ミニ四駆レーサー鉄の気ままな小説置き場@ヒカリアン命

ぼく、ミニ四駆レーサー鉄が書いた様々な小説を投稿するブログ。何らかの形でヒカリアンが乱入します

サイバージャック

ここはデュアルの車内

福岡で合流した軽大たちとMPVたちはJHR本部へ帰るため小倉駅へ向かっていた

「ねぇねぇ、ずっと気になってたんだけど、何でボクのこと『マツダくん』って呼ぶの

MPVが、絵を描いている軽大にたずねる

「ん

何でって・・・

マツダくんのことを『マツダくん』って呼ばない方が難しいもん」

「え

「ぼくがまだ小さい頃からV兄さんの体のことを『マツダくん』って呼んでてね~

小さすぎていつからそう呼んでたか記憶にないんだけどさ」

「この体、そんなに大事にしてたの・・・

「あったりまえやん

大事な家族やもん

「なんか・・・

ゴメンね・・・」

「何がさ

車であろうと宇宙人であろうと、マツダくんが大事な家族ってことは変わらんし」

「でも、・・・

「じゃあさ、何でマツダくんはこの車を選んだの

「そりゃあ使ってるマシンと同じ形で、気に入ってたから」

「でも四駆じゃなくてFFだよ

LY前期スポーツパッケージメトロポリタングレーマイカの四駆だって、LW前期スポーツパッケージシャストホワイトの四駆だっていっぱい居るだろうし

ぼくは写真をネットにあげるから、ナンバーだけは再現してないよ」

「それは・・・

何でだろう

「実はぼくも、その事にちょっとモヤモヤしてた時期があってね

色々調べてみたら、合体前の車両のエンジン音やモーターノイズとかの波形が、その車両と融合するヒカリアンのエネルギー波とぴったり一致したんだ

しかも、僅かな個体差のレベルでね」

「つまり・・・

どういうこと

ヒカリアンにとってそのボディは、ただの車じゃないんじゃないかってことさ

例えば、『生まれ変わり』とか

「軽大くんって、そういうこと信じるんだ・・・」

「んにゃ、全然

けど、車体との『相性』があるのは確かだし、どうせ確かめる方法なんか無いんやけ、そう思っといた方が楽しいやん」

軽大はMPVに描いていた絵を渡す

そこには、キャラクター化されたマツダMPV人と、MPVにVエイトが描かれていた

「とにかく、あんま気にしないでほしいな

だからこれからもよろしくね

マツダくん

「うん」

その後、人はデュアルの車内を(勝手に)使いマシンの整備を行った

 

~~~~~

 

「そろそろ着くから片付けとけよ~」

「あ、バレてた

「あったり前だよ

別に使ってもいいけどさ、きちんと整理してたんだから、元に戻しとけよ~」

「「ほ~い」」

人が工具やパーツを元の場所に戻すと、丁度小倉駅に到着した

人が徒歩で新幹線ホームに移動すると、回送表示のN7008000番台R編成が入ってきた

「お久しぶりでーすサクラさん」

「おう、数週間ぶりだな。

ツバメ兄さんもサウスも中に居る

すぐ発車するから乗ってくれ」

人は前の乗客用ドアから乗り込んだ

「おはよーサウくん、ツバメさんもお久しぶりです。」

「久しぶり軽大くん

そっちの黄色いのがデュアくんだね

サウスから聞いてるよ。」

「ところで、その人は

「はじめまして、昨日地球に来たVエイトです。

こっちは弟のMPV」

「よろしく

サウスに聞かれ、人が答えた

「こちらこそ

しかしレールスター達以外にも、今日地球に来るヒカリアンが居るとはなぁ」

「時空嵐の影響で、いつ着くか分からなかったんだ。

分かったら連絡するつもりだったんだけど、うまく通信がとれず、デュアルに短いメールを送るのが精一杯で・・・」

「そうか、だからあんな簡単な文だったのか」

MPVの言葉にデュアルが納得する

「ちょっと待って、それじゃ本部には連絡できてないの!?

「うん、そうだね~

 

・・・

バイじゃん!!

エイトに指摘されMPVが焦る

「どうしよう早く連絡しないと!!

「と、とにかく今すぐ通信しよう

「まぁまぁ、そこまで焦らんでも大丈夫だよ

本部長たちユルいし」

「俺たちだって無断で福岡まで来ちゃったしね

まずかったらメールでも来てるだろうけど、何もないし。」

慌てる人をデュアルと軽大がフォローする

「本部長・・・

ユルいの

「ああ」

「うん」

 

そのころ、本部の人間メンバーは・・・

 

~~~~~~

 

「そういえば、軽大とデュアルが見当たらないが・・・」

「そういえばそうですね~」

人なら昨日、基地に止まってたのぞみ号用車両に乗り込んでましたよ

福岡に帰ってるんじゃないですか

「ま、そのうち帰ってくるだろ」

ゆ、ゆるい・・・

 

~~~~~~

 

「とりあえず、本部にメールはしたよ」

「ぼくたちのコトも

「うん

「サンキュー

MPV、V兄さん」

MPVの返事にデュアルがいった

そのとき、サウスがデュアルたちに話しかけてきた

「なぁ、軽大の友達なら、キミたちもミニ四駆やってるの

「あああ、

というかオレは元々ミニ四駆のサイトで鉄と知り合ったんだ」

「へぇ、おれたちも軽大に誘われて始めたんだ

おれのはコレ、エアロサンダーショットってマシンを500系色に塗ってみたんだ」

「ボクのはコレ、ボディはアバンテMKⅢだけど、台車はもっと軽いのにしてるんだ。」

サウスは500系色に塗装されたスーパーⅡシャーシのエアロサンダーショットを、ツバメは白地に紅のラインを引いたアバンテMKⅢをVSにのせたマシンを見せる

「おおスゲェじゃん

なかなか凝ったセッティングしてるな

「中身もどうなってるか気になるなぁ・・・

僕のは軽大くんのを昨日改造させてもらったんだけど・・・」

人も対抗して自分のマシンを取り出し、ミニ四駆の話でもりあがっていった

 

~~~~~~

 

27番乗場に到着の列車は回送運転です。

ご乗車いただけませんのでご注意ください。]

新大阪駅にアナウンスが流れると、N7008000番台が入ってくる

「ここでレールスター兄さんの体を連結するため、少し停車する。

なにか買うものがあったら売店に行けるぞ。」

「え!?甲種輸送も担当するんですか!?

「地球に来てすぐ東海道での連結が・・・

それも異なる7000番台同士のが見れるなんて・・・

あ、さくらさんは九州車だから、8000番台でしたっけ

編成で自走していくわけではないんですね。」

「JHR専属の運転士が居なくてな・・・

いや、一応居るは居るんだが、彼はまだ本線での運転はほとんど許可されてないんだ。」

サクラがVエイトの問いに答える

その時、サクラの停まっている線路にレールスターが入ってきた

それに気がついてサクラは連結機カバーを開け、変身して最後尾に向かう

「うわぁぁこんな並びが見られるなんて・・・!!

「そんなに珍しいことなのかMPV」

「ま、確かにレールスターとさくらに限らず、西日本の新幹線の連結なんて滅多に見られるものじゃないからな」

デュアルの台詞にレールスターから降りてきた運転手が口を挟む

「あ、はじめまして

オレは特車隊デュアル

今本部でお世話になっている特車隊見習いです。」

「ぼくはライトニングMPV

こっちのV兄さんと一緒に、昨日地球に到着しました。」

「は、はじめまして・・・

デュアルと共に本部でお世話になってる特別隊員のミニ四駆レ・・・

じゃなくて工藤軽大です・・・」

「おう、オレは新橋テツユキ、JHRの専属新幹線運転士だ

っても、まだ本線では運転させてもらえない見習いだけどな。」

「またまた~、もう10年も前から運転してるベテランじゃないか

「え!?それは本当なのサウスくん

まだ高校生ぐらいに見えるのに・・・」

「あ

エイトが疑問を口にしたとき、いきなり軽大が声をあげた

「も、もしかして、

『新橋テツユキ』って、数年前JHRの子会社になったあのAHRの創業者さんですか・・・!?

「おいおい、いつのデータだよ

確かにオレはAHRを建てた、でも数年前のぞみと再会してからJHRの運転手にならないかって誘われて戻ってきたんだ。」

「スミマセン、この間ちょっとウィキペディアで見ただけだったんで・・・」

「のぞみって隊長のライトニングノゾミアン

ノゾミ隊長と昔からの知り合いなの

「し、知り合いってか・・・

その、子供の時からの

だ・・・

 

大親友・・・

 

・・・だな」

テツユキが少し恥ずかしそうに、とても小さい声で答える

「い、いやその

昔、今のJHRができるずっと前に知り合って、日本ヒカリアン鉄道の準隊員にしてもらったんだ

その時のぞみ達を少し運転してたんだよ。」

「なるほど、そういうことだったんですね。

でもまだ本線は走らせてもらえないとは・・・」

「一応技術とかは認めてもらえてるんだけどさ、さすがにこんなに若いのははじめてのケースだから、せめて18までは待とう、と言うことになったんだ。」

「確かに、普通なら自動車の免許もとれない年の新幹線運転手なんて、いくらなんでも心配ですしね・・・」

「確かにな、

っといけねぇ、こんなところで話してないで連結機カバーを外さないと」

そう言うとテツユキは線路に降り、服の中からスパナを取り出した

それに続いて軽大も線路に降りる

 

※彼らは特別な許可を得た鉄道会社職員です

一般人が踏切や廃線以外の線路に立ち入るのは非常に危険なだけでなく、法により罰せられるので

よい子も悪い子もいい大人も悪い大人も、大人とも子供とも言えないような人も絶対に真似しないでください!!!

 

人は手にしたスパナでカバー下部にあるボルトを手際よく外していく

そしてボルトがとれると、息を合わせて上にはね上げた

「よし、連結準備完了っと」

テツユキはサクラの、軽大はVエイトの手を借りてホームに戻る

「お疲れ、でもサクラさんみたいに自動では開けられないの

「あれはヒカリアンが融合してるから出来るんだ

東北の新幹線には自動で連結できるのも居るが、こっち側の新幹線は無理だな」

「ただ、ヒカリアン化したときのアシスト用に補助装置が着いてるから

普通の車両よりは楽ですけどね。」

エイトの問いにテツユキと軽大が答えた

「サクラ、準備できたから連結してくれ

できたら合図する。」

テツユキ言うとサクラはうなずき、先頭部に戻った

そして警笛が鳴るとライトが赤から白に変わり、超低速でレールスターに近づく

そして連結機が触れ、一瞬解放テコが開くと完全に密着し連結が完了

サクラも停車し、双方のヘッドライトが消えた

「よし、大丈夫だ

皆サクラに乗り込め

すぐ出発するぞ」

テツユキに言われ、デュアル、サウス、つばめが乗り込む

しかし・・・

「ねぇ、ちゃんと撮れた

「うん、バッチシ

MPVと軽大は先程の連結シーンを動画に撮っており、その確認をしていた

人とも・・・

早く乗りなさい!!

人はVエイトに叱られ、肩に担がれて連れていかれた

「ご、ゴメン・・・」

「兄さんって力持ちなんだね・・・」

エイトが車内に入ったのを確認すると、テツユキが運転室に入り、サクラは東京に向かい走り出す

 

~~~~~~

 

そのあと、サクラは東京駅から東北新幹線の線路に入り、秋葉原駅で本線から外れヒカリアンステーションに入った

格納庫に入ると、左右にはすでにE系U編成と、N700番台Z編成が居た

「ただいま~」

サクラが変身し、車内に居た全員が下車すると、すでに本部組が集まっていた

「テツユキくん久しぶりの東海道はどうだったか

「ATCが変わったんだろ

なめらかに減速できてなかなか快適だったぜ

ただやっぱりまだ300系以外はなれねぇな」

「デュアルくん、軽大くん!
いきなり福岡に帰るなんてびっくりしたじゃないか!
・・・あ、もしかして君たちが?」
「はい、笛太郎さん紹介します!ぼくの大事な家族のマツダくんとV6兄さんです!」
「オレの星からの親友だ
昨日ちょうど地球に来て、鉄の家の車と融合したんだ。」
「なるほどね、

えーと、Vくんとマツダくんだっけ

ぼくはメカニックの梅田笛太郎

よろしくね」

「よろしくお願いします

あと、マツダじゃなくてMPVです・・・」

「久しぶりだなウエスト」

「サウスも元気そうだね」

それぞれが挨拶をしていると、空からつの光が舞い降り、基地に向かってきた

「お、来たか

「あれなんか一つ多くねぇか

その光はそれぞれN700系Z編成、7007000番台E編成、E系U編成と融合する

しかし、残った光はさらに奥の車両整備室に入っていった

「「「「ヒカリアンチェンジ!!」」」」

「ライトニングハヤブサアン」

「ライトニングレールスター

「ライトニングネクストセブン!!

「ら、ライトニングスーパーコマチ

ちょっと、どうせならちょっとぐらい待ってよ~」

台の新幹線は同時に変身し、奥から赤いボディの少女ヒカリアンが走ってきた

「待てって言ったって、こまちが勝手に付いてきたんじゃないか」

「久しぶりだな、レールスター

そして君がハヤブサくんにネクストくんだね

私はライトニングチーム隊長のライトニングノゾミアンだ

ところで、彼女は・・・

「はじめまして、ノゾミ隊長

コイツはぼくの妹のこまちです

いつの間にかこっそりついてきてたみたいで・・・」

ハヤブサが答える

「その赤いボディは、最近秋田新幹線に投入されたEミニ新幹線ですよね!?

何故ステーションに

「この車両は量産先行試作車でな、今ちょうど先頭車の量産化改造が終わったところだったんだが・・・

まさか完成したとたんに光エネルギーが融合するとは・・・」

軽大の問いに、こまちと同じ方向からやって来たドクターが答えた

「そうだったんですか・・・」

「妹が迷惑かけて本当にすみません・・・

ほら、こまちも謝りなさい」

「ご、ごめんなさい・・・」

ハヤブサがこまちの頭を下げさせる

「いや、試運転はしてないが、完成はしていたからね・・・」

その時、いきなりすべての電源が落ち、中へと通じる道のシャッターが閉じはじめた

「何々!?何が始まるの!?

「私も知らないのだが、ドクターは

「私にもさっぱり・・・」

「おい鉄、お前変なボタン押してないよな

「押してないよ!!

想定外の状況に、こまち以外の全員が慌てる

その時、軽大が閉まる直前のシャッターに滑り込む

「あがっ!!

軽大はなんとかシャッターを抜けたが、帽子のツバが引っ掛かり脱げてしまった

「鉄ー!!

鉄、鉄・・・」

「デュアルくん・・・

大丈夫だよ、何が起こってるか分からないけど、ここは僕たちの基地なんだし」

笛太郎がなぐさめるが、

「鉄の頭が一瞬見えた・・・!!

「心配してたんじゃねぇのかよ

全く予想しなかった台詞にツバサがつっこむ

「鉄~、

そっちは大丈夫なのか

デュアルが通信を入れると、すぐに返事が来た

『あ、ちょっとまって、コード取るけん

よっと、とれたとれた

あ~ごめんごめん

背中ちょっと痛い以外平気やで』

「いきなり滑り込んでどうしたの

『いや、中に入ったらなんとかなるかな~って思ったけど、奥のシャッターも閉まってて動けんわ~

あはははは・・・』

MPVの問いに、カメラに近くゴーグルから上が見切れた状態で軽大が答える、

そのとき、スピーカーから聞きなれた笑い声が聞こえた

『ぬはははは

あ~テステス、マイクテス

本日は曇天なり本日は曇天なり~

うおっほん

ごきげんようヒカリアンの諸君

「その声は、ブラックエクスプレス!!

『この基地は、俺様たちが占領した

まもなくここはブラッチャーステーションに生まれ変わるのだ!!!

「ブラッチャー、いつの間に・・・」

「誰も侵入してきた形跡は無かったのだが・・・」

「となると、ブラッチャーはインターネットを経由してこの基地のメインコンピューターにアクセスしたものと思われます。」

ドクターの言葉をもとに、Vエイトが解析する

『なんか通気孔みたいなとこ見つけたんですが、アニメみたいにそこからぼくがコントロールルームに行って、操作できないでしょうか

「いや、その通気孔には所々にファンが設置してあり、どこかに移動できるようなものではない」

「それに、基地のファイアウォールを突破できるなら、専門の知識がないと対応できないよ

軽大くんはプログラマーじゃなくてメカニックなんだよね・・・」

『ぬー、わかりました

では別のとこからどこかに移動できないか調べてみます。』

軽大は通信を切った

「で、我々はどうするかだが・・・」

「ブラッチャー基地に直接乗り込もうぜ!!

「いや、ダメだ

あの基地は今特殊チタン合金のコーティングで覆われていて、そう簡単に乗り込めなくなっている・・・」

ツバサの意見がドクターに否定される

「そんなものいつの間に・・・

「あの金色のメッキは、防御も兼ね備えた強度の高いものだったらしい

それもブラッチャール帝国で開発された非常に強いものだとか・・・」

「あの金メッキただの飾りじゃなかったのかよ・・・」

「となると、ここは相手と同じく外部からハックし、排除するのが一番かと」

エイトが提案する

「そんなことできるのか!?

「無理ではありません

ただ、それにはある程度の性能をもつコンピューターが必要です。」

ノゾミの声にウインダッシュが答える

「それなら任せてください

本部長、確か今日は大阪の総合指令室を使っているんでしたよね

「そういえばそうだったが・・・

そうか

富士見本部長は笛太郎の意図を理解し、携帯を取り出してどこかに連絡を取った

「許可はとれた

だが、これから行く場所については絶対によそには言うな

「「「了解」」」

「ではデュアルくん、乗せてもらっていいかな

「分かりました

では道案内をよろしくお願いします。

ヒカリアンリターン』!!!

デュアルがビークルモードになると、JHR職員やヒカリアンたちが乗り込む

「よし、じゃあ行こうぜ」

「で、でも軽大くんは・・・

すぐに出発しようとするデュアルにたいし、笛太郎が軽大を心配する

「それぐらい大丈夫だろ

おーい、鉄

お前一人になるけどいいか

デュアルは軽大に連絡をいれる

『あうん、別に一人にはなれてるし

死にゃあしないっしょ』

「だそうだから心配するな」

「う、うん

何かあったら連絡するんだよ。」

『あ、分かりました

ありがとうございます笛太郎さん』

「では、出発

本部長の掛け声で、デュアルは走り出した

 

~~~~~~

 

それから少しして、東京のどこか

ヒカリアンたちの前にはどことなくステーションの指令室に似た、巨大な画面が広がる部屋にいた

「ここってもしかして・・・」

「ああ、間違いない

東海道・山陽・九州新幹線総合指令室だ

場所も非公開のはずだが、

本部長、本当にここを使っていいのか!?

そう、ケンタとテツユキが驚いたようにここは新幹線の総合指令所

常に東海道と繋がる新幹線全ての運行を管理している所だ

だが今は彼ら以外には誰もいない

「今日は動作確認や緊急時の訓練のために大阪にあるもうつの総合指令室を動かしているんです。

それで特別に貸してもらえたんですよ

基本的なシステムは基地と同じなので、大抵のことはできるはずですよ。」

笛太郎が説明をしている横で、ウインダッシュは新幹線のシステムと指令室を切り離し、基地へのハッキングを開始した

「侵入することには成功しました。」

「早いんですね」

ファイアウォールのプログラムを書き替えたりといったことを全くやっていなかったので、

ただ・・・」

エイトに答えたウインダッシュは画面に映像を表示させる

そこには、デルタシリーズ、スカイシャーダンコンコルドン、ブラドーザー、ドール、クロガネ、スモークジョー、巨大UFO、ボーガイくん暴走形態、メカガッジーラ、さらには見たことのないハンドルが大量に付いたロボなどといったブラッチャールメカが大量に並んでいた

「な、なんなのコレ!?

「敵のメカのCGデータです。

おそらく設計図から読み取って作り出したのでしょう。」

「プログラムがゲームによく似たものに書き換えられており、CGを使って物理的にデータを破壊、取りだし、変更を行っているのだと・・・

よし

エイトは大きなUSBメモリをコンピューターに繋ぎ、ソフトウェアをインストールする

「MPV、ネクストくん、レールスターくん!!

続いてコードのようなものを本取り出し、人につずつ渡す

「そのソフトはもしかして・・・」

「僕たちで開発していたあのシステムです。」

「ウインダッシュも関わってたっていうあの!?

「はい、これは光エネルギーをコンピューターに繋ぎ、実際に触るように直感的に

また細かく操作することができるようにするシステムなんです。」

笛太郎の質問にウインダッシュが答える

「それってつまり、ゲームの世界に入って暴れられるってこと!?

「ま、まあそういうことだね」

こまちに想像してなかった使用用途を言われ、Vエイトが戸惑いながら答える

「これを使って今からコンピューターに入り、内部から敵の排除を行います。

ただ、それを行えるのは星で既に調整を行った開発者の僕たちだけなので、ウインダッシュさんたちは外部からの排除・復旧をお願いします。」

「了解しました

では気をつけて

エイト、MPV、レールスター、ネクストセブンは椅子に座り、

渡されたコードを腕に着けてもう片方をUSBメモリの側面に差し込む

 

~~~~~~

 

ステーションコンピューターの中

人は体を持たない光エネルギーむき出しのような状態で集まっていた

「どうみんな大丈夫

「うん、平気だよ。」

「こっちも大丈夫だ」

「こちらも異常なしです。」

「データ解析はウインダッシュさんがメインで行ってくれるだろうから、僕たちはあのCGデータをなんとかしよう」

「「「おう」」」

それぞれがブラッチャールメカに立ち向かい、攻撃を浴びせる

その攻撃を受けたメカたちは破壊

・・・されなかった

それどころか彼らは何もないかのようにすり抜けてしまったのだ

!?

「え

「これは一体・・・」

その時、茜色の髪をポニーテールに結んだ小学生ほどの少女が電脳世界に現れた

彼女は弓で攻撃を行い、それを受けたものはその場でデータがつずつ消されていくように消滅していく

「あ、あの娘は・・・

[秋田こまち:

あんたたち何やってんのさ

目の前に降りてきた少女の上に吹き出しが現れた

「『秋田こまち』って、もしかして・・・」

[秋田こまち:

そう、ゲームのようなシステムっていってたから、

オンラインゲームのアカウントでログインしてみたの

あなたたちもCGの体が必要なんじゃないの!?

『しかし、ここに新幹線のデータは・・・』

ウインダッシュがマイクを通して話す

『いや、確か鉄のヤツが色々持ってたハズだ

連絡してみる

デュアルがそういうと、早速軽大に連絡をいれる

 

その頃、軽大は・・・

「ボタン押しても反応しないし、ぼくのドリルじゃ穴空くわけないしなぁ・・・」

何もできずに、動かず考え込んでいた

その時デュアルから連絡が入りCGデータが必要なことを聞く

「分かった、じゃあすぐデータを送るから

軽大は通信を切ると、ポケットから灰色のコードを取りだし、マグナム号に繋ぐ

「しっかしこの状況、あのアニメみたいだな・・・

プラグインマツダくんトランスミッション!!

なんつって」

コードの端を持って掛け声を言いながら基地の壁にある接続口にカッコつけて差し込む

そしてポケットからSDカードを取り出した

「バトルチップ、メタルボディ

スロットイン

また掛け声を言いながらSDカードを差し込んだ

それで気がすんだのか、軽大は地面に座り込んで黙々と操作をし始める

 

ミニ四駆レーサー鉄:

兄さん、マツダくん

持って来ましたよ~]

デュアルの連絡から少しして、電脳世界のVエイト達の元に白いボディのミニバンが走ってきた

この時、こまちのみが直接ブラッチャールメカと戦い、残りは書き換えられたデータを修復していた。

エイト達が振り向くと、白いミニバン・・・

LW型MPVから軽大に似たデータの少年が出てくる、

彼が手にファイルを表示し、開くとたちまち

LY型MPV

700

DCGデータが現れた

ミニ四駆レーサー鉄:

中に手足入ってます

どうぞ]

そう表示されると、人はデータに入り込んだ

ヒカリアンチェンジエイト!!

ヒカリアンチェンジMPV!!

ヒカリアンチェンジネクストセブン!!

ヒカリアンチェンジハヤブサ!!

人はヒカリアンチェンジを行った

ボディウイングに厚みがなく、背中の模様やバーニアが無いが、違和感無くちゃんとしたヒカリアンになった

ミニ四駆レーサー鉄:

ついでに武器にできそうなものも持って来ました

まともなの無いですが・・・]

軽大はそう言うと、別のフォルダを開く

すると、ネギ、マイクスタンド、段ボールっぽい色の板・・・

といったものが出てくる

「何でこんなものが・・・」

ミニ四駆レーサー鉄:

ソフトに最初から着いてたヤツと即興で作ったヤツですからね(汗)]

「あ、でもこれは使えそうだな

そう言うと、ネクストは混ざっていた唯一の武器らしい武器

銀色のワルサーP38を拾う

「何でこれだけ・・・」

ミニ四駆レーサー鉄:

15のモデルをDLしたらついてきたんですよ

これと盾使います

軽大はワルサーP38と段ボールっぽい板を装備した

「これ、盾だったんだ・・・」

「でもそれが一番だろうね

じゃあ行こう

レールスターとMPVが言うと、軽大がそれぞれ個ずつにコピーし、それぞれが手に取りブラッチャールメカに立ち向かっていった

ミニ四駆レーサー鉄:

では、ぼくはここから援護してます

ヒカリアン達は弓やワルサーP38を使いブラッチャールメカを破壊、システムの使用権を取り戻していく

その時、レールスターの背後からハンドルロボが襲いかかった

だが、どこからか強力なエネルギー砲が撃ち込まれ、デリートされた

「今のは・・・

エネルギー砲が飛んできた方向を見ると、巨大なワルサーP38の引き金に触れたミニ四駆レーサー鉄が居た

「な、何そのでっかい銃・・・!?

ミニ四駆レーサー鉄:

大きさの概念は捨てるのです!!

軽大がそういうと、銃は迫力のある巨大なロボットへと変形する

そして右腕に装着されているスコープだった物体から先程と同じエネルギー砲を放ち、ブラッチャールメカを倒す

ヒカリアン達があきれるなか、MPV兄弟は黙々と作業をこなす

すると、倉庫のような場所を見つけた

「『武器データ』

『それはヒカリアンの武器の設計図や性能を保管しているフォルダです

非常に強固なプロテクトをかけていたのでブラッチャーも侵入できなかったのでしょう』

エイトが読み上げた声にウインダッシュが答える

「となると、僕らの本来の武器があるってこと

ヒカリアン星のものは分かりませんが、地球に来たヒカリアンのものはほぼ全て揃っているかと・・・

今エイトさんにデータをインストールしますので、入れるようになるはずです

エイトの正面にウィンドウが開き、少ししてから消える

「ありがとう、ウインダッシュさん

エイトはそのまま武器庫まで歩き、扉をすり抜けた

その時、体のアバターが現れる

[烈星馬(そにっくせいば):

あれここバトルゲーム

珍しいね~]

ミニ四駆レーサー鉄:

そにっくさんにまぐなむさん!?

どうしてここに!?

[豪星馬(まぐなむせいば):

君が居たからやって来たんだけど、どうかしたの

赤い髪にタミヤの帽子を装備したアバターと青い髪に保護ゴーグルを頭に装備したアバターミニ四駆レーサー鉄に話しかける

・・・誰だこいつら

ミニ四駆レーサー鉄:

ここは危ないかもしれないので、早くログアウトしてください!!

[豪星馬(まぐなむせいば):

うさたはか]

青い方が誤送信なのか変な単語を言う

[烈星馬(そにっくせいば):

え~、せっかく隙見てログインした上、はじめてのタイプのゲームなのに~]

ミニ四駆レーサー鉄:

ゲームじゃなくてマジでヤバイんです

[烈星馬(そにっくせいば):

本物のトラブルなワケ!?

なにそれ滅多にない体験じゃん!!

赤い方はこの状況を楽しもうとするかのような発言をする

それに対し軽大はワルサーP38人に渡した

(その時、何もアクションは起こさなかったもののため息をついたように思えた)

[豪星馬(まぐなむせいば):

先程は入力ミスをしてしまい本当にすみません・・・

直ぐにログアウトします。]

ミニ四駆レーサー鉄:

もう残っていいですからコレであの巨大ロボ壊してください

[烈星馬(そにっくせいば):

おっしそう来なくちゃ

赤い方は青い方からも銃を奪い、ブラッチャールメカに向かって発砲し始める

ずっと謝罪の文を考えていたのか青い方は話についていけてないようだった

[豪星馬(まぐなむせいば):

すみません・・・

あの、アイツをログアウトさせるまで居てもいいですかね

ミニ四駆レーサー鉄:

あ、ああ

どうぞ・・・

大変ですね・・・]

軽大は青いのに銃を渡しながら投稿する

[豪星馬(まぐなむせいば):

本当にすみません・・・]

しかし、どっかで見たことある気がすんだよな、この人・・・

その頃、Vエイトは手にフォルダを抱え出てきた

「皆これを!!

それぞれ投げられたフォルダを受けとると、

レールスターとネクストはワームホールブラスターが、

MPVはジェットガンが展開された

エイトの手にはマグネットシールドが握られていた

「兄ちゃん

「皆の本来の武器と特性が近いのを選んだつもりなんだけど、どうかな

「ナイス選択ピッタリだ」

ヒカリアンのために開発された武器を手にすると、ブラッチャールメカの排除のペースが上がった

しかし、一向に消える気配はない

そこに能天気な声が聞こえた

・・・いや、正しくは顔の前にウィンドウが開き文字が入力された

[烈星馬(そにっくせいば):

なんかすっげぇ穴がある

めっちゃロボ出てきてる!!

全員が不審に思い、まずネクストが赤のもとに行った

「こ、これは!?

そこには赤が言った通り空間にぽっかりと穴が開き、そこから次々にブラッチャールメカが現れていた

「ここがファイアウォールの穴なのか・・・」

[烈星馬(そにっくせいば):

「敵の開けた侵入口ってことだ

誰だか知らないけどありがとうな

ネクストはすぐに全員を集める

「確かにここから侵入されてる・・・

ここに一斉に攻撃して接続を不安定にし、閉じた瞬間にファイアウォールを更新すれば元に戻るはずだ

更新はウインダッシュさんに頼んでいいですか

エイトはウインダッシュに訊ねる

『勿論です

「よし、なら皆で行くよ

「「「おう!!!」」」

人は武器を構えた

「トルクコイル

「ジェットガンストーム

「ネクストブラスト

「スター・レイルショット

人が必殺技を繰り出すのと同時に、

秋田こまちがゲームの必殺技っぽいのを、ミニ四駆レーサー鉄が融合カノン砲を放つ

煙が晴れると、そこにあった穴はきれいさっぱり消えていた

同時に、回りのブラッチャールメカも機能停止し消えていく

「ほんと、あの『そにっく』くんだっけ

本当にお手柄だったよ」

「ところで、その人は

エイトの声で思い出したようにネクストが言う

ミニ四駆レーサー鉄:

そにっくさんとまぐなむさんなら、総攻撃の少し前にログアウトしましたよ

何かあったんですかね

「そうですか、お礼言いたかったんですがね・・・」

レールスターが残念がった

ミニ四駆レーサー鉄:

後で伝えておきますよ]

「そう、ありがとうね」

そしてヒカリアン達は現実世界へと戻り、秋田こまちとミニ四駆レーサー鉄もログアウトした

「ふー、ただいま」

「お帰り

MPV、V兄さん」

「みなさんのおかげで基地も無事もとに戻りました

地球に来たばかりなのに、本当にありがとうございます。」

「いやいや、俺たちは自分ができることをやっただけさ」

「それに、コンピューターの性能がかなり高くなければこの作戦は実行できませんでした

用意してくれたJHRのみなさん、ありがとうございました」

「ま、当然だね」

「時貞さんはなにもしてないじゃないですか」

「う・・・」

松田隊員のツッコミに竹田隊員がうなる

「とにかく、遅くなりましたが」

「「「ようこそ、地球へ」」」

 

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ぐぬぬ・・・

またしても基地乗っ取りは失敗か・・・」

「今回は行けそうな気がしたんですけどね」

「結構自信あったのになぁ・・・」

「しかし、本来の目的ははたせましたよ

先生」

「本当かスター!!

「あとはスモークジョーが届くのを待つだけだね

「「「「ぬははははは!!!!!」」」」

 

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一方その頃、軽大は・・・

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カチカチカチ…

「お、勝ったぜよっしゃあ!!!

全員留守のためロックが解除されない基地で、一人寂しくシフトチェンジするだけのゲームをやっていた

「これのどこが寂しいんだ!?

・・・あれ

今誰に向かっていったんだ俺・・・

 

・・・

『俺』