャドウがデジタルカーブを抜けて芝ストレートに入った

おお

ここで03が減 速した台に迫る

「確かデュアルはARだったよな

ARは裏がツルツルだから、こういうのには強いんだよな」

「あとパワーもあるけ、これだけの追い上げができるんやろ」

カイタと雅信が解説する

ヒルクライムに一番でたどり着いたのは03

そこにLWが差を積める

そしてそれぞれジャンプ

台そろってきれいに入った

遅れてシャドウシャーク

ああっと着地でバランスを崩し加速に遅れてしまった

さらに追い討ちをかけるロングウェーブ

03LWは順調だが、シャドウシャークはさらに距離を離される

バンクを03LW、シャドウの順で抜けたらそのままの順で週目に入る!!

このまま03が逃げ切るのか!?

・・・いやLWもシャドウ シャークも差を詰めている!?

「モーターとギヤの違いや

LWはギヤの肉抜きで駆動系全体が軽くなってより小さな力で回せるし、

シャドウはモーターがパワーダッシュやHDPより消費電流の小さなハイパーダッシュやけん、スピードが落ちにくいんよ

雅信が解説する

「な、なるほど」

と言ってるうちに週目も半ば

ナイアガラで並びそれぞれ着地

03、MPV、シャドウの順で安定したが、03は長いコーナー、ウェーブでトップをキープするもバンクで減速、

そのすきにLWが前に出て

下りと最後のストレートでシャドウシャークがすさまじい追い上げを見せる

そして・・・

「ゴール

位はわずかの差でV兄さん

人はおしくも同着位だ!!

「や ったぁ

「さすが兄ちゃん

「くっ、V兄さんに敵わなかったか・・・」

「いや、ニッ水だったらきっと負けてたよ」

「ぼくもPDにしとけばよかったかな・・・

おめでとう、Vマツダくん」

「あ、ありがとうございます、大長さん

ただ『マツダ』じゃなくて『エイト』なんですが・・・」

「ああ、そうだったね

ゴメンゴメン

ところで、何で最後だけパワーチャンプにしたの

「ホントだよ

それもGZなんて古いやつ・・・」

大長とデュアルが口を揃えて聞く

「いや~、人のトランクに電池も入れてたんだけど、見たら今月が期限でさ~

使いきっちゃおうと思って~」

軽大が軽い調子で言った

「そんな理由かよ・・・

どうりでいつもより遅いと思ったぜ・・・」

デュアルはパワーチャンプを取り出し、期限を確認しながら呆れた様子で言った

「ところで、これから工藤くんたちはどうするの

すぐ東京に戻る

「いや、軽大くんの家族に挨拶ぐらいはしておきたいし」

「そっか、なるほど

じゃ一旦帰るか

たいちょーたちは

「今日は基地に泊まるつもりなんだけど、

あとから来たら

「いいね

じゃ、用事がすんだら行くよ」

「ちょっと待てよ

基地って

「ぼくの家のこと

共同で買ったゲームとか機械とか色々置いて、自由に集まれるようにしてんだ」

デュアルの問いに大長が答えた

「デュアルは先行ってたら

「ちょ、ちょっと待てよ鉄

「あ~、デュアルくんが一緒なら歩かなくてよくて楽だね~」

「え!?

いいんですか大長さん

「別に泊まるのが人増えても問題ないよ~」

大長は手をヒラヒラさせながら言う

「と、いうわけで

みんな後でね~」

軽大とMPVはいつの間にかリターンしていたVエイトの車内に乗り込んでいた

「え!?

兄さんも!?

待てよー

「後で行くから~」

叫ぶデュアルを振り返ることもなく、Vエイトは走り去っていった

「デュアルくん、乗せてってもらっていい かな

「泊めて貰うのならそれぐらいやりますけど・・・

本当にいいんですか

「久々に会ったからね」

「JHRのことも色々聞きてぇしな」

「それにお土産約束してたんだよな~」

大長、雅信、カイタがそれぞれ言う

「カイタ悪ぃ、

今日場所伝えずいきなり連れてきたから多分鉄何ももってねぇ・・・」

「ええ~

まぁいいけどさ」

「『ヒカリアンリターン』

じゃ、乗ってくれ

あと道案内も頼む

ナビより地元民の方が信用できるからな。」

「了解」

人が乗り込んだのを確認すると、デュアルは走り出した

 

~~~~~~~~

数時間後、大長宅

~~~~~~~~

 

「ブレイブハート

諦めるな、お前の夢を

ネバーギブアップ

走り抜けろ・・・ 」

ガチャ

「ただいま~」

軽大とMPV、Vエイトがやって来た

「鉄、ここお前ん家じゃないだろ・・・」

「いーのいーの

お帰り工藤くん」

「大長さんまで・・・

まあ家主がいいならいいんだけどさ・・・」

「ところでデュアル達何してんの

「カラオケ

ゲーム機からできるんだってさ

今時すげぇな

レツゴーの曲もかなりあったぜ」

MPVの問いにデュアルがマイクを振り回しながら答える

つーかお前ら未来人だよな・・・

なのに「今時すげぇ」って・・・

「へー、ボクにも歌わせてよ

「おう、今みんなで歌ってっから順番な

・・・って俺の終わってる

「たいちょーWiiU買ったん

「いや、雅信くんが福引きであたってね

持って来てく れたんだ。」

「そうだったん

ぼくも歌う!!

こうして、途中で夕食を挟んだりしつつ、カラオケ大会は夜中まで続いていった

 

そして、翌日朝・・・

 

タータッ タッタッタタタ~

「な、何だよ急に・・・」

超特急ヒカリアンのBGMが鳴り、デュアルが目をさます

「ゴメンゴメン

目覚まし切るの忘れてたよ~」

台所の方から軽大がフライ返しを握りしめてやって来た

そしてデュアルの近くに転がっていたマグナム号を操作し音を止める

「あぁ、いつの間にか寝ちまったのか・・・

鉄は起きるの早いな・・・」

「いやぁ、それがさ

寝てないんだよねぇ~

ずっとパソってて」

軽大が笑いながら言う

「鉄・・・

徹夜したのかよ」

「『鉄が徹夜』って

ハハハ

いや~結構平気なんだね

徹夜しても

ククク・・・」

軽大が笑いをこらえながら言う

「いや、平気じゃなさそうだぞ・・・

テンションおかしいし」

「いや、 デュアが面白いこと言うからじゃんっ

それよりもうすぐご飯できるけんみんな起こしてくれん

「お、おう」

軽大は台所にもどり、デュアルはVエイト以外を起こした

「さて・・・

最後の難関だな・・・」

「どうしたん

雅信が聞く

「兄ちゃん、一度寝るとなかなか起きないんだよね・・・

デュアルと大長さん手伝ってくれる

「え

いいけど」

「何するんだ

「え~と・・・

これでいいや」

MPVは布団をつかむと、人に渡した

「これを持って、あそこに構えてて

兄ちゃんが飛び込んでくるから」

そう言うとMPVは直方体タイプのパトランプを手にし、Vエイトの耳元で囁きながら鳴らした

「緊急事態緊急事態

情報技術開発部にて開 発中のプログラムが暴走

対応できる技術者は至急情報技術開発室へ向かってください

そう言い終わるとMPVは瞬時に飛び退き・・・

 

ズゴーン!!

 

エイトが、いきなり構えていた布団に飛び込んだ

「え何々!?

「どうしたんだよいきなり!!

雅信とデュアルが驚くなか、Vエイトが目を覚ました

「いたた・・・

あれここは・・・

 

「おはよ、兄ちゃん」

「ああ、MPV・・・

おはよう、」

「ねえ、どういうことなの

大長が聞く

「ぼくたちは星で新しいシステムの開発をするプロジェクトにいたんだ

それでV兄ちゃんはすぐ駆けつけてくれるんだけど、

寝てたときは寝たまま移動するんだよね・・・」

「それで、思いっきり布団に飛び込んだ、というわけか・・・」

「え

何の話

デュアルをはじめ回りのみんなは一応理解はしたが、本人だけ何の事かさっぱりのようだ

「Vくん、ちょっと気を付けた方がいいよ」

「え

よくわかんないけど、

ありがとうございます大長さん」

「ご飯できたけみんな来て~」

「おう」

軽大に言われ、全員が食卓につき朝食をとりはじめた

 

~~~~~~

 

「ごちそーさん

ほら人とも

サクラさんが駅に来ちゃうよ

軽大がデュアルとMPV兄弟をせかす

「ふぁくらふぁん

「今日はレールスターとN700系とE系のヒカリアンも来るんだよ

そこでその兄弟の8000番台サクラさんやいとこの800系つばめさん、友人の500系V編成 サウくんも出迎えに行くから、ついでに乗せてもらうことになったんだ」

「へ~、それなら急がないと

MPVは急いで食事を終えると、荷物を持って外に飛び出した

「おい待てよMPV

オレたちまだ食ってるんだけど!!

「デュアルに乗って、途中から線路にはいるんでしょ

先に荷物を載せとこうと思って。」

「それなら助かるけど・・・」

MPVは外に飛び出した

「っく、MPVのやつせっかちなんだから・・・」

「でもあの行動力は見習いたいよね」

「だよね~」

軽大のセリフにVエイトが同意する

「V兄さんはのんびり、鉄はダラダラしすぎなだけだろ・・・

早く食っちまおうぜ」

そういうが、いつの間にかVエイトも食べ終わっていた

「うぇ

・・・

 

ごちそーさん

デュアルは慌てて食べ終わると、荷物を手に持った

「じゃ、ぼくたちはもう行くけど、

洗い物とかはたいちょーたちに頼んでもいいかな

「いいともー

朝ごはん作ってくれたんだし」

「洗急(せんきゅう)~」

変な言い方をした軽大は、リターンしたデュアルに乗り込んだ

「大長さんたち、日ありがとうございました」

エイトが挨拶し、デュアルとMPVも頭を下げる

「いやいや

東京行ったときはよろしくね」

「うん、じゃーね~」

軽大が言ったのと同時に、デュアルは走り始めた